見出し画像

私の学歴コンプレックス

今日は病気の話とは別の話を。思いついたので書いてみる。

私は酷い学歴コンプレックス持ちである。
大学生なんぞ働くのを2年延長したいが為に行った奴らじゃないかと言って憚らなかった20代。氷河期世代の私たちにとって、高学歴者すら職にありつけない、選ばれしものしか給料を手にできない現実があった。偏差値56程度の高校で底辺を彷徨っていた私は、到底大学に行ったところで職にありつけると思えなかった。
更に高二病も発症。中高生で何かのプロになって金を稼ぐという漠然とした思いだけがあった。なんでそんなに生き急いでいたかわからない。とにかく、実績も何もないのに好奇心だけがあった。
朝の目覚ましはSlipknot、毎朝母親に怒鳴り込まれて起こされ、近いからと頑張って勉強して入った高校は監獄みたいな場所だった。
教育現場にいる今ですら、あの時の先生たちは「ない」と思う。授業時に溢れ出る「大学に行かないやつはクズだ」という雰囲気。でも進学結果を出すのは塾のおかげ。たかだかW大学に1人入っただけで進学校気取りだったのが本気で嫌だった。

そんな私が選んだ進路は専門学校だった。
文化祭準備で絵筆を走らせている私の横に担任のライオンみたいな先生が来て「お前進路どうする?」と聞いてきた。
「行きたい専門学校あるんでそこで」と答えたら「よし二者面談終わり」と言われて、なんつー先生だと思った記憶がある。
40歳になった今になって知ったのだけれど、家出や不登校を繰り返していた私は単位ギリギリ、あわや退学寸前で卒業したらしい。最後の期末考査で真面目に勉強して、ほとんど60点以上、国語に至っては80点以上取った時、担任から「最初からやれ、馬鹿タレ」と言われた。先生、私最初の学力調査で、国語の偏差値72だったんすよ。学校嫌いになっていくたびに学力落ちていったんだよ。

てのは言い訳なんですが。

で、入学した専門学校で出会った先生方は、一部を除いて本当にお世話になったし、バイトとライブとサークルと課題と授業で過労になってぶっ倒れる程度には忙しい日々だった。
今でも交流がある先生と当時の話をすると「課題量もやらせる事も異常に多かったよねー。今だったらみんな辞めちゃうよ」と仰る。
専門学校でも秀でたものは何もなかった。中途半端だった。でも高校で発症した高二病はまだ続いていて、私は何かに成れると信じて疑わなかった。
友人のようにスケッチブックに筋肉を描きまくって何冊も潰すわけでもなく、独特の世界観を持つ訳でもなく、アイデアをしっかり形にするでもなく、中途半端だった。
ただ一つ、ポスタリゼーションの技術だけは今の今まで私を支えている。


そしていざ社会に出た。
氷河期で就職部の先生が必死に取り付けてきた会社の内定を二つも蹴って、自分で求人雑誌を見て就職して9ヶ月くらいで辞めた。
でも始発→徹夜→終電も経験したし、残業代は出たので使わない金は貯まったし、大手町のエリートが働くビルに納品で入るのはワクワクした。
次にアパレル本社に就職。と言っても裁量労働制の契約社員。でも、年商50万円だったWEBショップを350万円にした。プレスとして衣装貸し出し担当だった。雑誌にコメントも載った。撮影も立ち会いもしたし、トップスタイリストさんに色々と教わる事もあった。しかし後輩が辞めるとなり、人員補充されない事を知ってブチ切れて辞めた。3年は頑張ったと思う。そして現職に就く。
高校が大っ嫌いだった私が、まさか学校に勤めると思わなかった。でも、こんな捩じくれた私を先生方は優しく受け入れてくれた。学園祭のバンド、部活動の顧問、全てやり直しをさせてくれていると今でも感謝している。
生徒も母校愛に溢れているし、母校に帰って教鞭を振う夫は尚更だ。

母はいう。大学行く準備はしてあったよ。専門学校選んだのあなたでしょ、と。
専門学校を選んだ事に決して後悔はない。即戦力のスキルを付けさせてくれた先生方には頭が上がらないし、たくさんの事を学べた。
それでも、社会に出れば高卒扱いだし、初任給は雲泥の差だし、スキルに対して対価がないのが気に食わなかった。

今は是正されて年齢等級に正しく沿うようにお給料を頂けている。色んな人が認めて動いてくれた結果だ。感謝している。
それでも、教員じゃないというだけで発言権がない。大卒男性じゃないというだけで会議参加権を持たない。そういう事柄に出くわすたびに、歯噛みする。


もし今から大学に行けたら。
学びたいことが多すぎて学部も学科も選べなくて困る。
平安時代について研究したいし、ITの事ももちろんやってみたい。外国語でタイ語やスワヒリ語も学んでみたいし、美術史やヨーロッパ文化の変遷も学びたい。
もし子どもたちが進学しないって言い出したらそのお金で受験しようかな。
最近アレアレばっかり言ってて認知症ぽくてアレなんですが笑

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?