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オンの旅とオフの旅。熊本・天草で頭と心をゆるめてきた

2024年2月12日~13日、熊本に一人旅をしてきた。中部国際空港セントレア↔︎阿蘇くまもと空港は、朝9時頃に到着し、帰りは19時半出発するスケジュールなので、1泊2日でも滞在時間を長く取れる。

飛行機の窓から見えた阿蘇山

私はトラベルライターで、つい先日も海外プレスツアーに行ってきたばかりだけれど、今回は仕事はまったく関係なく、完全なプライベート旅。

仕事で取材旅行に行くときは一眼レフ(キヤノン EOS 80D)を持っていく。しかし、今回は身軽に旅したくて、迷った末に一眼レフカメラを持たずに行った。旅先のきれいな景色を一眼レフカメラで撮りたい気持ちもあったけれど、今回は仕事の旅から離れて、ゆるゆると旅を楽しみたかったから。

天草で食べた海鮮丼。車えびがプリプリで甘かった

プレスツアーでは行程が詰まっていることが多く、常に「記事化する」という目的があるので(実際にはすべてを記事化するわけじゃないけれど、あとから「あの情報が足りない」とならないようにすべて撮る&メモする)、常に頭がぐるぐる働いている感覚がある。つまり、ずっとオンの状態。

おいしいものを食べても、「地域の特産品はどれか」「価格はいくらか」「店の営業時間は」みたいなことについ意識が向いてしまう。

でも、今回はそういうのナシで、本当に食べたいものを食べて、したいことをして、ほとんど予定を決めず行き当たりばったりの旅をしてきた。

天草五橋クルーズにて

リゾラテラス天草から出ている「天草五橋クルーズ」に乗ってみたら、船のへさきで海風を受けるのがものすごく気持ちよくて、ぐんぐん進んでいく疾走感に体をゆだねて、景色に溶け込んでいくような感覚を味わえた。

たぶん、あのとき私の頭は働くのをやめていたと思う。光と風と音を感じながら、いろんなものを手放して心をゆるめられた時間は、今回の旅のハイライトだった。なんて気持ちいいんだろう。なんて伸びやかなんだろう。

有明海をぐるりと回る、わずか30分のクルーズだったけれど、いくつもの橋の下をくぐりぬけ、すごく遠くまで行って帰ってきたような気分だった。

御輿来海岸(おこしきかいがん)にて

もちろん取材旅行は好きだし、刺激的で好奇心が満たされる充足感がある。魅力的な旅先、すてきなホテル、おいしい料理のことを文章と写真で伝えて、誰かの旅のきっかけになれることに喜びとやりがいを感じている。

だけど、ときには。関係各所や読者のことを忘れて、純粋に自分を満足させるオフの旅をするのもいい。予定を決めず、そのとき自分が行きたいところに行って、食べたいものを食べる。利便性や効率は脇に置いておこう。

ファインダー越しじゃない世界をちゃんと見て、自分の心が動くのを感じる時間を持つことも必要だ。私たちは、放っておくとすぐ心じゃなく頭で考えようとしてしまうから。

一眼レフカメラで写真は撮らなかったけれど、太陽の光を受けてきらめいていた天草の海の色はきっと忘れないと思う。豊かな時間をありがとう。

行きたいところに行くには、日にちを決めてチケットを予約してしまうこと

#一度は行きたいあの場所


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