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時の地図

今年の春に中学生になる長女が、幼稚園で次女はまだベビーカーに乗っていたころ、一駅先の場所に小さなカフェを見つけました。

カフェのオーナーさんはベビーカーでも『どうぞ』と言ってくださって。美味しいキッシュに、心豊かになる焼き菓子やケーキ、そして手に取って読める沢山の本がありました。

当時はこちらに越してきて数年が経ち、新しいお友達もできて、子どもとの時間も楽しみでとても幸せでした。けれども家には帰りたくなかった。。。同居となり、家には私の居場所がないとい感じていたんですよね。

カフェの本を手に取って、絵本や小説の中に大切な言葉を見つけて涙を流してしまうことも多々ありました。必死に自分と向き合い心を整えていた僅かなカフェでの時間、どれほど救われたことでしょう。

三人目と子どもも増えて、みなの成長とともに最近では私一人で、カフェ時間を楽しめるようになりました。

オーナーさんとのおしゃべりの中には、いつも深い真理と出会うことがありました。

時間の概念についてのお話しでは『未来はやってくるものだと思っていて、今、この今、今何を選ぶかどう動くか、とても大切にしているんです』とおっしゃっていたのが印象的でした。

ギリシャ語で『時』は、クロノスとカイロスいう二つの言葉があって、クロノスは作られた時の外的な時間、カイロスは、感覚的に感じる内的時間で、一人一人異なって感じる時の概念を現すそうです。

私の時間的な感覚は、『過去、現在、すぐそばにある未来』が私の身体をするりと抜けて肩越しに、少しずつ段差のある立体的な地図になっているようなイメージ。その『時の地図』は本のページがどんどん増えていくように重なってゆくのですが、すてきな思い出、想念や忘れたくないこと、もうすでに楽しいと感じている未来は、ひょこりと私のすぐ後ろにある。。。。そんな感じがします。

そして、大切でお気に入りのページだけをリュックに入れて、ぐんぐんと自分の心に従って今を感じていきたい、大切にしていきたいと思うのです。

もうすぐ終わってしまうカフェは、終わりではなく始まりでずっとずっと時の地図の中にあります。

yoshimiさん本当に本当にありがとうございました!!

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