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食べるひとり#3「NewDays」に潜むスゴいおにぎり

最近夢中になっている食べ物がある。その名も「スゴおに」である。これはJR東日本リテールネットが独自に展開している「NewDays」というコンビニで売られているおにぎりで、いつものおにぎりがパワーアップした、「スゴいボリューム、スゴい見た目、おに(鬼)うまい、コンビニの常識ではありえない、おにスゴい!おにぎり」を目指して開発された商品だ。



「スゴおに」との出会いは、東京駅の新幹線改札の中だった。
早朝の東京駅で空腹に耐えられない私は、これから向かう旅先で食べたいものがたくさん待っているにも関わらず、軽くなら食べても良いかなぁと思い、駅のコンビニNewDaysに入店した。お茶を手に取り店内をキョロキョロしていると、ある商品とバチっと目があった。それは「のり弁にぎりました」という「スゴおに」シリーズの中のおにぎりだった。
一体どんなものなのか、おにぎりを手に取りパッケージの中を確認すると、のり弁の主要なおかず数種類が米の中に挟まっているようだった。挟まっているというか、よく見るとおかずが米から飛び出てさえいたのである。これまで体験したことのないおにぎりを目の前に興奮してしまった私は、そのおにぎりをすぐさま購入して、新幹線の待合室にある椅子に座って食べることにした。
包を開け、米から飛び出している揚げものを狙ってパクりと食べると、断面に広がる様々なおかずがとても楽しい。ちくわの磯辺揚げ、唐揚げ、白身魚のフライ+タルタルソース、厚焼き卵、これらが握り拳くらいの大きさのおにぎりの中に詰まっているのである。
食べる度に米とおかずが良いバランスで口の中に入ってくるので、通常のおにぎりに不満があった「米だけ」の部分がほぼないことにも感激する。コンビニの具入りおにぎりは白飯の部分の塩味が弱いことが多く、具にたどり着くまでにちょっと損した気分になるし、たどり着いたとしても、具と米のバランスを考えながら食べなくてはならない。しかしこの「のり弁握りました」は、どこを食べても具×米のセットで口に入るため、米とおかずのバランスを考えずに自由気ままに食べることができるのだ。完璧すぎる、、、!まさにパッケージに協調されていた通り「スゴおに」であった。
これが私と「スゴおに」との出会いである。



「スゴおに」との出会いから数日後のある日、仕事に向かう途中で「のり弁にぎりました」を思い出した私はどうしても再びあのおにぎりが食べたくなり、降車駅にあるNewDaysに向かった。目的のおにぎりはすぐに見つかったのだけれど、その隣には、なんともまた魅力的なおにぎりが陳列されていた。
その名も「ベーコン煮卵おにぎり」で、こちらも「スゴおに」のシリーズのようだ。ベーコンエッグを米で食べるのが好きな私は、迷うことなくこのベーコン煮卵と、お目当てだったのり弁おにぎりの2種類を購入した。いつもは憂鬱な出勤前の時間なのだけれど、このおにぎりのおかげで昼が待ち遠しくなり、午前中はご機嫌で仕事をすることができた。

お待ちかねの昼の休憩時間、まずは「のり弁にぎりました」をいただき、片手で手軽に、そしてリズミカルにのり弁が食べられる感動を改めて実感した。まぁまぁお腹は膨れてきたのだけれど、本日のメインは「ベーコン煮卵おにぎり」である。どんな風に私を楽しませてくれるのかとワクワクしながら、開け口についたテープを引っ張り、ベーコンに巻かれたおにぎりの頭をむき出しにした。そして、顎関節症気味なので顎が外れない程度に大きな口を開けてかぶりついた。
「ん?」
良い予感がする。そして続けさまにパクリパクリとおにぎりを食べていく。
ベーコン、煮卵まではおおよその味がわかる。しかし、このおにぎりはそれだけではなかったのだ。米はペッパーライスで、コショウとニンニクが若干効いたバターライスのようなイメージだ。ペッパーライスというだけでも満足度が高いのだけれど、そこに巻かれた2枚のベーコンと合わさると、某ステーキ屋さんのペッパーライスを思い出させるごってりとした味となる。食べ進めると現れる煮卵は燻製風味で嗅覚が刺激されて旨みを増す。その煮卵の表面にはペッパーマヨネーズとチーズが塗られており、これがまた煮卵とペッパーライスの味をさらに引き立たせるとんでもない役割を果たしてくれる。
このバランスの良さはなんなのだ。おにぎりの頭からお尻までひたすら美味しいと思いながら食べていた。こんなに楽しく幸せになれるおにぎりを開発してくれたNew Daysの商品開発部の皆様には感謝しかない。ありがとうと心の中でお礼を言いながら、おにぎりの余韻に浸っていた。



ここまで「スゴおに」の素晴らしさを語ってきたが、おにぎりを語る上で対照的である塩むすびの美味しさも伝えずには終われない。
私はコンビニおにぎりの、おかずと組み合わさっていない米部分には日頃から不満を感じているのだが、塩むすびは別格だ。
炊き立てのご飯を軽く水で濡らした手のひらに適量の塩をつけて、熱くてヒーヒー言いながら握った塩と米だけの塩むすびは最高に贅沢な一品である。
塩むすびには他のおにぎりには変えられない美味しさがある。米の甘みとそこに合わさる塩味、シンプルだからこそ感じられる味がある。
どんなおにぎりが登場しても塩むすびは常に上位に居続けるのだ。つまり、具がたくさん入っていれば良いわけではなく、どちらにもそれぞれの良さがあるのだ。
おにぎりは昔も今も、本来の形も進化系も、そして未来もきっと、日常の中で私たちの胃袋と心を楽しませてくれる、とっておきの食べ物だと言えるだろう。



「スゴおに」の魅力にどっぷりとハマってしまった私は、すっかりNewDaysの常連客となっていくのであった。仕事にお弁当を持参できなかった朝はNew Days、ストレスに負けそうな朝はNewDays、ちょっと淋しい朝はNew Days……。
そういえば、全く触れてこなかったが「スゴおに」はカロリーもスゴいのだ。1個あたり平均500キロカロリー前後であり、通常のコンビニおにぎりの2倍以上なのである。
そんな高カロリーおにぎりを欲望のままに食べ続けた結果、「スゴおに」は私の身体をひと回り大きく、パワーアップさせてしまったのだ。
それに気づいたとき、私はこのおにぎりのキャッチコピーにあった「おにスゴイ!」の意味を、ようやく知ることになったのである。

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