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知恵

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この知恵はゲットしておきたい。もう一度見返したい。そんな記事を集めました。
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#創作大賞2024

「わたし」は細胞膜に「受信」されている。

自分の投稿で、わたしはよく「内側」という言葉を使います。 noteでのみなさんとのつながりは、「内側」からのつながりだなあ、と。 外見とか立場とか、そういうものが最初のアプローチとなる「外側」からのおつきあいとは少し違って……わたしはそれが好きだなあ、と。 その「内側」って、実際はどこにあるのでしょうね。 自分の心、価値観、思考、記憶……そういう、「わたしの中身を成すもの」すべてをひっくるめて、わたし自身は「内側」という言葉を使います。 でも実は、「内側」は、わたしの内側

花。貴石。そして笑顔。

わたしは花が大好きです。 花が嫌い……という方には、あまりお目にかかったことがありません。 興味がない、という方はいらしても、嫌い、とまでおっしゃる方は、記憶にある限り、お会いしたことがありません。 役に立つ、といえるものではないのに、なぜか花は人の心を魅了してやみません。 作家・カウンセラーであり、同時に現代精神世界の指導者ともいわれるエックハルト・トール氏は、著書『ニュー・アース』(吉田利子訳/サンマーク出版)のなかで、花に、植物の「悟り」をみることができる……と語っ

サクラサクラ 四月 一汁九菜

ソメイヨシノ 大島桜 薄紅色 儚げな白 ずっと花曇りの日が続き、昨日は荒天春の嵐、それらが嘘のように 鎮まり、四月十日、久しぶりの春の桜日和。 桜文様の器に少しずつ春の料理を盛りつけて サクラサクラ四月のランチ 器が決まったら次は献立 旬の食材を用意して、そう手間もかからない料理、これが大事。 気合を入れて二三日前から下準備するおもてなし料理は、まぁ、もうほんとにたまにでいいのです。 ケの献立に少し華やかさを加えられたら、それがいい。 筍の塩麹マヨから揚げ 茹で

江戸料理 「初鰹刺身に辛子酢味噌」「ふわふわ豆腐」「井出の里」 で 一汁五菜

目には青葉 山時鳥 初松魚 江戸時代の俳人、山口素堂(1642年~1716年)が詠んだ句ですが、三百年近く経った今でも、つい口について出て来る句です。 句に詠まれた初松魚とは上り鰹のことで、四月から五月に伊豆や房総沖で獲れる鰹のこと。 江戸時代、初物を食べると七十五日長生きできるという言い伝えがあり、人々は特に初鰹を珍重し、文化・文政(1804~30年)のころの江戸の初鰹志向は熱狂的で、どんなに高値でも買ったそうです。 そんな初鰹の季節に、初鰹の刺身を江戸スタイルで食し

母のミンチ 私のミンチ

免治が思い出させてくれた 母のあの料理と 私から娘たちへ、娘たちから少年少女たちへ伝えるぱぱっとごはんのこと… 免治 免治を作りたくなった。 葡式乾免治はマカオの代表的な家庭料理で、日本の雑誌やグルメ旅番組でもよく紹介されているマカオの代表的な家庭料理だ。 とエラそうに言い切ってはみたけれど、実はマカオで食べたことはない。 十五年ぐらい前にマカオを旅したときは、アフリカンチキンの食べ歩きが目的だったから、免治は全く眼中になかった。 ところが突然、そうだ!免治作ろ

わたしのインナーチャイルド。そして野原の話。

トップの画像は河津桜。 静岡にお住いのクリエイターakihiroさんのお写真なのですが、なんだかすこーし不思議な感じがしませんか? これ、水たまりを撮影したものなのですって! 水たまりに映った河津桜、そして空。 上のほうにぼやっとピンクにみえるのは、水たまりに浮かんだ桜の花びらなのだそう。 ふと水たまりをのぞきこんだときにこんな世界がみえたら……それだけで、心はどこかに飛んでいきそうです。こんな世界をみせてくださるakihiroさんに、心から感謝です。 ところで最近、親し

【短歌表現】終章:新種千人一首

王朝和歌の絢爛たる世界が蘇る! 藤原定家の「小倉百人一首」。 「原色小倉百人一首」 (シグマベスト)鈴木日出男/山口慎一/依田泰(著) 「小倉百人一首―みやびとあそび―」平田澄子/新川雅朋(著) 足利義尚の「新百人一首」に続き、 丸谷才一が新たに編んだ「新々百人一首」。 「新々百人一首〈上〉」(新潮文庫)丸谷才一(著) 「新々百人一首〈下〉」(新潮文庫)丸谷才一(著) 新百人一首は、藤原定家撰の小倉百人一首に漏れた著名な歌人の歌を、勅撰和歌集から百首選定したも

