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言葉に触れると、言葉が生まれる~エレカシ編~

久しぶりに買った音楽雑誌『ROCKIN’ ON JAPAN』を読んで感じた思いをまとめたnote。

前回はスピッツについて書きました。

今回はエレファントカシマシのインタビューを読んで感じたことを書いていきます。

~エレファントカシマシ編~

今年はエレファントカシマシのデビュー35周年という記念すべき年です。初めてのアリーナツアーも開催中で、なんと本日は大阪城ホールでツアー最終日を迎えます。

3月の東京公演は私もお祝いに行かせていただきました。

今回のインタビューで貴重だったのが、宮本さん以外のメンバーが話しているパートが多いことでした。
何度かエレファントカシマシが載った音楽雑誌を読んだことがありますが、ほとんどが宮本さんの単独のインタビューか一人で話されているものばかり。

インタビューアーの編集長・山崎洋一郎さんによると、

エレカシのメンバー揃ってのインタビューと言えば「3人がとにかく喋らない」というのが35年間にわたる揺るぎない伝説としてあったのですが、今回のインタビューでは「3人のメンバーが頭を絞った挙げ句に四角四面の真っ直ぐな返答を言葉少なに話すそのさまを宮本が称える」という画期的な新スタイルがついに編み出されました。

『ROCKIN’ ON JAPAN』2023年5月号

こう書いてありました。

4人の空気感が伝わってきてとても良かったです。
その様子を一部抜粋します。

★画期的な新スタイル

石森「35周年なんですけど・・・・そういうことを、俺はですけど、あんまり意識できないですね」
宮本「だからかっこいいのよ。すごくない?」

冨永「俺も確かに、35周年なんだけど、35年やってきた感じは、特別意識してないし」
宮本「すっごいよな~、ほんとすげぇと思うよ」

高緑「ほんとに・・・・曲を、どう自分が表現できるかっていうのだけ考えてたっていうか」
宮本「考えてるのに、誰も表現できてない」
一同「(笑)」
宮本「いや、それがかっこいいのよ、ほんとに。表現できちゃったら、とっくに終わってますよ。(略)」

『ROCKIN’ ON JAPAN』2023年5月号

このインタビューの映像をぜひ見てみたかったです。
文字を見るだけでも想像できる気もしますが。

最後の”誰も表現できてない、でもそれがかっこいい。”
これもエレファントカシマシらしさだと思います。

曲が表現できているかいないかなんて、正直私たちファンには分からないレベルのことです。
でも、表現できていないと思っているからこそ、35年経ったとしても同じ曲を何度も何度も練習して努力している姿を魅力に思うのです。

エレカシのコンサートの演奏中にはピリッとした緊張感が常に漂っています。
みんなが宮本さんの動向を見ていて、出される指示に瞬時に合わせる。
メンバーだけでなく、ステージ上にいるチーム全員がやっているので、すごいんですよね。


★言い得て妙な”氷解”という言葉

宮本「覚えてる?4枚目(アルバム『生活』)の時に話してた、ボタンの掛け違い。その掛け違いが、氷解した。お客さんと打ち解けた。」

『ROCKIN’ ON JAPAN』2023年5月号

私のエレファントカシマシのファン歴は35年の歴史の中の約10年です。以前から知ってはいましたが、宮本さんが耳のご病気による活動休止から復帰された頃に本格的に好きになりました。

そんなやつが昔のことを語るなどおこがましいですが、昔のインタビューや映像を見たときに感じていた違和感、それがボタンの掛け違いのようなものだったのだな、と。

昔の宮本さんがお客さんにライブで手拍子を禁止したり悪態をついたりされていたのがその例のひとつでしょう。

その印象が強すぎてファンになった当初は時々「こんなことして宮本さん怒らないかな?」と不安になることもありましたが、直近のコンサートでは自ら観客と共に手を振ったり手拍子されたりする姿を見てなんだか安心していました。

そのボタンの掛け違いが正しくなっていく様は”氷解”という表現がぴったり。さすが宮本さんです。

たしかに35周年コンサートのとき、長い冬のあいだ覆っていた雪が解けて春がやってきたような、今までとは少し違うあたたかい空気が会場にあったんです。正体はそれだったのだな、とインタビューを読んで納得しました。


★未だ、はじまりにすぎない

宮本「俺たちの場合は、35年の時間をかけてようやくスタートラインに立てた。その壮大なドラマを知ったファンにとっては、たまらない魅力を放っていると思う。」

『ROCKIN’ ON JAPAN』2023年5月号

何も知らない人からしたら「35年でまだスタートラインなの!?」と思うかもしれません。
でも、先ほど書いた通り、長い冬が氷解して春がやってきたエレファントカシマシは未だはじまったばかりなのでしょう。

「今宵の月のように」のヒットや「俺たちの明日」での再ブレイクはただの序章にすぎなかったのです。

宮本さんがおっしゃる通り、エレファントカシマシは壮大なドラマが大きな魅力のひとつ。
そのドラマの今までは壮大な序章で今から本編がはじまり、私たちはこれからそれを目の当たりにできると思うと武者震いしそうです。


おわりに

エレファントカシマシに関するnoteを書くたび、文章が熱い内容になっていることに読み返してから気づきます。

前回書いたものもそうでした。

現地はもちろんですが、ネットやSNSでコンサートに行った方の感想を見ると、みんな熱いんですよね。

このインタビューのなかで、宮本さんは「エレファントカシマシは感情移入できる存在なんだ」とおっしゃっていました。「ドラマティックで、自分の姿を重ねられる、生身の、ライブな存在」だと。

まさにその通りで、私たちファンは、自分の中にある熱い思いをエレファントカシマシに重ねているからこそ、それを表現するためには同じ熱量の言葉を使う、もしくは語彙力が欠如してしまうのでしょう。

この文章も読み苦しいところがあったら申し訳ありません。

さて、最初に書いた通り本日は35周年ツアーの最終日です。

インタビュアーの方が、今回のツアーではエレファントカシマシが新しく生まれ変わっていたとありました。それを宮本さんは「ファンの人の熱意であるとか、またはそれを上回るバンドの思い、気合いだったりとか、そういうものが上手い具合に合わさって」いたと表現されていて、それを体験した身としてはまさにそんな空間だったと頷けます。

その最高潮の時間がもうすぐはじまります。

終わった後に、ファンの方々から届く熱い言葉を読むのが今から楽しみです。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。








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