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名詩の絵本②/あやりの本棚

こんにちは!あやりです。

ポケモンGOが好きで、お散歩しながらよくやっています。
学生だった頃、夫がしていたので一緒に楽しみたくてはじめてみたのがきっかけです。今でもボチボチ遊んでいます。

最近産休に入ったので好きな時間に詩を読んでいます。
1遍ずつゆっくり読んで、なにかいいのに出会ったらその度に感想を書いていきます。
図書館で借りた本なので今週中に読み終えたいです。
今回話題にするのは、中原中也さんの『湖上』と谷川俊太郎さんの『地球へのピクニック』とジャック・プレヴェールさんの『夜のパリ』大岡信さん訳です。

川口春美 編・鈴木えりん 絵『名詩の絵本』(ナツメ社、2009)

内容まとめ(315文字)
名詩の絵本は編者の川口晴美さんが、今を生きるわたしたちのリアルな感覚を揺さぶってくれるような作品を選んで作ったアンソロジーです。古今東西様々な人の100の詩が絵とともに紹介されています。4章に分けられていて各章にテーマがあります。第1章は「恋するこころ 愛するかたち」です。恋愛の1シーンが感じられるものが集められています。23の詩や和歌、短歌の中にある恋愛を素敵な絵と共に楽しむことができる章です。中原中也さんの『湖上』と谷川俊太郎さんの『地球へのピクニック』は恋人と2人でお出かけするのを想像した詩です。ジャック・プレヴェールさんの『夜のパリ』は大岡信さんの訳で、恋人を見つめる様子が書かれた詩です。3編とも恋愛がテーマになっています。


中原中也さんの『湖上』は、恋人の「あなた」と2人で月夜の晩に湖でボートを漕いでいることを想像している、ロマンチックで静かな詩です。
私はボートに乗るデートをしたことないのですが、昭和のドラマでは定番のデートコースとして使われている設定ですよね。どうしてボートに乗るんだろうと思っていましたが、『湖上』を読んで分かったような気がしました。
ボートに乗ると2人の世界ができるからだと思います。

最近はSNSがあるので、2人でいてもなかなか2人きりということにはなれないような気がします。何か他のことを気にしながら2人で居るのではなく、静かな夜の湖で向かい合いながらポツリポツリ話をするという時間は尊くて素敵です。

ーーー

谷川俊太郎さんの『地球へのピクニック』は恋人と2人でお出かけするのを想像した詩です。『湖上』のシチュエーションとは違って、ほのぼのとした日常の雰囲気があります。特に最後の4連目は、レジャーシートの上にいるというより、そこで家を建てて生活しているような雰囲気があります。以下は第4連の引用です。

〜〜

ここでただいまを云い続けよう
おまえがお帰りなさいをくり返す間
ここへ何度でも帰って来よう
ここで熱いお茶を飲もう
ここで一緒に坐ってしばらくの間
涼しい風に吹かれよう

〜〜

帰ってくるのがレジャーシートの上だったら野宿ですね。さすらいの旅人なのかな。
この最後の連がよく分からなかったのですが、好きな部分だったので何度も読みました。

私の行き着いた解釈は、地球へのピクニックは地球で人として生きる一瞬の人生のことを言っているのではないかというものです。
魂と生まれ変わりを信じるなら、終わりも始まりもない魂の時間の中で、ピクニックのように一時、地球に人として生きている自分とおまえという設定が成り立つなと思いました。そう考えて読むと、2人の日常はちっぽけだけどとても幸せだろうなと思えてきます。

また、この2人の恋愛は、熱烈にお互いを見つめ合う恋ではなく、横に並んで同じ方向を見て一緒に過ごしてく関係のような感じがします。人生のパートナーのような感じがします。

恋愛と結婚は別とよく聞きますが、恋愛は『湖上』のようにお互いを見つめ合う関係、結婚は『地球へのピクニック』のように横に並んで一緒に生活していく関係という意味なのかもしれないな。と思いました。

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『夜のパリ』は恋人を見つめる様子が書かれた詩です。
闇の中で3本のマッチを擦って、顔全体、眼、唇の順に見ていきます。マッチがなくなった後は目を閉じて恋人を抱きしめながら想い出すというロマンチックなワンシーンです。

2人だけの世界を作っているところが『湖上』に似ています。でも、『夜のパリ』はもっと静かで情熱的な詩だと思いました。こんな風なことになったら、する方もされる方も身体全体が心臓になったみたいにどきどきするだろうなと思います。
『夜のパリ』ごっこしてみたいです。

私の小さい頃は喫茶店やスナックのレジにマッチが置いてありましたが、今はわざわざ買って来ないと手に入りませんね。ライターやチャッカマンだと台無しですし。マッチが燃え尽きるまで一心に見るというのがいいと思うんですよね。
危ないけど、夏になったら花火なら似た雰囲気が出るかもしれません。パリと違ってむし暑い上に蚊にたかられるかもしれませんが。

ところで、どうして恋人って、どんなに安心する相手でも、近づけば近づくほど相手だけに集中すればするほど、どきどきしてくるのでしょう。虫に触ったり、谷に掛かった橋をわたるような嫌な感じではないんです。リラックスすると同時に心は興奮する不思議な感じで、他の人間関係にはないので面白いなと思います。

『湖上』も『地球へのピクニック』も『夜のパリ』も全部素敵な作品です。読むと恋愛をしているときの色々な気分が味わえます。
私も自分の気持ちをこんなふうに表現できたらもっと相手に伝わるかもしれないなと思います。「好き」とか「大好き」以外にもいろんな言葉や方法で伝えられるようになりたいです。


最後に読んだ日 2022/03/01
読むのにかかった時間 数分
書くのにかかった時間 5日

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