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補聴機器の保守・点検で気をつけること

最近、春が一気にやってきたような気温を感じることが増えました。
そんな中ふと、補聴器や人工内耳の汗・水対策ということを考えました。

毎年、このくらいの時期から補聴器や人工内耳などの補聴器機が汗で「水没」してしまったという相談を受ける機会が増える気がします。
お母さん方は素晴らしくて、
補聴器にカバーをつけたり、こまめに乾燥機の中に入れたりして
ご自身にできる範囲で工夫してくださります。
補聴器のカバーもとても可愛く作ってらして、本当に素敵なんです♡

ですが、そこは機械ですので、水や風塵には弱いのですよね。
また、汗は生理現象ですので、止めることなんて無理ですし、
子どもは元気に遊んで汗をかく、それが自然な姿だと思います。

かといって、放置するのは違うのではないかと…
補聴器機は子供が環境とつながるための大切なツールの一つですので、少しでも「よく」
使用できるよう、保守管理はとても大切にしたいしてんだと私は考えています。

〇補聴器自体の性能の向上
最近は、各補聴器メーカーさんの尽力により、補聴器そのものの防水・防塵・耐衝撃機能が向上しています。カタログにどのくらいのレベルであるのか記載がありますので、そちらを確認したり、販売店や相談担当者の方に伺ってみるのもよいかと思います。
もちろん、こちらでもコメント受け付けております!

〇完全防水の人工内耳と、人工内耳の防水カバー
人工内耳については、防水タイプのものが発売され始めてきております。
数年前に某メーカーさんから完全防水タイプが発売され、人工内耳を装用した状態で水泳ができるということで、話題になりました。
機器自体が防水でなくても、オプショナンとして防水カバーが販売されております。
メーカーによってタイプは異なりますが、相談すると商品を紹介してくれると思います。
ですが、これは集音マイクを覆ってしまう構造なので、聞き取りがほんの少し落ちてしまう可能性がありますので、あくまで水泳の際など、限定的な使用が良いかもしれません。
普段から使いたいというお声も聴きますが…難しいところですよね。
そこは、ご家族や装用者本人と十分に相談して色々な事情の兼ね合いから判断していく必要があるかと思います。

〇補聴器のカバー
補聴器にカバーをかけることで、直接汗や水が本体につくことを避けるのも一つの手段です。
メーカーさんで販売していることもあるし、ご自身で手作りされているご家族も多いです。
なんと、フリーマーケットアプリでもたくさん素敵なカバーが出品されていてびっくりしてしまいました!
また、耳掛け型の場合、補聴器が耳の裏でこすれて汗疹のようになってしまうこともありますので、
そういった対策にもなるかと思います。
汗疹などがあると「地味に」「痛い」と思います。
こういった少しの不快感があると、補聴器をつけようという意欲が落ちてしまい、聞き取りが落ちてしまうことに加えて、何よりも人とお話することへの意欲、色々なことへの興味も連鎖的に落ちてしまう可能性があります。
子どもさんが、少しでも楽しく、遊びという大きな学びに全力で取り組めるようにしておければと思います。

〇こまめに拭き掃除を
汗をかいたときや外出をしたときなどは、その都度「乾いた布」で補聴器を拭くことがシンプルでとても有効です。マイクのところは詰まりやすいので、爪楊枝や綿棒でお掃除するのも一つです。
お子さんが小さい頃はよいのですが、学校にあがると、基本的に親御さんは一緒にいません。なので、
お家でのお手伝いのような感覚で、自分の補聴器を自分で手入れする練習を少しずつ一緒に進めておくと、就学後などに保守管理についてはスムーズに移行できる面もあると考えます。

〇寝る前には乾燥ケースに
補聴器機を購入する際に乾燥ケースもついてくると思うのですが、乾燥ケース内は45%くらいの湿度に保たれており、夏場は外気にさらしている場合よりも湿度が低いので、効果的なようです。
3時間は入れておきたいところです。

これからの季節に補聴器・人工内耳を少しでも故障なく快適に使えればと思い、できそうなことを何点かご紹介してみました。
ですが、これをしなくては!と気負う必要はないかと思います。
故障したとしても、周囲のご相談いただければ手立てはあります!
ですから、夏だって思いっきり装用者ご本人もご家族も、周囲の方々も楽しんでたくさんの思い出を作りましょう!故障したことだって思い出にできるくらい、全力でできることをしたいと思います。

もしも、不安なことや、これってどうなんだろうという疑問があれば、お気軽にご相談ください(^^)

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