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今は頑張りすぎなくていい。 ~Webデザイナーがパソコンを見られなくなった話~

久しぶりにnoteを書きます。西田あやのです。

Twitterでたまに議題に上がる、未経験からいきなりフリーランスのWebデザイナーになった2児の母です。開業してから1年半が経ちます。

いつもはあまり「母(ママ)」と言ったり、「未経験」とかは色々面倒なので言わないのですが、今回はちょっともう「生きていけないかも…」という体験をして、それを語る上で必要なのでプロフィールとして書いておきます。

ちょっと前に「小さい子どもを育ててるママは、子育てで時間が無いを言い訳にしてる人多いけど、結局いつ行動するんだ。自分で時間を作ってやっている人はいる」的な誰かのつぶやきが大炎上していたのを思い出しながら、このnoteを書いています。

今回のnoteで一番伝えたいことは、「赤ちゃんや小さいお子さんを育児するパパママに、今はまだ頑張りすぎなくていいよ」ということです。
エンドレスな夜泣き対応での不眠や授乳、育児の予期できない数々のイベントに悩まされながらも、毎日デザインやWeb制作やプログラミングや朝活・夜活…いろんな勉強お疲れ様です。でも、今は育児だけでも大変な時期です。100万回言われたかもしれませんが、頑張りすぎないでくださいね。私みたいになってほしくないからです。

実は今年の3月頃から6ヶ月間、ずっと体調を崩していました。いや、崩していたというより、病気?みたいなものですね。今は快方に向かっています。
結局普通に生活できなくなるまでに悪化したのですが、お医者さんに診てもらおうと予約を取ったタイミングで治り始めてしまったので自己診断ですが…
おそらく「自律神経失調症」という症状でした。

自律神経失調症とは

循環器や消化器、呼吸器などの活動を調整するため、自分の意思とは無関係に24時間働き続けているのが自律神経である。自動的に反応する神経のため、呼吸・血液循環・体温調節・消化・排泄・生殖・免疫などの機能を無意識に調整しており、生命維持には欠かせない。自律神経の緊張が亢進すると、体のだるさ・便秘や下痢・頭痛・ほてり・動悸・しびれなどの症状が出現する。

出典:ドクターズファイル | 頭の病気一覧 自律神経失調症

はい、上記のように生命維持に欠かせない機能がどうにもならなくなって、仕事や家事どころか、ついには立てなくなりました。地獄です。ええ。
私の主な症状はこんな感じでした。

・頭痛
・ひどい肩こり
・首が凝って頭を支えられない
・めまい
・嘔吐、吐き気
・極度の疲労感
・ひたすら夏でも湯船に入っても寒気しかしない
・と、思ったらいきなり冷や汗
・↑の体温調整ができないのをずっと繰り返す
・常にだるくてやる気が起きない
・思考がはっきりしなくてぼーっとする
・何時間寝ても、不眠のような状態で昼間に眠ってしまう
・目の奥が痛くて光を見れない(パソコン・スマホなんて見ると吐き気)

今年の3月始めの頃から「なんだか集中できないな…やる気が出ない。」という症状が出始め、1日仕事が集中できずに違うことをして過ごす日がどんどん増えていきました。
そのうちに、1ヶ月に1回〜2回、↑上記の地獄のような症状がいっぺんに出て寝込む、という日が出てきました。
それがどんどん頻度を増し、2週間に1回倒れ、1週間に2回倒れ、もう常にだるくて体調不良で眠くて苦しくて何もしたくない日々が3ヶ月以上続きました。

始めのうちは肩こりが酷いからだろう、と思って整体にずっと通っていました。整体の先生に倒れた話をすると、「首の後ろに自律神経が通っていて、体のバランスを崩したり、肩首のこりが酷いと自律神経が崩れるんです。崩れるとそういう症状が出るんですよ」と教えていただき「自律神経の乱れ」を自覚するようになりました。

