マガジンのカバー画像

なんかスキ

154
よくわからないけど、スキだと直観的に感じた記事を集めてみた。  何がスキなのかは、集めているうちに気が付くかもしれない大笑。
運営しているクリエイター

2022年12月の記事一覧

旦那は元犬に話しかける

江戸の時代にあった話。 蔵前(現在の東京都台東区蔵前)の八幡神社に、境内を頻繁にうろついている1匹の白い野良犬がいた。体の毛に差し色が一切ない、ほんとうの白犬だった。その毛の美しさから、周囲の者たちには、たいへんに可愛がられていた。 この犬は、人間になりたかった。 江戸の当時の言い伝えでは「真っ白な犬は人間に生まれ変わる」とされていた。 だから、頭を撫でに近寄ってくる参詣の客たちから 《アンタは真っ白だから、生まれ変わったら、次の世は人間になれるよ》 《いつも八幡様にい

【総括2022’】言霊 を噛みしめた一年

総括2022’ つい先ほど、昨29日の午後から始めたアトリエの掃除を終え、床に塗布したワックスの香りが漂う中、今年二番目に大きい溜息をついておりました。  こんな時『 ため息は 命を削る 鉋かな 』なんて川柳を思い出します。  でも、まぁ、” 今日みたいな日 ” は良しとしましょう。   ただ今、12月30日 午後15時32分 。  小腹が空いたので、普段なら食べないエンゼルパイを、さして美味しくはないインスタント珈琲で流し込みつつ、PCの前に鎮座しています。  されど、

【作品紹介】事を成して 無事に帰る

 ようやく完成した拙作『茄子に蛙』。  この根付は ” 事を成して 無事に帰る ” という意を込めて製作しました。  即ち「茄子=成す」そして「蛙=帰る」を掛けているのです。こうした言葉遊びもまた、根付が内包する面白みのひとつと言えるでしょう。  此度は、古典からの引用ではなかったので、手本となるような雛形は無かったのですが、茄子にしても蛙にしても、数多の名人上手が題材にしてきたわけでして …… 。  さすれば、この凡庸なる若輩は、今は亡き名人上手たちが放つプレッシャー

【思い出ぼろぼろ】腑に落ちた一文

 『本』は、新しい知識・知見をもたらすだけではなく、それらを知恵へと変換するために必要となる行動をも誘発させてくれる稀有な存在です。  特に、”本と読み手の化学反応” が起きた時に発生する熱量は尋常ならざるものがあり、それは正にタイミングの成せる技だと言えるでしょう。  此度は、 ”11歳の僕” が朧げに描いていた将来像の解像度を、一気に引き上げてくれた『一文』について綴っていこうと思います。  1:現実と非現実の狭間に生まれた夢  市井の人を自認するこの僕が、建築設計

+4

アノマロカリスの夜