水切りヨーグルトの可能性
「あ、その手があったか」
ある本で、ていねいな暮らしをしている人が、生クリームの代わりに水切りヨーグルトをパンケーキにのせていた。
ホイップを作るより簡単にできて、カロリーもだいぶ低い。そもそも甘さ控えめなクリームが好きな私に、水切りヨーグルトはぴったりな気がした。あの酸味だって嫌いじゃない。はちみつでほんのり甘さを足せば、十分でしょ。
さっそく土曜の朝ごはんに、水切りヨーグルトを使ったフルーツサンドを作ることにする。
サンドイッチの具材はりんごのコンポートと、はちみつを加えた水切りヨーグルト、シナモンの3つ。
りんごのコンポートはクックパッドで見つけた簡単レシピで。いちいち調べなくても作れるくらいには、もう何度もお世話になっている。
薄めにカットしたりんご1個、砂糖40g、レモン汁小さじ2を小鍋にいれて、そこにひたひたになるくらいの水を投入。ぐつぐつさせて水分が飛んだら完成だけど、毎回もう少し煮詰めたい気持ちになって、大抵最後に2回くらい少量の水を足す。
たぶん好みの問題とか、りんごの糖度やサイズの問題もあるんだろうけど、できあがったコンポートはびっくりするくらい甘い。もともとそういう用途ではないにしても、単体で食べるにはかなり手強い。…それこそヨーグルトと一緒に、なんて最高だろう。
厚切りのパンにのっけてトーストでも。もちろんシナモンもかけて…あ、一緒にバターをのっけて溶かすのもよさそうだ。絶対に禁断の味がする。
水切りヨーグルトは「水切り ヨーグルト クリーム」で検索すると、すぐに私の意図どおりの記事がヒットした。
ザルにクッキングペーパーを敷いて、その上にヨーグルトをのせる。以上。出てきた水の受け皿用に、ざるの下には少し小さめのボウルをセットしておく。
ラップをして冷蔵庫で一晩。12時間以上は寝かせたヨーグルトを取り出してみると…
おいしそう、よりもキレイという言葉が真っ先に浮かんだ。これは食べ物なのかしら。
元から硬めのギリシャヨーグルトを使っているせいか、ボウルに水は溜まっていない。しかし2枚重ねたクッキングペーパーは見事に水分を吸っていた。
はちみつと混ぜるためにボウルに移そうとすると、クッキングペーパーからコロッと剥がれる感じでとれる。
ちょっぴりつまみ食い。
えっ、ヨーグルトじゃない。
クラッカーに塗ってスモークサーモンをのせたしょっぱい系の食べ物にも絶対に使えるやつ。えっ、クリームチーズじゃん。
はちみつを加えてよーく混ぜる。ほんのり甘く感じるくらい。酸味の角がとれるくらい。
サンドイッチ用のパンを並べて、水切りヨーグルトとりんごのコンポートをいい感じに配置。シナモンはしゃしゃっ、と。
とにかくケチらない。たっぷりサンドして、切って、器に並べて、ほいっ、完成。
いただきまーす。
とりあえず水切りヨーグルト、大正解。
りんごのコンポートにもパンにもめちゃくちゃ合ってる。そしてめっっっっちゃ濃厚。
たっぷり濃厚なヨーグルトの、圧倒的な存在感に感動してしまう。ガツンと甘いりんごのコンポートと絶妙マッチ。濃いめのふたつをやさしく包み込むパンの安心感たるや。小麦粉教に入信する人の気持ちがちょっと分かった。
そして、シナモン。これは絶対に欠かせない存在。ヨーグルトとりんごの間に入って、我の強いふたつを上手につなげてくれている。シナモンがなかったら、もっとそれぞれが個人プレイに走っていた気がする。
きっと人間関係でも、シナモンみたいな子がいたらうまくまわるんだろうな。なーんて。
自分で言うのもなんだけど、お店の味。具材をケチらず使ったのもきっとよかった。
そう思いながら食べる朝ごはんは大満足でした。朝から気分がいい週末って、さいこう。
ごちそうさまでした。
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