見出し画像

乳がんになった私 #36「仲間がたくさんいる」

得体の知れない恐怖も、漠然とした不安も、なんでも話すことが出来る存在がそばにいてくれることは、私にとって救いだ。

そして、実際にそばにはいなくても、私にはたくさんの仲間がいることも分かった。

乳がんが発覚し、それを公表したことによりSNSで繋がってくれた人たちだ。

乳がんの治療真っ只中の方だったり、治療や手術をすでに終えた方、私と同じくらいのタイミングで乳がんが発覚した方、たくさんの乳がん罹患者の仲間。

病状や乳がんの種類、治療内容や副作用の加減はそれぞれだと思うが、頑張っている仲間がいるんだと思えることは、本当に心強く、勇気をもらえる。いただいたコメントやメッセージを読んで励まされる日々だ。

SNSで胸糞悪い気持ちになることも多々あるが、こういう時に、SNSがあって良かった!!!と心から思える。

そして、日本人女性9人に1人が乳がんになるとは、こういうことかと思った。知らないだけで、きっと私の周りにもあなたの周りにもたくさんいる。以前にも言ったように、私は自分の性格上、 “公表” という形を取ったが、誰もがみんな病気のことをわざわざ言わなくたっていいし、周りに言う必要がない人、言いたくない人だっているだろうし、見た目では治療中かどうかなんて分からない人だらけだ。

大きな病気ではあると思うが、何も特別なことではない気がした。

おそらく右乳房全摘になると最初の段階で言われ、私は大好きな銭湯やサウナに今まで通り行けるのかどうかを考えた。(サウナは心臓や身体に負担がかかるのでそもそもどうなのか…)  私は乳房再建をするつもりがない。やはり切除した胸を風呂で人様に晒すのはさすがにそこそこ勇気がいる気がする。というか、自分が良くても、たまたま居合わせた人がその傷を見てどう思うのだろう、とか、今後友人と温泉などに行く機会があった場合に気を遣わせてしまうかしら…なども考えた。

でも、世の中に胸を全摘した人はたくさんいる。

銭湯で、乳がんの人のための入浴着についての張り紙を見かけるところもある。以前から、良いことだなと思って見ていた。

でも、入浴着を着なくても本当は堂々と銭湯や温泉に行きたい。今、私はそう思っている。

大事なのは認知。そういう人が普通にいる。あ、全摘したんだなって、それだけ。隠さなくてもいいようになったらいい。

こんなことを言っておきながら、いざ自分が術後、堂々と傷口を晒して銭湯に行けるかどうかは、正直まだ分からない。 だけど本当はそうしたいという気持ちをここに綴っておく。(今現在、術後2日目でこれを書いている)

私は自分の性格上、乳がんを公表をしたと言ったが、こうやって発信することにはもう一つ理由もある。

以前も書いた通り、身近で乳がんのことを発信してくれていた人の存在だ。

彼女を通して乳がんについて知っていたおかげで、私はすぐに病気を受け入れ、すぐに覚悟を決められた。

知識があるということは、自分の助けになる。

私の発信が、少しでも誰かのためになっていたとしたらシンプルに嬉しいし、もし今後、身近で乳がんになった人がいたとしたら全力で力になりたい。

(#37へ続く)
---------------------------------


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?