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オードリーのオールナイトニッポンとTwitter運用の歴史

オードリのオールナイトニッポン(以下、オードリーANN)がレギュラー化した初回放送は、2009年10月10日。

その5日の2009年10月15日に、Twitterのモバイルサービスが日本で始まった。

オードリーANNを長年聞いていると、オールナイトニッポン(以下、ANN)におけるTwitter運用の歴史を紐解くことが出来る。

サムネイル素材元:オードリーのオールナイトニッポンバックナンバー「ツイッターはラジオか?」2011.02.26

ハッシュタグの誕生

#annkwは有志のファンが命名した名前で、ファンの人のブログが一番わかりやすく書いてある。

kwはレギュラー開始当初からのメールの宛先で、"春日(kasuga)""若林(wakabayashi)"の頭文字をとってkwである。

当時は日本語のハッシュタグが使えなかったため、なるべく短くわかりやすいものが使われた。

「ツイッターはラジオか?」Twitter連動のラジオ企画開催

番組が始まった頃、

「Twitterってラジオだ!!!!」

と、CMで叫んでいた人がいた。

春日さん…ではありません。
"よっひ""よっぴー"こと吉田尚記アナウンサーである。

吉田尚記アナウンサーはTwitter黎明期から、ラジオとTwitterを連動させる試みをしていた。
平日のANNの前の時間帯(現:ANNXの時間帯)には、Twitterとの連動番組『ミュ〜コミ+』のパーソナリティもしていた。

2010年に、吉田尚記アナウンサーは「ツイッターってラジオだ! 〜ナンバーワンツイッター番組のパーソナリティがつぶやくあなたの味方を増やす59の方法〜」を出版。

その中のCMで「ツイッターってラジオだ! 」と断言していた。

当時のオードリーのANNで流れてくるCMは、そこまでスポンサーが多くなかったので、ニッポン放送内の番宣がよく流れていた。

そのCMをオードリーが気になり、スペシャルウィークでは「ツイッターはラジオか?」をテーマにし、ツイッターとFAXで戦わせていた。

しかし、この企画のときはまだ、企業におけるTwitter運用が広まっていない頃。

アカウントを取得してパーソナリティがリアルタイムでつぶやき、
それに対してユーザーが返信を送るといった、
メールの代替ツールとして使っている
※この企画で利用されたアカウントは削除されている。

企画が放送されたのは2011年2月5日で、ニッポン放送の公式アカウントが作成される2011年6月より前の出来事である。

オードリーのオールナイトニッポンの番組公式Twitterの運用開始

時が経ち、2014年5月。
「史上最大のショーパブ祭り」の宣伝のためにアカウントが作成された。

アカウントIDの"annkw5tyb"って何?

アカウントIDはannkw5tybである。
annkwはハッシュタグから利用しているのが分かるが、この頃からのリスナーではない限り、5tybの意味が分からないだろう。

アカウントIDには

  • 5周年イベントのために作られたアカウントだったので、5という数字を入れた

  • オードリーANNのスタッフの名称「チーム付け焼き刃」が運用するアカウントのため

という意味が込められており、当初は短期間で終了する予定だったアカウントである。

しかし、DVDの発売の宣伝があったり、スペシャルウィークの宣伝やオードリーがゲストで出演する番組を宣伝したりしていくうちに、ズルズルとTwitterの運用を続けていくことになる。

オードリーの武道館で、ハッシュタグがトレンド入り

素材元:ニッポン放送

この頃は、ニッポン放送内でのTwitterの運用は番組によってまちまちだったが、2019年にある大きな出来事が起こる。

2019年3月2日にオードリーの武道館公演が行われ、
公演開始前から#annkwがトレンド入りがされていた。

同じ日に人気絶頂期の米津玄師が大阪ドーム公演をしており、
米津玄師のトレンド入りに引けを取らないannkwのハッシュタグは、
かなりのインパクトがあった。

そしてそれは、ひっそりと隠れていたファンたちが、番組を続けるためにTwitterでアピールするようになった瞬間でもあった。

ANNで一斉にTwitterアカウントを作成

素材元:ニッポン放送

2019年は偶然にも、ANN0もメンバーが一斉に入れ替わる時期でもあった。
乃木坂(新内眞衣)と三四郎がANN(1部)に昇格したのだ。

ニッポン放送は、オードリーが武道館で話題になったタイミングを逃さなかった。

2019年4月からANN(1部)とANN0で番組ごとのTwitterアカウントを作成。
公式のハッシュタグを決めてトレンド入りを推進。
Twitter運用を本格化させたのだ。
※星野源さんはSNS運用として公式instagramを作成

そこで、Twitterと深夜ラジオ番組は相性が良いことが判明する。
深夜にトレンドに入ると朝まで残っていることが多く、通勤・通学時に目がつきやすいのだ。

また、この頃からANNでは番組イベントやグッズ販売が積極的になり、Twitterではイベントの宣伝用としての役割を担った。

翌年にはANNXが始まり、もうその頃にはもう、
新しく番組を始めること = Twitterの運用開始
が、セットで語られるようになっていた。

令和になって春日は叫ぶ。「Twitterってラジオだ!」と。

10年近くなるオードリーのANNの中で、
偶然にも「Twitter」「ラジオ」の親和性を証明してしまった。

吉田尚記アナウンサーの『ミュ〜コミ+』が終わってしまったが、その精神は番組のジングル内で春日さんが「Twitterってラジオだ!」と叫ぶことより、今でも引き継がれている。

Twitterがなければ、「ラジオを生で聞く」文化がなくなっていたであろう。

ラジオで流れたCMがハッシュタグ付きのツイートで呟かれ、数多くのスポンサーがつく好循環を生み出している。

#annkwがトレンド入りしている、今や当たり前の日曜の朝。

この光景はリスナーたちの支えによって実現しており、
これが当たり前と思ってはいけない。

もう少しで、武道館から5年が経とうとしている。



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