何故、学生時代の暴力は暗黙的に認可されてしまうのか
※本記事は、人間関係におけるややデリケートな話題を取り扱います。現在気分が落ち込んでいたり、暗い話は遠慮したいという方はブラウザバックを推奨します。
やや強い表現のタイトルとなりました。
なお、社会人になってからも暴力は存在しますが、ここでは学生時代の話に限定しておきます。それは、少なくとも「学生時代に振るわれる暴力によるトラブルを解決していくことは、全世代にも関係すること」と判断したためです。
私が中学生の頃、小学生のときと比べて明らかに周囲の学生に「集団で少数派を威圧したり、心理的に風上に立ち、馬鹿にしたり利用したりする人」が増加していきました。
当たり前ですが、これはその行為が学内で許されるスキがあるから蔓延るわけです。
私が中学生だった当時は1学年7クラスで、1クラスが約40人程度だったかと記憶しています。この人数をその学年を担当する教師(おそらく)8,9人ほどでまとめ上げていたと思います。
学生の人数がかなり多く、しょっちゅう学生間でトラブルがあり、その当時の教師の方々もかなり苦労されていたかと思います。
そして、(具体的な言及は避けますが)1年に数回程度はかなり大きな問題が発生して集会が開かれたりしていたと記憶しています。
何故、この手の暴力は解決できないのでしょうか。
社会では暴力的な組織や人の目が行き届かないような犯罪が行なわれ、解決が難しい事件が起きるのは致し方ないような気がしますが、学生の生活サイクルはほぼ毎日同じ建物に赴き、かつ毎日のように同級生と顔を合わせ、時間割も決まっており、その行動はかなり限定的です。この事実だけを考えれば、それらを解決をすることは不可能ではないように思えます。
しかし、学生時代の(特に問題視されがちな)いじめや嫌がらせなどの解決がとても難しいことは、皆さんの経験やたまに報道されるニュースからもお分かりかと思います。一体それは何故なのでしょうか。
個人的見解を述べると、
『加害者が各個人、つまり1対1の状態から脅威を与えていき、集団の中でも加害者自身に逆らえなくする空気を作る』
方法を取るためです。
もし加害者タイプの人間が同じ集団に複数人いた場合、彼らは「無駄なコストをかけないために徒党を組み、周囲の人間を威圧するためにお互いに利用しあう」関係を築く傾向があります。
彼らに対抗するためにはどうすればいいのでしょうか?少なくとも普通に生活している人が、周囲を威圧することに慣れている人間に1対1で戦うのは分が悪そうです。
そのため、その加害者より多くの人数、もしくは立場が上の人を巻き込んで対抗することが最善策だと考えられます。(しかし私の経験上、人数が多くても全員が加害者タイプに明らかに心理的に逆らえないような状況だった場合、対抗は非常に難しいです。)
加害者に対抗する上で重要なのは『対象に加害を与えるのは得策ではない、無駄である』と思わせることです。相手に危害を加えても、それが周囲に暗黙的に認可され、更に加害者にとって愉快な状態となってしまうような場合、まず解決は難しいでしょう。
おそらく、以下のような対策が重要になると思います。
加害者が加害を与えるタイミングで、多くの人間が一度にそれに反発する。
加害者に都合の良い反応をしない。
それを許す空気を作らない。
特に1番目は、セガが販売しているテレビゲーム『ロストジャッジメント』
内にて言及されていた「ファーストペンギン」のようなきっかけが必要となります。
しかし、現実には『加害者が各個人、つまり1対1の状態から脅威を与えていき、集団の中でも加害者自身に逆らえなくする空気を作る』ことが完了していた場合、ファーストペンギンとして切り込んでいくことは難しいでしょう。
ですが、すでに加害者が分かっており、その人物が何かを仕掛けてきたタイミングで一気に大勢が反発する行動を起こすようにすれば心理的な障壁もそこまで高くない状態で解決の糸口が見えてくる可能性は高いです。
そういった対策のための授業を定期的に行ない、またその実践的な訓練を普段から実施しておくことで、実際に行動を起こすことがそこまで難しくなくなると思います。(私は長らく学生とは無縁ですので、現在どういった内容の授業が行なわれているかは存じ上げませんが)
さらに、その授業で共に訓練するメンバーを固定化せずに変更していくことで、あまり関わりのない学生同士でもその行動が起こしやすくなるかと思います。
この方法は色々なことを想定すると、完全な解決には至らない可能性ももちろんあります。しかし、集団で加害者タイプに反抗する習慣もつきやすくなるため、無策で学生を野放しにするより1万倍マシだと思います。
私の印象を述べると、「暴力」は、周囲が容認してしまうと山火事のように広がっていくものだと思います。
そうなる前に、賢い対策で被害が最小限に済むようにすれば不幸な人間を最大限減らせるのではないでしょうか。
特に、学生をお子様に持つご家庭の親御さん、また教員の方などは是非御一考いただければと思います。
以上でこの記事を終えたいと思います。お読みいただきありがとうございました。
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