1高校生が子ども食堂を立ち上げた理由

私が高校生でありながらも,子ども食堂を運営する団体を立ち上げた理由。
それは幼子が「ぼく/わたしも自分でできるもん!」と親に向かって言いたくなるのと同じような,そんな気持ちからだったのかもしれません。

私は兵庫県神戸市にある長田高校という高校に在籍していて,今年大学受験を迎えます。
そんな私が,自信をもって「これは他の人とは違う」と言えること。それは「全国で初めて,高校生主体で,持続的に運営する子ども食堂を立ち上げたこと」です。

お話を先に進める前に,私の略歴について。

2006年7月 兵庫県神戸市に生まれる
2022年4月 県立長田高校に入学
        5月 学生団体Get CHANCEに入団
  ◆オンラインで,教育格差に関する問題に取り組
  み始めました◆
           8月 学生団体スピカ創設
  ◆「より地元の子どもたちに貢献したい」という
  思いから,子ども食堂の運営を目的とした
  団体を創設◆
2023年5月 子ども食堂「いちばんぼし」を初開催
  ◆以降現在に至るまで,毎月子ども食堂を開催し
  ています◆

おおまかな雰囲気はつかんでいただけたかなと思います。

現在,私が創設した学生団体スピカは,子どもたちの第3の居場所たる子ども食堂を開催することを主な内容として,神戸市長田区で活動しています。
(詳しい内容はHP等をご覧になっていただけると幸いです)

この団体を立ち上げる前,私はオンラインで教育格差に取り組む学生団体に所属していました。
しかし段々と活動するうちに,「たとえ狭い範囲であったとしても,直接子供たちの役に立てる活動がしたい」と思うようになり,その行き着いた先としてスピカを立ち上げました。

高校生×子ども食堂,というとなかなか突拍子の無いことのように思えます。大変に難しいことのように思えます。
だけども,だからこそやってみたかった,というのはあります。

「高校生なんてまだ未熟だし,大人みたいなことなんてできないでしょ」

そんな考えが,大人はおろか高校生当人たちの間でも蔓延しているのは,通常心理として皆さん理解いただけると思います。
ですが,本当にそうでしょうか?

近年,高校生起業家らなどがマスメディアによって取り上げられることもしばしばあります。彼らによって,高校生の社会進出の門戸が少しずつ開かれていっていることも確かでしょう。
しかし彼らは,概して通信制高校など比較的学校に割くべき時間が少ない人が多いのが現状です。私のような一般的な全日制高校に通っている高校生とでは一日の使い方にもかなりの差が出てくると思います。
では,彼らは時間に余裕があるからそういった活動ができているのかと言えば,そうではないでしょう。

いくら時間があろうとなかろうと,例え小さな株式会社(合同会社かもしれませんが)であろうと経営なんて大変ですから,相応の能力がないとできるものではありません。

つまり何が言いたいのかというと,高校生の能力というのはー起業家たちが相当数出る程度にはー侮れるものではないんじゃないか,ということです。
そしては私は,自身の試みを経て,それをより確実なものとしたかったんです。だからこそ,子ども食堂を運営するという目的とは別の目的も持って,スピカを立ち上げました。

現在,スピカはNPO法人化にむけて準備を進めています。
その準備にあたって,定款に記載する活動の目的について,以下のように定めました。

この法人は,神戸市長田区における子どもの居場所(地域住民らとの交流を通じ,未成年の健やかな成長を推進する場をいう)の絶対数の不足や貧困問題の解消を通じ,よって未就学児や小中学生などの児童の育成を支援すること,また,学生を主体として子どもの居場所を運営する本法人の事業を通じ,高校生や大学生といった若者世代の活動の可能性の幅を広げることを目的とする。

定款第3条抜粋

「子ども食堂を運営すること」と「若者の可能性を広げること」。
この2つは,私にとって軽重をつけられるものではありません。

子ども食堂の開催を始めて,昨月でようやく2年目を迎えることができました。私たち高校3年生の大学受験に伴い,着々と下の代への引継ぎも進みつつあります。
子ども食堂自体の基盤は,段々とできてきていると言っていいでしょう。

では,若者の可能性を広げていけているのかと言えば,やはり難しい部分があります。
当然ながら,私たちが活動しているからと言えど,それが直接的に結びついていくものでもありません。

ですが,ここで個人的にうれしくなったニュースを共有したいと思います。
私たちの活動を知ってか知らでかは分かりませんが,高校生主体で子ども食堂を運営する団体が,新しくできていたんです。
昨年10月頃から毎月開催しているようで,ちょうど私たちが開催を始めてから半年後辺りにスタートしたようです。

彼ら自身もまたパイオニアとなるべく意識を持って活動しているようで,少しずつ活動の輪が,見えない形で広がっているのかなと嬉しくなりました。
私たち自身が,直接的に若者の可能性を広げていくことはできなくとも,そうやって少しずつ輪が広がって行けば,いつかはいろんな人たちが,各々の問題意識に沿って,それぞれに活躍していけるようになるのかなと思った瞬間でした。

私たちの団体はまだまだ発展途上にあり,多くの問題を抱えています。
しかし苦労を重ねないと分からない世界というものはあり,それを発信していくことで誰かの役に立てたら,と常々考えています。

今,スピカのNPO法人化の流れを現在進行形でnoteに連載しています。
ぜひそちらも読んでいただけたらと思いますが,そうした発信を重ね,私たちの活動を社会に還元していきたいと思っています。

今後とも,お付き合いいただけると幸いです。

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