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父親の自殺を初めてカミングアウトした日、家族を許すことができた日

前回の記事(父の死について時が経って思うこと)に書きましたが、我が家は私が中学生の頃に父親が自殺して、そのことを周囲にずっと隠して生きていました。
父親の事を聞かれたときは、事故で死別したと言うようにしていました。

当時の彼氏(今の旦那さん)にも、父親は事故で死別したと伝えていました。
でも結婚することになって、私の家族に会わせたり昔話をする中で、自分の生い立ちを旦那さんになる人に話していない事にだんだんと違和感を感じていました。


ずっと父親の死に向き合っていなくて記憶に蓋をしている自分。

実家が嫌いで母親と仲は悪く無いけれど何となく遠慮してしまう自分。

父型の親戚と疎遠になっている自分。

できれば受け入れてほしいという気持ちと否定されたらどうしようという気持ちの葛藤の末、旦那に伝えることにしました。


家族以外に父親の死について話した事がなかったから、伝え方がわからなくて、端的にわかりやすく伝えたかったけど声に出すと当時の悲しさが込み上げてきて涙を抑えることができませんでした。
私はずっと自分の家族に違和感や後ろ向きな感情を感じていたこと、父が死の前日まで仕事で忙しかったこと、何で誰も助けてあげられなかったんだろうとか誰のせいなんだろうとか脈絡のない感情を伝えました。


全てを聞いた旦那は一言、

「お父さんは会社に殺されたんだと思う、だから自分や家族を責めなくていいよ。」

と言ってくれました。


自分や家族に対して感じていた負の感情は、会社のせいだったんだ。それはただの矛先の違いかもしれないけれど、誰かにそう言ってもらえたのは初めてで自分の中の肩の荷が下りました。

父親は会社と戦っていたんだ、家族の為に、自分のために。

うちの家族に対する負の気持ちとか、父への感情とか、母への疑念とか、自分達は愛されてなかったんじゃないかとか、そういう色んな気持ちを肯定してくれました。

言葉とは凄いもので、それだけで家族を、父を、自分を許せることができました。どこかで暗い影があって自分の家族が大嫌いだった。自分は不幸だと思ってた。家族に愛されてないと思ってた。なんでこの家に生まれたんだろうとか思ってた。

でも、真面目な父と心の強い母と姉と私。良い家族だったんだなと今は思えることができます。家族を守ろうとしてくれた父と、大事な人が突然いなくなってからも姉と私の為に頑張ってくれた母に感謝の気持ちしかないです。

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