見出し画像

若冲に「また逢える感動」

出光美術館で開催中の『江戸絵画の華』へ行ってまいりました。
私が訪れたのは、第一部:若冲と江戸絵画の期間で、
現在は、第二部:京都画壇と江戸琳派が開催中です。

伊藤若冲を初めとする江戸絵画を代表する作品の数々…
実はこの展覧会は日本へ「里帰り」した作品たちなんです。

2019年、アメリカの日本美術コレクター、エツコ&ジョー・プライス夫妻(プライス財団)によって蒐集された作品の一部が、当館のコレクションに加わりました。

いまや押しも押されもせぬ人気画家となった伊藤若冲(1716 - 1800)の魅力は、プライス・コレクションによって発見されたといっても大げさではありません。
http://idemitsu-museum.or.jp/exhibition/present/

江戸時代を中心とする絵画を蒐集されてきたプライス夫妻のコレクションは、これまでも国内や世界でも注目されてきました。
独自の美意識で集められた絵画は、画壇や流派に限定されることなく、江戸時代当時の生きとし生けるもの全てが自由に活気あふれる様子で描かれており、作者不詳の作品も多いのが特徴だと思います。

その中でもやはり印象的な作品がこちら

鳥獣花木図屏風 伊藤若冲 江戸時代 出光美術館

(画像が非常に小さいのですが…)
モザイク画のように「描かれている」、六曲一双の超大作です。

「枡目描き」と呼ばれる技法は、織物をつくりだす組織の一点一点のようで、ほかにもデジタルアートのようだとも、数々の魅力と謎を持ち合わせており隅から隅まで近寄って見ても飽きないことでしょう。

よ~くみると、動物たちの体の立体感を出すのに枡目でそれぞれ色の濃淡を描き分けています。あくまで一マスずつの集合体であるのです。…圧巻!

鶴図押絵貼屏風

このほか、作品から筆さばきの音が聞こえてきそうな「鶴図押絵貼屏風」や「松に鷹図」など見どころがたくさんありました。

同じ江戸絵画のグループではありますが、
作品ごとに自由で生き生きとしている姿を楽しむことができて、あっという間に展示会場の出口へ来てしまいました。


展覧会チラシに記載されていた、「また逢える感動」。
個人的にも「また逢える感動」でした。

当時の展覧会チラシ

それは2013年7月27日-9月23日に福島県立美術館で開催されていた展覧会で出会ったプライスコレクションに私は衝撃を受けたことです。

動植物たちがこんなにも豊かな表情や生き生きとしている様子を作品を通して感じることができ、プライス夫妻の希望もあり、自然光を取り入れたり、一部でガラスケースを取り払った展示方法も驚きと感動で満たされました。

このときの記憶がよみがえり、とても気持ちが舞い上がりました。
いつかこの感動を味わうことが出来るなら…
新しい切り口のテーマででプライスコレクションをまた展示してほしいと願うばかりです。

出光美術館から皇居を見下ろせますよ!

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?