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24時間営業を辞めたコンビニ〜1月の販売数値の動向〜「非デイリー品」

 
 「撤退戦」


 
 皆さんこんにちわ、あやすけです。


 2月も半分を過ぎました。あっという間ですね。前回の「デイリー品」の記事でも書きましたが、当店1月の経営数値に灯り始めた「黄色信号」は、2月に入ってからその勢いを増しています。


 2月前半の数値を視ると、2つの黄色信号のうちの1つである「客単価」は、その上昇が止まり前年と同等まで落ち込んでいます。一方、その客単価の先行指標とも言える「買上点数」は、その前年比の割り幅を大きくし、客単価より一足早く下降トレンドに入りました。

 1月の国内消費者物価指数における「食料」(生鮮食品を除く)の数値が前年比7.4%であることを考えれば、当店の「客単価」の現在の数値が如何に弱いものであるかが分かります。その原因は、インフレによる購買意欲の減及びコンビニ以外への客数の流出、となるでしょう。

 対してプラスとなる要因もあり、コロナ禍をキッカケとした各種行動制限が緩和へと進んでいることは、ロードサイド立地100%である当店においては、「客数の前年比増」に繋がっています。客数の数値については、「コンビニ以外への客数の流出」VS「コロナ禍による行動制限の緩和」と言ったところでしょうか。2月も半ばを過ぎた現時点では、プラスの力が何とか上回っている状況です。

 



 ・・・しかしそれも、長くは続かないでしょう。先行指標である買上点数の前年比が下降トレンドに入った事を踏まえれば、客単価の前年比がここで下げ止まる事は期待できないからです。その行き着く先は、客単価の減少を客数の増加で補えなくなる、となります。


 しかしそうは言っても予想していた事ですから、各種取り組みをこれまでと同様に継続することに変わりありません。現在の当店は「撤退戦」をしているのですからね。いつの日か、反転攻勢できる日が来ることでしょう。そしてその日を迎えることができるのは、撤退戦を生き残った者だけです。


  長くなりました。それでは前回の記事の続きとして、今回は「非デイリー品」の1月販売数値の動向について書きたいと思います。





1.基礎数値

・日販
 前年比106%(100%)
 コロナ禍初年度比92%(104%)
 24時間営業時比84%(89%)
・客数
 前年比105%(93%) ※参考 前前年比105%
 コロナ禍初年度比78%(97%)
 24時間営業時比73%(76%)
・客単
 前年比102%(107%)
 コロナ禍初年度比117%(108%)
 24時間営業時比115%(116%)
・買上点数
 前年比97%(100%)
 コロナ禍初年度比106%(101%)
 24時間営業時比103%(105%)

※当店における時短営業開始時はコロナ禍初年度です
※( )内は前月の数値です           

 前回の記事と同様です。「客単価」と「買上点数」の数値低下が予想以上に大きく、そのトレンドは2月に入っても継続中です。「日販低下」という大波は、想定以上に早く来る可能性が高くなりました。



2.前年比upした分類

◯ポケット・洋風菓子→前年比110%(93%)
・「チョコレート菓子→大幅down」
・「グミ素材菓子→大幅up」
・「小物チョコ→大幅up」
・「焼き菓子→横ばい」
・「袋キャンディ→大幅up」
・「ガム→大幅up」
・「スティックタイプキャンディ→大幅up」
・「駄菓子→横ばい」

( )内は前月の数値

 甘いお菓子の分類です。数値が一進一退を繰り返している状況に変化は無いものの、その上昇度合いは久しぶりに大きいものでした。地区平均と比較しても上です。分類の中で好調な数値を継続していた「小物チョコ」の売り込みに取り組んだ結果かも知れません。「袋キャンディ」も好調を継続していますね。本部送り込みの新什器となった「焼き菓子」も数値が下げ止まったようです。


 ・・・何とも言えませんね。2月には再び数値が下向きに変わる可能性も未だ十分にあります。販売額の主力である「チョコレート菓子」の数値が上向くまでは様子見をしつつ、これまでの取り組みを継続します。


◯加工食品→前年比110%(103%)
・「カップラーメン→大幅up」
・「カップ味噌汁→大幅down」
・「袋味噌汁→down」
・「加工米飯→大幅up」
・「レトルト→大幅down」
・「袋ラーメン→up」

( )内は前月の数値

 しばらく続いている前年比超えのトレンドは、今月も変わりありません。その上昇幅を大きく減らした前月の結果から一転し、今月は再び前年比を大きく超えました。その主な牽引役は「カップラーメン」です。

 前年比が下ブレした9月の販売数値を踏まえ、10月以降は各種割引等の本部販促に売場を割いて全乗りしています。また、インフレによる購買意欲減の状況に対抗するため、割安感のあるPB商品の品揃えの強化にも併せて取り組んできました。

