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百年の散歩

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公開文通「百年の散歩」 【毎週月曜日と金曜日に、手紙の続きを連載します。】 2021.10.29〜11.22 「01.この星にあってほしいものについて、中村菜月さんと」
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#連載

公開文通「百年の散歩」はじめます

公開文通「百年の散歩」はじめます

ぼくらの会話が潰えたとして
この道のあかるさに変わりはないように
平らな道に転べる体の容易さを
ぼくらなら愛するだろう
ぼくらなら歩きながら
そうするだろう

『舟』(2019) 収録「百年の散歩」より
http://ikdayn.main.jp/?p=750

「歩きながら話そうか」
どちらともなくそう言って、いろんな町でいろんなひとと並んで歩きながら話をしてきた。喫茶店で向かい合うのも、改札前

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1通目_公開文通「百年の散歩」01.この星にあってほしいものについて、中村菜月さんと

1通目_公開文通「百年の散歩」01.この星にあってほしいものについて、中村菜月さんと

菜月さん

この世に、この星に、あってほしいものについて、菜月さんと話したいなと思い文通にお誘いしました。

先日noteの記事に書かれていたことを読み、自分を含め案外多くのひとがそうしたまだ見ぬ在り方を模索している、あるいは模索したいと願っている、と最近感じている体感に重なるところがありました。

“いろいろな地方に拠点を持ちたいです。いろいろな土地に住むひとがそれぞれに拠点をもって暮らしながら

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2通目_公開文通「百年の散歩」01.この星にあってほしいものについて、中村菜月さんと

2通目_公開文通「百年の散歩」01.この星にあってほしいものについて、中村菜月さんと

彩乃さん

文通のお誘い、どうもありがとうございます。この星にあってほしいもの、じぶんの中に答えはもうあるような気がして、でも上手く言葉にならなくてぼやぼやと考えていたのですが、今これだ、と思ってでてきたのは「あたたかい記憶 」と「やさしい場所」、あとは「冒険の気配」です。

それぞれに通ずるものがあると思うのですが、まずは「あたたかい記憶」について書こうかなと思います。

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3通目_公開文通「百年の散歩」01.この星にあってほしいものについて、中村菜月さんと

3通目_公開文通「百年の散歩」01.この星にあってほしいものについて、中村菜月さんと

菜月さん

お返事書かれるのに苦心されていることを知らせていただいたとき、渡したお手紙が菜月さんのどこへ不時着したのだろうとドキドキしていましたが、幼少期の菜月さんの傍まで飛んでいっていたのですね。
あらためて、お返事ありがとうございます。

わたしはかねてから菜月さんの記憶力の凄まじさを感じることが度々あるのですが、よかったこともつらかったことも人一倍鮮明に覚えていらっしゃるのかもしれないなと想

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