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公園日記1/4-公園のあと

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公園最終日。
新宿駅は元の新宿駅に戻りきっていた。よく晴れた平日。会期中、そんなに寒くなくて晴れた日が続いたことはとても有り難く、背を押してもらっているような気持ちでいた。いつだって愛は降ってくるもの。
自分にとっての危機は「年末年始」なので、1月3日に終えてもよかったのですが三が日もお仕事に励まれている人はいると思うので、予備日のように4日を最終日としました。この日もたくさんのお客さんが公園へ来てくださってうれしいいそがしさ。

抱擁は心臓の一番近くで施せる祈り。折々で抱擁を交わし続ければ、体が体の輪郭なんとなく覚えることももう知っている。それでもあたたかくて柔らかな実存を何度も確かめたい。最新の抱擁に勝るものはない。公園はハグを交わしても自然な場所だということを確かめられた日でもあった。
この日は「あなたのための新春言祝」をたくさん注文いただく。ありがとうございます。対面で詩を注文いただくことは初めてのような気がします。お顔が見えることがうれしい。読むことはすでに書くことの手前にいることなので、まだ注文票をじっくり見ないでいますが、書いて向き合うことがとてもたのしみです。「手紙書きますね」で送り出せるよろこびを噛み締めていたら、あっというまに日が暮れていた。
公園の終わりに、インスタグラムでは展示した詩の朗読を、ツイッターでは「公園」について、公園の帰り道に出会った小野さんと珈琲屋さんのきた とださんとのお話を配信しました。実際公園に来てくださった方も何人か聞いてくださっている中、公園という場所について、そしてこれからどこで公園をひらくかについて話していました。東京、浜松、福岡、尾道、仙台、どこでだって、その町にいるあなたを頼って公園をしたいです。わたしは詩と本と灯りを持ってゆくことができます。ご提案等あればホームページの一番下のお問い合わせフォームから気軽にお声がけください。自分でも探してゆきます。とりあえず春先に京都の鴨川で公園をしてみたいなあ。屋外の公園。あとは教会がある公園。小野さん、きた とださん、遅くまでありがとうございました!

家主へおやつを買って帰る。寝ていたのに起きておやつとお茶に付き合ってくれてありがとう。家主といると「二粒」という感じがする以前からの感覚は2023年になった今もそのままある。この世という紙上にて打たれた二つの点。画面越しへの言い切れないありがとうの前で観念して眠る。


公園のあと

「公園ノート」をリュックに入れたまま京都に帰ってきて、東京から送った荷物を受け取り、まだ荷造りし尾道へ帰省しています。地元でもなんでもないけれど、ここはただいまを言える町。そして観光客のままでいさせてくれるでっかい公園のような町。友人に会い、石を愛で、お正月みたいあたたかな鍋を囲ませてもらって、今久しぶりにひとりになって公園ノートを読んでいます。
人のもとには計り知れないかなしみが訪れ、さみしさを拭うことは容易いことではなく、おそらく誰しも押し潰されたり、またどうにか立ち上がり歩き出したりを繰り返して、生きている。おそらくというより、そうである。知っていたけれど、生きているあなたの言葉によってその姿は肉付けされ熱を持つ。わたしはどうしようもなく、生きているあなたがすきだ。肉体の健やかさが守られますように。心の柔らかさと、魂の歩みが保たれますように。よろこびもかなしみもすべてあなたがこの星で得る大事なものだから、生きたさも死にたさも誰にも奪えない。奪われるべきではない。それでも、この星にて迷いながら生きるその間だけは旅の安寧を祈りたい。

公園に行きたいな。
夢中で搬出をしている間は心を固くしていたけれど、今は帰りたいよ。待ち合わせなくても会える場所で、あなたに会いたい。ただ共に、ここにいたい。

この星にあってほしいものを一緒に作ることができたこと、感謝しています。
ほんとうにありがとうございました。
生きて、また公園で会いましょう。

公園の写真

トナカイさんに写してもらった公園の様子です。

トナカイさんは2月にトタンにて展示をされます。



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