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クリエイターとアーティストの違い

僕は作曲なんですが、何かを作る仕事では必ずぶつかる命題だなあと思いそんな話を。

クリエイターはクライアントの求めるものを作る

アーティストは自分の求めるものを作る

作曲の仕事を始めた当時、僕は完全にクリエイターとして日々黙々と曲をつくってました。

それから色々あり、現在はアーティストとしての仕事の割合が増え、

7:3くらいでアーティスト仕事をさせていただいてます。

いやいや、どっちも作曲でしょ?一緒じゃ無いの?と思う方もいるかと思いますが、実はこの2つは似てるけど全く違う仕事です。

一番大きな違いですが、

クリエイターは曲と自分を売り込みに行かなければならない。

アーティストは買いに来てもらわなければいけない。

という点です。

言葉遊びみたいでややこしいんですが、

実際の仕事でいうと、クリエイターは交流会的なイベントに参加して顧客と出会うという仕事が必要です。

「私作曲をしておりますんで、次回ゲーム制作の際は是非!」などと言いながら名刺交換をします。実際してました。

一方アーティストは、これをするとマイナスになります。と言うよりこれをした時点で相手からはアーティストではなくクリエイターとして扱われます。

だって、全然アーティスティックじゃないじゃないですか。

良くわかんない飲み会的な交流会で、ビール瓶もって制作会社の担当に注いで回るとか、全然かっこよくないじゃないですか。

とまあそんな事に気付いて、その手の交流会への参加を辞め、名刺も全て捨てました。それがしたいなら会社員してても一緒やろと思ったからです。

でもこれは「俺はアーティストだぜ!」っていうより金銭的な問題の方が大きく、都内にすんでるならいざ知らず、和歌山の田舎に住んでるとそんな交流会に参加するだけで結構な出費なんで、なし崩し的にアーティスト的になったのではとも思いますが、運良く暮らせてます。

おそらく、これから音楽で食っていこうと思うならクリエイターよりもアーティストを目指すべきだと思います。

10数年前、僕が作曲家になる前とは違い、今はネットで個人で曲を売る方法はいくらでもあります。

これは同時に顧客サイドも曲をネットで気楽に曲を買うスタイルが定着してきていると言う事です。駆け出しの作家が営業かけて成約できる層の企業は営業に来られるよりあとぐされなくネットで買います。

逆にそんな状況なのでクリエイター一本ではどんどん厳しくなってくると思います。実際知人のアイドル曲などを作るクリエイターはSNSの投稿を傍目に見ていてもストレスが溜まっているんだろうなと思います。元は良質なエモロックを作る良いアーティストだったのになあ。

とまあそんなこんなで、何かを作ってうる人はアーティストとクリエイターという意識を持ったほうが良いよって話でした。





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