 このような取り組みによる数値の下支えの効果も、増加中である購買意欲減の力にいずれは打ち消されマイナスに転じると予想していましたが、今のところその兆候は見られません。この分類は、当店の「強み」であるのでしょう。

 引き続き、本部販促対象商品に対する売場確保&PB商品の品揃え拡充という取り組みを継続していきます。


◯アイスクリーム→前年比128%(99%)
・「ノベルティ→up」
・「プレミアム→大幅up」
・「ファミリータイプ→大幅up」
・「ロックアイス→大幅up」

※( )内は前月の数値

 開店当初から当店では弱い分類であった「プレミアム」及び「ファミリータイプ」の強化を11月から取り組んでいますが、1月は数値が上ブレしました。地区平均と比較しても大きく上ブレです。

 数値が下ブレした12月の原因を「ノベルティ商品の軽視」と予想し、1月はその分類の一定レベルの品揃えと売り込みに注力しましたが、数値上はその方針は間違っていないと言えるかも知れません。

 
 ・・・単に、客数の前年比が増えたから、だけかも知れんけどね(笑) 


 取り組みを始めてからの分類全体の数値は、11月は上、12月は下、1月は再び上、と推移しており、一進一退を繰り返している状況です。一方で、方針の要となる「プレミアム」及び「ファミリータイプ」の分類については3ヶ月連続で上ブレしています。

 今後も引き続き、「プレミアム」&「ファミリータイプ」の強化を方針としつつ、「ノベルティ」についても一定レベルの品揃えと売り込みを行うという現在の方針を継続します。様子見ですね。


◯珍味・缶詰→前年比116%(102%)
・「珍味→大幅up」
・「缶詰→大幅down」
・「魚肉ソーセージ→大幅down」
・「ビン詰め→大幅down」

※( )内は前月の数値

 販売数値における上向きのトレンドに陰りが見えてきた事から、レジ前での売り込み商品から外した「珍味」ですが、今月は再び大きく上ブレしました。予想外の結果です。

 対して、「珍味」に変わってレジ前での売り込みを開始した、スナック菓子の一分類である「ポテトチップス」の販売数値ですが、それほど伸びていません。

 ・・・2月まで様子見で現在の取り組みを継続することとし、1月の数値と変化が無い場合は再度取り組みを見直すこととします。



3.前年比downした分類

◯スナック菓子→前年比86%(92%)
・「ポテトチップス→up」
・「箱スナック→大幅down」
・「袋スナック→大幅down」

※( )内は前月の数値

 塩っぱいお菓子の分類です。引き続き、数値が低空飛行している状況に変化なしです。甘いお菓子より状況は下ですね。

 中身の分類のうち「ポテトチップス」については3ヶ月連続で上向きの数値となっていますが、レジ前での売り込みを「珍味」から「ポテトチップス」に変更した効果はそれ程大きくはありませんでした。地区平均と比較しても同水準です。方針の変更は失敗したかも知れませんね。
 
 珍味の分類でも書いたとおり、2月までは様子見として現在の取り組みを継続することとし、1月の数値と変化が無い場合は再度取り組みを見直すこととします。


◯和風菓子、豆菓子→前年比80%(84%)
・「豆菓子→大幅down」
・「米菓→大幅down」
・「和菓子→大幅down」

※( )内は前月の数値

 こちらもスナック菓子と同様に、数値が低空飛行している状況が続いています。上向きのトレンドを少しだけ見せていた「豆菓子」も、前月と同様にその販売額を大幅に下げたままです。

 下降トレンドは変わりありませんね。打つ手はありません。新商品と既存商品における一定レベルの品揃えをこれまでどおり継続しつつ、数値が上向く日が来るまで耐え忍ぶ事とします。


◯冷凍食品→前年比90%(94%)
・「冷凍麺類→大幅down」
・「冷凍惣菜→down」
・「冷凍米飯→大幅up」
・「農水産、素材→大幅down」

( )内は前月の数値

 こちらの分類も数値が数ヶ月に渡って下降し続けている状況です。その中でも唯一好調さを維持していた「麺類」も、1月はとうとう数値が下となりました。これで、分類のメインとなる2つが全て「下」となります。

 こちらも現状、打つ手はありません。新商品と既存商品における一定レベルの品揃えをこれまでどおり継続しつつ、数値が上向く日が来るまで耐え忍びます。



 ・・・「撤退戦」という状況下では、「売れない分類」は耐え忍び、「売れる分類」に減っていく&限りある資源を投入する、というのが現在の基本スタンスです。

 またいつの日か、撤退戦を生き残り、反転攻勢に転じる時が来ることでしょう。その時に初めて、「売れない分類」「売りたい分類」というものに資源を投下し注力するという、自己中のわがままが許されるのでしょう。それまでは、我慢することとします。





 前回の「デイリー品」の記事と併せて、1月の当店の販売数値の動向は以上です。
 

 それでは今日はこの辺で。
 
 このクソッタレな世界と戦う皆様と明日もともに。

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