見出し画像

#48 インスリンはどのように作用するの?

こんにちは。

薬についてちょっと詳しい人(薬剤師)です。

日々の業務で感じたこと、気づき、疑問をつづっています。

以前、「糖尿病はインスリンがうまく分泌されていなかったり、うまく働いていなかったりする疾患」という話をしました。(→#45

じゃあ、そもそもインスリンって何者なの?

インスリンは、血液中のグルコース(ブドウ糖)が増えると(血糖値が上昇すると)、膵臓のβ細胞というところから分泌されるホルモンで、分泌されると肝臓に達し、そこから全身の組織に送られます。

インスリンの働きにより、ブドウ糖は主に肝臓、筋肉、脂肪細胞で血液中から細胞に取り込まれて、重要なエネルギー源になります。

肝臓:ブドウ糖をグリコーゲン(ブドウ糖の集合体みたいなもの)に変えて蓄積する
筋肉:筋肉にブドウ糖を取り込み、消費したりグリコーゲンに変えて蓄えたりする
脂肪細胞:余ったブドウ糖を取り込んで中性脂肪を合成し、脂肪組織に蓄積する

また、肝臓は、血液中の糖が少なくなった時、グリコーゲン以外のものからグルコースを合成し、血液中に放出することができます。

繰り返しになりますが、
糖尿病ではインスリンがうまく分泌されていなかったり、正常に働いていなかったりするので、細胞に糖がうまく取り込めなくなって、慢性の高血糖になります。

インスリンがうまく分泌されなくなることを「インスリン分泌障害」、インスリンは分泌されているけれど、正常に働いていないことを「インスリン抵抗性亢進」といいます。

日本の糖尿病患者さんに多い2型糖尿病は、インスリン分泌障害とインスリン抵抗性が様々な程度で関与しています。

というわけで、次回は糖尿病のタイプをテーマにする予定です。

疑問や質問あればお気軽にご相談ください。
あやこのお薬相談室

わからないことは全力で調べてお答えします。

みなさんのヘルスリテラシーが向上するお手伝いが少しでもできますように。

参考:薬がみえるVol.2
   診療ノートⅢ 糖尿病のエッセンス 
   まるごと図解 糖尿病看護&血糖コントロール
   MSD 患者さんのための糖尿病ガイド

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?