「これからする人のために」の意識を持ち続けると、よいコンテンツが生まれる
レビューブログであっても、情報サイトであっても言えることですが、よいコンテンツを作るために大切なことは、「これからする人のために」という意識を持ち続けることではないかと思っています。
「これからする人のために」は、敬愛するサイト運営者さんが言っていた言葉です。私がふんわりイメージしていたことをズバッと端的に表している言葉だったので、以来、方向性がぶれそうなとき、「よいコンテンツってなんだろう?」と迷いそうなときに、自分自身に言い聞かせています。
アフィリエイト目的で商品レビューを書くとき、あるいは、自分が旅行に行ってきた話、イベントに行ってきた話、おいしいご飯を食べてきた話……。「こうだったよ!」という臨場感あふれる記事、書き手の気持がのっている記事はとても魅力的です。
それでも、どこかに「これからその商品を使う人のために」「これからそこへ旅行する人のために」「これからそのイベントに行く人のために」「これからそのお店に行く人のために」という意識を持って書かないと、ひとりよがりな記事になってしまう可能性があります。
(※再現性のないパーソナルな出来事を読者に追体験させる文章は例外。)
「これからする人のために」は無限の可能性
誤解を恐れずに書けば、自分の体験をそのまま文章に書くことは、それほど大変ではありません。読み手を少し意識した日記のような文章はネット上にたくさん存在します。
例えば、旅行記ブログ。私は旅行記が好きなので、誰かが自分の行ったことのない国へ行き、そこでどんな体験をしたか、何を感じたかを読むのはとても楽しいです。でも、こんなことをした、こんなところへ行った、こんなものを食べた…だけなら、SNSだけでいいんじゃないかとも思えます。
ある旅行記サイトを読んだことがきっかけで、その国に行ってみようと思う人は1,000人に1人かもしれないけれど、その1人が旅行に行こうと思い立ったとき、必要な情報がそこに集まっているサイトが、私の思う良いサイト。出国前にどんな手続きをしておかないといけないのか、査証は、両替、持ち込み禁止品は……。
「これからする人のために」にはいろんな可能性があります。
「これからギターを弾けるようになりたい人のために」「これからハーブを育てたい人のために」「これからキューバに旅行に行きたい人のために」「これから来年の手帳を選ぶ人のために」「これから青色申告する人のために」「これから子連れで屋久島に行きたい人のために」
あなたがシェアできる(コンテンツとして提供できる)ものは、自分が実際に見た・歩いた・食べた・触った・動いたことだけではありません。
それをする前に迷ったこと、する前に調べたこと、選ばなかった選択肢、「これをやっておいて良かった」と思ったこと、「これをしておけば良かった」と後悔したこと。
「これからする人のために」という気持ちの根底にあるのは、自己満足ではなく、見知らぬだれかの役に立ちたいという気持ちだと思います。
自分が知っていること、自分が経験したことについて、これからする人が困らないように教えてあげる。困ったときはどうすればよいか教えてあげる。自分のコンテンツがどこかのだれかの役に立っていることで喜びを感じられる人は、強いです。
なぜストックフォトが売れるのか、を考えてみる
ブログやサイトのコンテンツ作成に、ストックフォト(写真素材)を利用したことがある方もいるかもしれません。私自身は、ストックフォトを購入したことはありませんが、販売をしたことはあります。
ストックフォトの写真は、芸術的な、コンテストで賞を取れるような写真である必要はありません。ある程度のクオリティは求められますが、それよりも「どういうシーンで求められる写真なのか」が考えられているもののほうが売れる気がします。
例えば、私のストックフォトで過去に売れたものを思い出してみると、「幼児用自転車に乗っている小さな女の子の後ろ姿」「薔薇の花束」「芽吹いたばかりの新芽」「運動会での万国旗と校庭」「霜降りの高級牛肉」。
販売しておきながら自分で言うのも変ですが、どれも特に優れた写真だとは思っていません。じゃあ、どうして売れたのか?と考えると、買う人は「そのシーンを撮るチャンスがない」から、という答えが導き出されます。
私は娘がいるので、幼児用自転車に乗る女の子の後ろ姿の写真を撮れました。子どもの運動会に参加するので、青空になびく万国旗の写真も撮れました。でも、そのチャンスがない人は、その図(写真)が欲しければ、ストックフォトを買うことを選ぶでしょう。
自分が普通に撮れる写真でも、その環境にない人にとっては、撮ることのできない写真なんです。登山が好きな人にとって、山の上から見える景色は欲すれば手に入れられる(見ることができる)ものでしょうが、足腰が弱い人にとってはそれはリアルには見られないものなんです。
あなたが普通にできていること、あなたが普通に修得していること、知っていること。それは、「それが(まだ)できない人」や「それをこれからする人」にとっては、価値のある、よいコンテンツなんだと思います。
届くべき人に届くコンテンツを作ろう
「これからする人のために」の意識を持ち続け、自分自身が調べたこと・学んだこと・体験したことを、見知らぬだれかの役に立ちたいという気持ちでシェアする。
まとめてしまうとごくシンプルですが、結局のところ、長きにわたって、たくさんの人に見てもらえる良いコンテンツって、そういうものじゃないかな、と思っています。(※現実的には、たくさんの人に見てもらえるよう、キーワードを意識したり、SEOを考えたりする必要もあるのでしょうが、それはその先で。)
「自分には人に教えられるような知識なんてないから……」
ときどきそんなふうに言う人がいますが、本当にそうでしょうか? よいコンテンツを作るのに、別にカリスマ性は必要ないと私は思っています。
自分がごく当たり前にできていること、「こんなのだれでもできるでしょ」と思っていることが、実はそうではないかもしれません。
私は小学生の娘2人を連れて、母子で海外旅行へ行ったりしますが、別にそれを特別なことだとは思っていませんでした。でも、その話をすると、たくさんの人が驚いたり、質問をしてきたりするので、「あぁ、これって私が『これからする人のために』シェアできるコンテンツなんだな」と気づきました。
(自分がもともと持っている知識をベースにコンテンツを作れることもあるでしょうが、それとは別に、もう一度それをやれと言われてもできない経験をしたら、新鮮なうちに文章にしておくと良い気がします。旅行、リフォーム、転職、結婚式などなど。きっと「これからそれをする人のために」役立つコンテンツになるはずです。)
万人にすごいと思われるコンテンツじゃなくていい。届くべき人に届けば、それでいいという気持ちでいれば、よいコンテンツはきっと作れます。
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