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ゼミ合宿2日目!

2日目は念願のウポポイへ。さて、ウポポイといえば私にとって謎の存在だった。できたと聞いた時は嬉しかったが、実際どうなんだろう?と思っていた。
ネトウヨたちは「国の金を貪るアイヌ」とか「アイヌなんていない」「嘘の歴史だからウソポイ」とか批判しているけど、そういう荒唐無稽な批判ではなく。映えスポットみたいになってて、なんかそれでいいのかなって、プロジェクションマッピングってなんやねんって思ったし。展示のされ方がどんな感じなのかも気になった。「k=」(私たちが)が主題であることはなんとなく聞いていたけど、本当にアイヌ視点になっているのか?など。
結論から言って死ぬほど楽しかった。なんじゃこれ。いやまあそりゃ冷静に考えたらディズニーオタクが新しいディズニーのアトラクション行ってテンション上がるのと同じ原理だよ。一民族をアトラクションとはけしからんとか思うけど。とにかく私からして楽しくないわけはなかった。新しいの大好きだし。これはもう、私が10年以上アイヌオタクをやっている上で仕方ないというか。アイヌを専門にする大学生としての自分と、シンプルなアイヌオタクとしての自分の2人いる感じなので・・・
では真面目な方で行くとそ現在視点の展示が多かったことが興味深かった。「過去を見つめる」という構図に飽き飽きしたというか、昔ながらの生活をしているアイヌ民族として描かれるのってつまらないというか…もっとリアルなところを知りたかったから、サラリーマンとか舞台役者とかさまざまな形で活躍されている方のパネルが展示されていて非常に興味深かった。あと、基本的な説明がわかりやすかった。例え私が知っていることでも、何も知らない人に向けて国立の機関がどんなふうに説明するのかを見るのはめっちゃ面白かった。カムイとの関係性を理解しないとアイヌの文化は表面的にしか理解できないんだけど、それが最初の方にパネルで大きく説明されててわかりやすかった。それから私が単純に知らないこともあった。霊がラマッと呼ばれていることも基本情報だったみたいだけど初めて聞いた。色々な地域の踊りの映像も流してくれていて、地域の多様性がしっかり表現されていていいなと思った。毎回おもろいんだけどクジラの踊りの時にクジラ役をやるおばさんがずっと真ん中で寝っ転がって解体の演技される間も無表情なのが個人的にツボ。いや、多分鯨が取れるなんてめちゃめちゃすごいことで祭りにするくらい重い儀式かもしれないのでツボってる場合ではないんですが。つまり知らないことと知ってることがちょうどよく混じりあってるバランス最高でした。
ウポポイの職員の方にも事前に先生が解説を依頼してくださって、お話をお伺いすることができた。それが私が以前から完全解釈一致してた「アイヌ民族否定論に抗する」という本の編者のマーク・ウィンチェスター氏であったのでテンションMAXでした。アイヌについて考えるのってめちゃめちゃ難しい。私以上に長いことアイヌに向き合って、難しさも体感されているような方の一言ってすごく考え抜かれていて重いなと思った。色々と深いところまでお伺いできたんだけど、最後に「ヘトヘトになりながらきちんとしたものを作ろうと頑張っている職員がいる」というお話を聞いて、ウポポイに対する考え方が変わった。実際に指摘しようと思えば完璧とはいえなくて、正解なんてそもそもないから矛盾はボロボロ出てきて当たり前だけど、その中には本当にアイヌのことをしっかり考えて良いものを作ろうと苦心している人がいると思うと、一言ではいえないなと思った。だからウポポイについて、アイヌオタクとしては「頭おかしくなるくらい楽しかった」の一言だけど、アイヌについて学んでいるものとして個人的な見解をまとめることは難しい。ただこれからも見つめていきたいと思う。これからも考えていきたいと思う。

ちなみに2日目のお宿なんですが。「ごめん、同窓会には行けません。いま、革命活動家エスペランティストのアジトにいます」って感じでした。ちなみに2日目の晩の時点でアイヌもう関係なくて、エスペラント語とはポーランド出身のザメンホフという人が作った人工言語。とある言語を喋ることって、何かを背負ってしまうことがある。しかし、世界共通の人工言語を使うことによって平等なコミュニケーションを可能にしようではないか。という考え方がもとになっている模様。私は宮沢賢治が好きなので、イーハトーヴとかでエスペラントの存在は知っていた。その理念もめっちゃいい感じだなと思っていた。そのエスペラント語の先生で、北海道で色々社会運動の活動をされている先生のお家に泊まらせてもらった。そのお宅が鉄筋コンクリートで本やビデオや旗やヘルメットや様々なものが凝縮されたアジトって感じで。私の専門はとにかくアイヌで、恥ずかしながらヨーロッパ言語がほぼわからん。だからエスペラント語がスペイン語に似ているとか、格・・・?変化・・がどう・・?とか言われてもピンとこない。言語文化学部なら楽しいかも。とにかく革命・・・!社会運動・・・・!の香りを感じて、内容に興味があったかないかはさておいてアジトの雰囲気は最高だった。なんか青年活動家になった気分だった。「留年共(留年ども)斗(たたかえ)」「叛」って書いてあるヘルメット被って集合写真は思想強すぎて意味わからんし「よし、次は拳上げてみよう」って言われてみんなで革命ポーズ(?)して楽しかった。先生が大学生の時に学生運動ばっかりして留年して6年卒した話は大好き。彼の若い頃の思い出はこういう空間に詰まっているのかもしれないと思った。

ということで無事にすべての行程を終え、ゼミ合宿は終わった。ここまでご覧いただいてありがとうございます。もしかしたら総括編を書くかも。


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