夏こそ、無水スープ
電気圧力鍋を使い始めてから、初めての夏である。
煮込みが得意という勝手なイメージで、暑い夏には使用頻度が落ちるかと思ったが、完全なる思い込みだった。
火を使わないから熱気がこもるキッチンに立つ必要がないし、セットしてしまえばブザーが鳴るまでリビングで涼んでいられる。
むしろ夏こそ電気圧力鍋の出番なのだ。
この頃は、鶏もも肉の無水スープばかり食べている。
基本の材料は、鶏もも肉1枚、トマト1個、玉ねぎ1個。調味料は塩、ブラックペッパー、ローズマリー(乾燥)。
もしも冷蔵庫にその他の野菜やきのこ類があれば加えても可。いつも忘れてしまうのだが、にんにくも入れると間違いなくおいしい。
ざっくりと切った玉ねぎとトマトを電気圧力鍋の釜にぼんぼん入れていく。塩とブラックペッパーを全体にぱ~っと振りかける(ここらへんはいつも感覚で、正確な量は決まっていない)。
乾燥のローズマリーもぱ~っと振りかける(オレガノなど別のハーブでも可)。
その上に、ひと口大に切り、塩とブラックペッパーで下味をつけた鶏もも肉をのせる。もちろんヘルシーで安い鶏むね肉でも作れないことはないが、もも肉のほろっとやわらかな食感と脂こそ、このシンプルなスープを飽きのこないおいしさまで引き上げている、と思っている。
加圧時間を「3分」でセットする。まな板と包丁を洗い、ごみを処理してしまえば、あとは完成を待つのみ。
加圧時間3分の設定で、調理完了を知らせるブザーが鳴るのは約48分後。
玉ねぎとトマトからたっぷりの水分が出ている。これが、旨いのだ。
スープマグによそい、今回はアクセントにブラックオリーブをトッピングしてみた。
自分で作っておきながら「えっ塩だけですか?!」と、いつも脳内がお祭り騒ぎになる。ハーブやブラックペッパーも入れているから正確には「だけ」とはいえないが、食材同士のケミストリーを感じる奥深さだ。
特に暑い夏には、トマトの酸味でさっぱりとしているのがうれしい。
在宅ワーク中のランチ用に作りおきするのだけど、モーニングとしてふわっふわのバターロールパンと食すのも幸せである。