Webデザイナーなのにパソコン画面が見れない

しかしそのうちに、症状が悪化していき、ベッドから起き上がれない日が多くなり、朝一の洗濯物を干す家事さえもできなくなりました。でも2歳と4歳の娘たちは今日も元気に生きています。炊事、洗濯、育児に休みはありません。家事を一瞬で終わらせて、ベッドに入るという生活が続き「ママどうして今日も体調悪いの?」と聞かれることが多くなりました。

頭痛、寒気、冷や汗、嘔吐、異常な眠気、だるさがピークに達して「このままでは死んでしまう…」と思い、「自律神経 整える」でググりました。鍼が自律神経を整えるのに効くことがわかり、近所の鍼をやっている整体に駆け込みました。

施術後、その日は何ヶ月ぶりかにぐっすり眠れたことを覚えています。
「やっと救われた…」
と思いました。1週間に1〜2回鍼に通うようになり、少しづつ良くなっていきますが、どうしても施術してから4〜5日経つと、体調不良の状態に戻ってしまう。

そんな中、8月になり夏本番になりました。しかし、今年の夏は後半雨ばかりでした。低気圧が停滞していて、それが影響して体調は最悪でした。
フリーランスなので仕事をしないとお金も稼げないし、気持ちは頑張りたいのにまさかのパソコンやスマホなどのデバイス画面を見ることも困難になっていました。光を見ると目の奥が痛くて、目を開けていられないのです。「Webデザイナーなのにパソコン見れないって、致命的じゃないか…なんとか治さなければ…」と、心療内科なのか(精神的には病んでいなかったけど心療内科にかかる人が多いらしい)、婦人科にかかればいいのか、どの病院がいいのか、日々調べていました。

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6月頃に「40日後にリリースする」と宣言したポートフォリオサイトも、もう制作どころじゃなくなっていました…w ほんとごめんなさい。これから実装します。

Adobeプレリリースマネージャーの求人

実は7月ごろ、カリフォルニア州のサンノゼにあるAdobe本社がTwitterで「プレリリース コミュニティ マネージャー」という製品開発の手助けをする日英バイリンガルのポジションをフルリモート(パートタイム)で募集していました。こんな体調でしたが、これは大きなチャンスだと思いました。Webデザインとは少し違う仕事ではあるのですが、漠然と「いつか海外でも通用する人間として、海外の会社でも仕事ができる経験がほしい」と思っていました。(クリエイター育成スクールのSLashの参加者のインタビュー動画でも、そんな話をちょっとしています。)

それに併せて、コロナ禍からの不況、日本の人件費が安くなっていっている感覚、駆け出しクリエイターが搾取される話題(私も経験あり)、中途半端な技術でWeb上で稼ぐ人が増えたと話題になるタイムライン…。そんな市場に自分は埋もれていきたくない、少し人と違う道を選択してみたい、という動機から、Adobeの求人をダメ元でも受けてみました。案の定、応募数もかなり多かったようで、留学経験があるとは言え10年以上のブランクがある自分は受からないだろうと思っていました。

しかし、私のPhotoshopで自作した英語の履歴書を人事の方が大変気に入ってくださり、面接に至り、その後にありがたいことに採用通知をいただくことができました。8月より、Adobe Maxに向けてのお手伝いをさせていただいています。

この時、サポートしてくださったデザイナーのキャシさん、背中を押してくださったQUOITWORKSのムラマツさんには大変感謝しています。

採用通知をいただいてから、なおさら「自律神経失調症を治さなければ」という気になりました。

まさかの養命酒に助けられる

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最初にことわっておきますが、養命酒の回し者ではありません(笑)
ですが、「自律神経失調症」を調べるとちらほら出てくる「養命酒飲んで治りました!」という情報。そんな飲み物であの地獄のような症状が治るか…?半信半疑でした。結果、みるみるうちに身体の代謝が良くなり、数日後には全ての症状がほぼ無くなりました。ですが、これからも健康維持には気を使って、適度に運動し、バランスの良い食事を心がけ、必要であれば受診し、養命酒と鍼治療で完全回復に向かおうと思っています。