友よ。母よ。どうかあなたを飯炊き女にしないで。

「相手の頭の中を想像して、こう思うだろうなんて推測することは、バカげている」 友人がパートナーに対して、自分への配慮を求めた際にこう言われたそうだ。 友人の夫婦間のやり取りを聞きながら、冒頭の主張に驚きつつ、夫側の言い分にも理解はできると思った。 「思いやり」 日本人、とりわけ日本人の女性はこの、他の人の気持ちを理解し、配慮することが得意だと言われている。 だが、しかし、それだって危険な思い込みである可能性は否定できない。特別な能力者でもない限り、都合のいい解釈だけ

アナログ派の楽しみ/スペシャル◎へそまがり世界史(創作大賞2024応募作)

へそまがり世界史   きれいはきたない、 きたないはきれい。  ――魔女の叫び(シェイクスピア著『マクベス』より) ジュリアン・ジェインズ著『神々の沈黙』われわれはふたたび 神々の声と出会ったのか 自分は一体、何者なのか? その答えに少しでも近づくためにわれわれは本を読むのだろうが、米国プリンストン大学の心理学教授、ジュリアン・ジェインズが著した『神々の沈黙』(1976~90年)もまた、目からウロコの落ちる示唆に富んだ一書であることは間違いない。  骨子は、はなはだシ

アナログ派の楽しみ/スペシャル◎へそまがり性愛学(創作大賞2024応募作)

へそまがり性愛学   あが身は、成り成りて成り合はざる処一処あり。  あが身は、成り成りて成り余れる処一処あり。   ――伊耶那美命と伊耶那岐命の対話(『古事記』より)   O・ヘンリー著『最後の一葉』そこには意外につぐ 意外の事態が   かつて国語の教科書で『最後の一葉』(1905年)に出会って、当たり前のように感動した覚えのある者にとって、作者のO・ヘンリー、本名ウィリアム・シドニー・ポーターが犯罪者として刑務所に服役した経歴の持ち主だとは、少なからず意外の念を催

和(あ)いの言霊 ~これから山ちゃんが、いい話をします~

奈良県の御所市という街に 葛城一言主神社、通称『一言(いちごん)さん』という 人気の神社がございます 主祭神は、葛城之一言主大神で その名の通り、たった一言で 願いを叶えてくれる神さまだと言われています 山ちゃん、そんなこともつゆ知らず 春間近の昼下がり、のらりくらりと この一言(いちごん)さんへ 境内に、参拝客は3人くらい 本殿は独占状態だったので よっしゃ オリジナル参拝(やっちゃダメ) パンぱ、パンぱんぱんと手を叩き 大声で、こんにちはー! と、一言(いちご

note、人の「内側」世界をつなぐ。

子どもの本を書く仕事をしていることを、自己紹介に少し記しましたが、ずいぶん前に書きかけたお話のひとつを、最近、よく思いだすようになりました。 書きかけた、と申し上げた通り、結局完結させられなかったお話です。ただイメージだけは今も強く残っていて、執筆中の感覚はよく思いだすことができます。そのイメージが最近になって、 (ああ、こういうことだったのか……) すとんと腑に落ちるような氣がするのです。 お話の核になっていたのが、「わたしの外側の世界は周りの人たちとつながっている。そ

地球で見つけた好きな物の話ーぺんてるちゃんの章1頁ー

 地球を旅する冒険者の皆様、冒険譚の執筆は、着々と進んでおりますでしょうか?元本読師の文者部屋美です。  ようやく、この新たな章の執筆に取り掛かれます事を、大変嬉しく思っております!  本来であれば、「文房具の章」として始まるべき物語で御座いましたが、此処はあえて「ぺんてる」様1本で1つの物語を綴らせて頂こう!と、相成りました。  「ぺんてる」様以外の文房具につきましては、改めて「文房具の章」を綴らせて頂く予定で御座います。  今の私の冒険譚を綴る上でなくてはならない

「書く」。「書かない」。

「てがみさま」というお話を書いたことがあります。 手紙の神様。てがみさま。 大切に書いた手紙には神様が宿ることを──短いお話にしました。 封筒を開け、折りたたまれた便箋をひらくと、おかっぱ髪の女の子の神様が、ちょこんとそこに現れる。それが、てがみさま。 そのお話を書いたのは、もうずいぶん前のことです。 誰かに手紙を届けるのが、いまよりずっと身近な時代でしたから、ちょこちょこと、お礼状など書く習慣がありました。 手紙を書くときには、必ず心を込めて。 封書のときには、てがみさま