オードリーのオールナイトニッポンとTwitter運用の歴史
オードリのオールナイトニッポン(以下、オードリーANN)がレギュラー化した初回放送は、2009年10月10日。
その5日の2009年10月15日に、Twitterのモバイルサービスが日本で始まった。
オードリーANNを長年聞いていると、オールナイトニッポン(以下、ANN)におけるTwitter運用の歴史を紐解くことが出来る。
ハッシュタグの誕生
#annkwは有志のファンが命名した名前で、ファンの人のブログが一番わかりやすく書いてある。
kwはレギュラー開始当初からのメールの宛先で、"春日(kasuga)""若林(wakabayashi)"の頭文字をとってkwである。
当時は日本語のハッシュタグが使えなかったため、なるべく短くわかりやすいものが使われた。
「ツイッターはラジオか?」Twitter連動のラジオ企画開催
番組が始まった頃、
「Twitterってラジオだ!!!!」
と、CMで叫んでいた人がいた。
春日さん…ではありません。
"よっひ""よっぴー"こと吉田尚記アナウンサーである。
吉田尚記アナウンサーはTwitter黎明期から、ラジオとTwitterを連動させる試みをしていた。
平日のANNの前の時間帯(現:ANNXの時間帯)には、Twitterとの連動番組『ミュ〜コミ+』のパーソナリティもしていた。
2010年に、吉田尚記アナウンサーは「ツイッターってラジオだ! 〜ナンバーワンツイッター番組のパーソナリティがつぶやくあなたの味方を増やす59の方法〜」を出版。
その中のCMで「ツイッターってラジオだ! 」と断言していた。
当時のオードリーのANNで流れてくるCMは、そこまでスポンサーが多くなかったので、ニッポン放送内の番宣がよく流れていた。
そのCMをオードリーが気になり、スペシャルウィークでは「ツイッターはラジオか?」をテーマにし、ツイッターとFAXで戦わせていた。
しかし、この企画のときはまだ、企業におけるTwitter運用が広まっていない頃。
アカウントを取得してパーソナリティがリアルタイムでつぶやき、
それに対してユーザーが返信を送るといった、
メールの代替ツールとして使っている。
※この企画で利用されたアカウントは削除されている。
企画が放送されたのは2011年2月5日で、ニッポン放送の公式アカウントが作成される2011年6月より前の出来事である。
オードリーのオールナイトニッポンの番組公式Twitterの運用開始
時が経ち、2014年5月。
「史上最大のショーパブ祭り」の宣伝のためにアカウントが作成された。
アカウントIDの"annkw5tyb"って何?
アカウントIDはannkw5tybである。
annkwはハッシュタグから利用しているのが分かるが、この頃からのリスナーではない限り、5tybの意味が分からないだろう。
アカウントIDには
5周年イベントのために作られたアカウントだったので、5という数字を入れた
オードリーANNのスタッフの名称「チーム付け焼き刃」が運用するアカウントのため
という意味が込められており、当初は短期間で終了する予定だったアカウントである。
しかし、DVDの発売の宣伝があったり、スペシャルウィークの宣伝やオードリーがゲストで出演する番組を宣伝したりしていくうちに、ズルズルとTwitterの運用を続けていくことになる。
オードリーの武道館で、ハッシュタグがトレンド入り
この頃は、ニッポン放送内でのTwitterの運用は番組によってまちまちだったが、2019年にある大きな出来事が起こる。
2019年3月2日にオードリーの武道館公演が行われ、
公演開始前から#annkwがトレンド入りがされていた。
同じ日に人気絶頂期の米津玄師が大阪ドーム公演をしており、
米津玄師のトレンド入りに引けを取らないannkwのハッシュタグは、
かなりのインパクトがあった。
そしてそれは、ひっそりと隠れていたファンたちが、番組を続けるためにTwitterでアピールするようになった瞬間でもあった。
ANNで一斉にTwitterアカウントを作成
2019年は偶然にも、ANN0もメンバーが一斉に入れ替わる時期でもあった。
乃木坂(新内眞衣)と三四郎がANN(1部)に昇格したのだ。
ニッポン放送は、オードリーが武道館で話題になったタイミングを逃さなかった。
2019年4月からANN(1部)とANN0で番組ごとのTwitterアカウントを作成。
公式のハッシュタグを決めてトレンド入りを推進。
Twitter運用を本格化させたのだ。
※星野源さんはSNS運用として公式instagramを作成
そこで、Twitterと深夜ラジオ番組は相性が良いことが判明する。
深夜にトレンドに入ると朝まで残っていることが多く、通勤・通学時に目がつきやすいのだ。
また、この頃からANNでは番組イベントやグッズ販売が積極的になり、Twitterではイベントの宣伝用としての役割を担った。
翌年にはANNXが始まり、もうその頃にはもう、
新しく番組を始めること = Twitterの運用開始
が、セットで語られるようになっていた。
令和になって春日は叫ぶ。「Twitterってラジオだ!」と。
10年近くなるオードリーのANNの中で、
偶然にも「Twitter」「ラジオ」の親和性を証明してしまった。
吉田尚記アナウンサーの『ミュ〜コミ+』が終わってしまったが、その精神は番組のジングル内で春日さんが「Twitterってラジオだ!」と叫ぶことより、今でも引き継がれている。
Twitterがなければ、「ラジオを生で聞く」文化がなくなっていたであろう。
ラジオで流れたCMがハッシュタグ付きのツイートで呟かれ、数多くのスポンサーがつく好循環を生み出している。
#annkwがトレンド入りしている、今や当たり前の日曜の朝。
この光景はリスナーたちの支えによって実現しており、
これが当たり前と思ってはいけない。
もう少しで、武道館から5年が経とうとしている。
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