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【ステイ・ホーム日記6】4月24日

今日も今日とてひとり。昨日と同じような1日を過ごしている。同じ映像を繰り返し見ているような代わり映えのしない1日。春の穏やかな日々の中にいると、タイムラインに流れてくるコロナのニュースとは分断され、正反対の世界にいるようで、今こうしている間にも最前線で命がけで働いてくれている医療関係者のひとや、生活を支えるために頑張ってくれているひとたちがいること。そういう大勢のひとたちが同じ空の下にいることがうっかり感じられなくなるほど静かな時間が流れている。でもこの暮らしが自分と誰かの命を守ることにつながっているはず。同じような1日に見えても細部は違う。”代わり映えしないことを良しとしない”、この生活を”地味”と表現してしまうのは誤っている。長い瞑想のような日々だ。今朝は6時前にパッと目が覚めた。iphoneを見たらまだ5:45。外は淡く明るくなっていた。本当ならここですっきりベッドから起き上がりたいけれど、気づいたら7:30になっていた。ゴロゴロ寝返りを打ちながらTwitterのタイムラインを見て、8時ころベッドから抜け出したような気がする。voicyを聴きながら、窓を開けて、裏返していたデジタル時計の位置を直して、花の水を換える(カレンダーをめくる日課は忘れてしまった)。朝食にはサンドウィッチを作った。6枚切りの食パンをタテに半分切って、中に具をはさめるようにさらに厚みを1/2にスライスした。バターナイフを火にあぶって薄くバターを伸ばし、きゅうり、ベーコン、マヨネーズ、ルッコラ、チーズ、マスタードをはさんで完成。残り半分はトーストした。昨日の残りのお味噌汁を温め直して、甘夏を剥いて、イチゴを洗い、お湯を沸かしてハーブティーを淹れた。9時すぎに朝食を終え、10時前ごろに仕事に取りかかり、記事を確認して修正箇所をメールで送った。そのほかにも何件かメールを送る。13時前ごろに昼食の用意。冷凍ごはんのストックがなくなってしまったのでパスタにする。生クリームがあったのでカルボナーラにした。カルボナーラにもルッコラをのせる(ルッコラは火を通しすぎると香りが消えてしまうので、最後にのせるだけが美味しい。シャキシャキした食感がアクセントになってカルボナーラを飽きずに食べ切れる)。14:30ごろ仕事を再開。今日は金曜日で近所のお花屋さんの営業日。花の仕入れ日なので、16時前にコンビニにプリントアウトしに行くついでにお花屋さんへ。ひとりずつ順番に店内に案内してもらう。わたしはおまかせで1000円分の花を見繕ってもらった。1時間もしない外出で2300歩くらい歩いて家に戻る。天気もよかったから少し外の空気を吸うだけでいい気分転換になった。受け取った花束には花の名前を書いたカードが添えられている。モッコウバラ、ラクスパー、テッセン(クレマチス)、アストロメリア、トリテリア。どれがどれなのか全然わからないのでひとつずつ画像検索した。今日買ったお花は野に咲いていそうな繊細で小さなお花をつける植物ばかり。まだ花が開いていないものが多い。お店に並ぶお花はもう初夏のものに移り変わってきているようで、確かに先週とはガラッと雰囲気が変わっていた。花束にしてもらっている間、どんな入れ物にどんな風にお花を飾ってディスプレイしているかじっと目に焼きつけようとした。みずみずしく美しい花々に囲まれて働けるなんていいなぁと上辺だけを見て思った。19時からは「発酵文化チャンネル」を見ていた。今回は街の本屋さんが集まって、それぞれに今感じていること、この状況下でどう本を届けるか、どう生き残っていくか。さまざまな視点がすごくおもしろくて(途中ワインのコルクが固くて抜けずに悪戦苦闘したり、花を生けたりしながら)最後まで聞いていた。大きな本屋さんは軒並み休業していて、その選択は素晴らしいこと。でも自分の生活にとって近所の三省堂が閉まってしまったことは大きかった。本屋はわたしにとってもたくさんのひとにとっても生活必需品的な存在…阿久津さんのハッシュタグ #自宅フヅクエ の形而上的なfuzkueの話は、素敵だった。日本地図に灯る#自宅フヅクエで、同時にそれぞれに読書を楽しんでいる一体感。ぜひ可視化してほしいな。音楽LIVEなどとは違って、読書はいい意味での孤独な作業だから今、ここ、の体験をシェアできないことにずっと一抹の寂しさの感情があったけれど、#自宅フヅクエはその悩みを少し解消してくれる気がする。かもめブックスの柳下さんは、誰かが発言している途中でいきなり運転したりしてて、その感じがすっごく好きだった。話が展開するに連れてどんどん熱いトークになっていっていい語り合いだった。青山ブックセンターにも行きたいけれどなかなか表参道へ行く機会がなくて、かといって本屋目当てだけに行くのも気が引けて、3月末に自主的ロックダウンに入る前に行ってきり、行けてない。でも青山ブックセンターは、どこの本屋さんを探しても置いてなかったナナ・クワメ・アジェイ=ブレニヤーの『フライデー・ブラック』をお店に入ってすぐ目の前の棚に面出しで積んでくれる唯一の本屋さん。絶対応援したいし、なくてはならないと思う。近所のB&B、fuzkue、発酵デパートメントにもまだ行けてなくて早く行きたい。自粛の日々の中でお金を使うときには、自分が応援したいと思うお店に少しでも使いたい。本の刊行点数について。確かに今は本を作り過ぎていると感じるし、それは仕組みを変えるべきじゃないかと思う。出版社の規模ごとに発行点数が決められているのは検討の余地があると思うし、経営が自転車操業でたくさん本を出している会社もあったり。ついこの間、初めての出版を控えて原稿に追われている著者のひとがポロリと「本を書くより有料noteの方がよっぽど儲かる」と言っていた。そのひとは初めての執筆で本の制約に苦労させられていて、それならよっぽどnoteの方が自由に書けると。儲けのために本は書くわけではないから彼の目には印税も魅力的には映っていない。わたしはその話を聴きながら心底ヒヤヒヤした。その通りだと思った。彼が扱う金融・ビジネス・実用書のジャンルなら、膨大な内容量を適宜分割して、どんどん更新されていく金融事情を随時アップデートしていけるnoteのような媒体の方が効率がいいと思う。それに気づいてしまったか…と思った。

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