「とにかく今、普通に生活できることがありがたすぎる…!!!!」

お酒が苦手な方は錠剤もあるそうです。

そもそもなぜ発症したのか

自律神経失調症の原因はストレスや過労、メンタル的な問題など、いろいろ言われています。ただまあ、私の場合は4年前と2年前に出産し、4年半ずっと途切れ睡眠でした。2人目の娘を出産してすぐに未経験からWebデザインスクールに通い始めました。カリキュラム的にもかなりタイトなスケジュールの中でWebデザインを学び、寝ずに勉強しながら、深夜の娘たちの夜泣き対応、授乳もしていました。そして平日は基本ワンオペ育児・家事です。

スクールを卒業してから2ヶ月後に開業。その間も睡眠を削ってデザインやコーディングの勉強、クライアントとの打ち合わせ、いただいた案件の制作…まともに寝ずに突っ走りすぎましたね(笑)
それは神様も「休みなさい!!!」と怒りますよ。

子どもたちとゆっくり向き合えた6ヶ月間

体調を崩してからの6ヶ月は、「娘たちとゆっくり時間を過ごせばいいか、無理せず行こう」という考えにだんだんシフトしていきました。4歳の娘は赤ちゃんだった時期から成長し、どんどん色々なことがわかるようになり、少し難しい年頃になってきました。保育園に行きたくない、という日も何日か続いたり。2歳の娘も風邪をもらってくれば、長引きます。

そんな時、「いいよ、休みなよ。今日はママとゆっくりしよう。」と言えてよかったなぁ…なんて思いました。幼い時期は数年しかないけど、心の成長にも大事な時期。私が体調を崩したとは言え、ママとして少し立ち止まれたのはよかったな、と感じています。

だから、幼いお子さんを子育て中のパパママさんで頑張っている人たくさんいるけど、無理しすぎないでください。私のようにならないでください。と、切に願います。今は頑張りすぎないで。

そうは言っても周りを見て焦る

SNSを見ると、毎日みんなが頑張っている姿が見えます。ポジティブな時は一緒に頑張ろう!と思えるけど、病気で寝込んで足踏みしている時期は多少焦りました。Twitterのタイムラインを見ると、みんなキラキラして見える、なんて言う人も結構いますもんね。

それでも私が諦めずに潰れなかったのは、稀に見るポジティブ人間だから、というよりは「自分は自分」「誰と比べても、人生結局は自分との闘いだ」という信念があったからだと思っています。これは、自分が18歳から4年間アメリカに留学した時代に学んだことです。

今まで同調する日本の社会に馴染んでいた18歳の少女が、いきなり「個」を尊重されるアメリカの社会に単身で飛び込んだことで培った精神力だと思っています。周りにいた、同じ時期に留学先に来た日本人はどんどん英語が上手くなっていくのに対し、自分は全く上達せずに塞ぎ込んだ時期もありました。ですが、誰と比べようとも結局は自分がどれだけ英語を身につけて、どれだけ社会でネイティブに負けじと活躍できるかが全てだ、と学びました。

これって、Webの世界も一緒だなぁと常々思っています。また、私が2年半前にこの業界の入り口の門を叩いた時から今まで潰れずにやってこれたのは、Twitterで仲良くなって、お世話になっている多くのWeb制作に携わる先輩方のおかげだと思っています。名前を挙げきれないくらい多くの人が私を支えてくれています。右も左もわからないまま、フリーランスとしてやっていくしかなかった私に、みなさん根気強く、そして優しく付き合ってくださいます。

だからこそ、自分のペースで、細く長く、これからも頑張って行こうと思っています。

デザイナーとしての自分、母としての自分、西田あやのという自分自身を大事にして、また前に進んでいこうと思います。これからもどうぞよろしくおねがいいたします。

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