マガジンのカバー画像

なんかスキ

151
よくわからないけど、スキだと直観的に感じた記事を集めてみた。  何がスキなのかは、集めているうちに気が付くかもしれない大笑。
運営しているクリエイター

2022年2月の記事一覧

鬼のいない節分

鬼のいない節分

私が思い出す節分に、恵方巻は出てこない。

私が恵方巻を知ったのは、父からだ。
それはある冬の時期に一時帰国した日、成田空港から自宅に帰る車中だった。
コンビニの前で、ちょうど信号待ちになった。

『最近はね、エホウマキというのを、節分に食べるようになったんだよ』と、父が話し始めた。

エホウマキが何かも分からず、きょとんとしている私に、見てごらんと、コンビニの方角を指差す。
そこに、大きな

もっとみる
恋人と会えない2月

恋人と会えない2月

流氷がやってくる季節です。

上の写真はちょうど2年前の今日、紋別市のはずれのオムサロ海岸です。この世界には自分と流氷しかいない、そう感じさせるほどの無音よりも静かな朝。その時、流氷と気持ちが通じ合うのを感じました。

それから2年間、流氷に会っていません。
例年であれば仕事で紋別を訪れる時期ですが、去年と今年はそれがなくなりました。

流氷のことを考えるようになって27年。
こんなに長く離れてい

もっとみる
いつか見た風景 10

いつか見た風景 10

「忘却の作法」

 忘れたくないものたちには、それぞれに理由がある。それぞれには背景があり、プロセスがある。何よりそのものたちが持っている固有の匂いが存在する。だからそのものたちを忘れないために書くこの記録には、タイトルが必要だ。 

                   スコッチィ・タカオ・ヒマナンデス

 今思い浮かぶ私のお気に入りのタイトルはと言えば、アンソールの「酢漬けのニシンを奪い合う骸

もっとみる