見出し画像

「12月の夜のための詩」について

灯りとしての詩

三つの灯を灯しました。
12月の夜に冷えた指先がひらくことを思いながら書いた三篇の詩です。
12/24と25、どちらかお好きな日にお届けします。
クリスマスプレゼントです。
わたしは特定の信仰をもたないですが、枕元にプレゼントが置かれていたあの朝のうれしさをよく覚えています。どんなひともこの日に何か受け取れるものがあればいいなと思い、「指定日配達」というソリを借りてサンタさんをしてみます。
読むことはひとりですること。詩を読んでもらうことはひとりとひとりで会えるということです。詩を書くことがたったひとりに向かうことだと信じて、わたしは「あなた」という言葉を選んでいます。
12月の夜に会うための詩を書こうと決めて、ここ数日は三篇それぞれ僅かに異なる冬の夜に立ち尽くしていたので、さきほどまで白い息を吐いていたような気がするほど。
別の町で、別の現実に生きながら同じような白い息を吐くならば、冷えた指先には便りを。決してきらびやかなものではないけれど、あなたにあたたかな贈り物を。


詩について

届いたときにはじめて読んでいただきたいので、詩の全文公開はしていません。

「あなたの内のすべての灯り」
「祈りの作法、冬の定点」
「灯りの便り」

書いた順としては
「祈りの作法〜」→「あなたの内の〜」→「灯りの便り」です。
(並んだときの字面が気になったので並べ替えています)
連作ではないですが、同じ言葉や同じような眺めがそれぞれの詩に出てくるので、言葉を繋ぎ合せながら三つをひとつの詩として読むこともできるかと思います。(それはとてもわたしの隣に立つことに近いのかも、それから屋上で夜空を見上げることにも似ているかもしれません)そのときは「書いた順」で読んでいただくことをおすすめします。
とはいいつつ、ひとつを選んでもらうイメージだったので、お好きなものを選んでいただけたらうれしいです。詩の書き出しだけ公開しています。

封筒やお届けなどについて

封筒を2色からお選びいただけます。
「夜」と「火」
夜はもともと「コットンパール ミッドナイトブルー」という名でして、名の通り深い紺色にパールの厳かな輝きがあしらわれています。
(画像はわりとぎらぎらしていますが、実物はもっとなめらかなきらきらです)
火はバーガンディやワインレッドに近いあたたかみのある色です。
どの詩もそれぞれの夜と火を持ち合わせているので、よく似合うはず。
到着希望日を12/24と25のどちらかを備考欄にご記入お願いします。ポスト投函ですので時間指定はできません。もしも記入のない場合はこちらで決めさせていただきます。
贈り物として送り先が異なる場合はその旨ご記入お願いします。
投函スケジュールの都合で、受付締切は12/17までです。
よろしくおねがいします。ご不明な点あればおたずねください。

冬の孤独へ

12月24日も25日もいつもどおり眠って起きて好きなようにすごしていい日ですが、この星に生きているとどこにいたってそわそわします。
わたしが手紙の先にあたたかく満ちているひとのことを思い描けないのは、きっと自分がすこしさみしい気持ちで過ごした冬の記憶が未だに残っているからだと思います。人の孤独は比べることも束ねることもできないけれど、とにかく冬は養生の季節、寒いとさみしいと空腹には気をつけなければいけません。これはどんなに逞しく絶好調のひとでもそうだと思っています。養生第一。

詩に、便りに、言葉に、なにができるのか。
わたしはここで、なにができるのか。
問いが消えることはないけれど、今の自分の解として宛て先を募ります。
必要なひとに届きますように。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?