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#2北新宿『伊勢屋食堂』で、疲れた身体に沁みるトマトの味(食べるふたり第3回)

シュニチさん

一気に冬が来たような寒さに震える東京です。
シュニチさんからのお返事を読み終えた翌日のお昼に『味のタテハラ』のコロッケを想像しながらランニングをしてきました。

食べるときの「ハフハフ」という4文字には、揚げたてコロッケの魅力がギュッと詰まっていますね。
この寒さの中で食べたら美味しいだろうな、そんなことを考えて走っていたところ、偶然にも揚げたてのお惣菜が買える「町のお肉屋さん」を発見したのです。
このお肉屋さんとの出会いは、冬のランニングの楽しみを倍増させてくれそうです。
日々の暮らしの中で小さな幸せを感じられると、心穏やかに過ごせる日が増えるように思います。素敵な味のご紹介ありがとうございました。

小さな幸せといえば、仕事帰りに食べた「トマトの酢漬け」を思い出したので、今日は北新宿にある淀橋市場内の『伊勢屋食堂』を紹介したいと思います。

こちらのお店は大久保駅の近くにある淀橋市場の敷地内にある食堂です。早朝から市場で働く皆さんのために営業時間が午前5時〜午後2時となっており、午前5時からしっかりとした定食が食べられる貴重なお店なのです。

初めて訪れたとき、市場の中に私たち一般の人も食べることができる定食屋さんがあることに驚きでした。
職場の同僚に連れてきてもらったのが来店するきっかけだったのですが、実のところこちらはかなり有名なお店だったので、そのことにも驚きました。みなさん良く知っていますね。

私は仕事で月に数回夜勤があるのですが、夜勤終わりの朝にガッツリ食べたいときは1人で伊勢屋食堂に向かいます。

私が行く時間は午前9時過ぎなのですが、この時間は市場で一仕事終えて食事をしている人や、遅めの朝ごはんを食べにきた近所の人、そして過去に『孤独のグルメ』という番組で紹介されたこともあり遠方からわざわざ食べにやってきた人など、いろんなタイプのお客さんがいて、それぞれの朝が垣間見えます。
テーブルごとに時間の流れ方が違うように感じられるため、朝から私が疲れた顔をして1人で食べにきても、違和感なく自然とお店の中に溶け込むことができ、居心地の良さを感じます。

店内に入り席に座るとまずはビールを注文します。夜にお酒を飲みに行くことはあまりないのですが、仕事終わりに朝からお店で飲むビールの美味しさは、こちらで覚えました。炭酸の刺激とビールの苦味が最高なのです。
小瓶1本だけ、食事と一緒にいただきます。
お通しにいただく糠漬けは6種類から選べますが、この日はゴーヤを選びました。体がとことん苦味を求めているのでしょう。

そして、ビールのお供、というかこのお店に来たら絶対に注文するのは「トマトの酢漬け」です。
一晩酢に漬け込んであるこちらのトマトは、優しい酢の酸味とトマトが持つ酸味がうまい具合に合わさって、疲れた身体に沁みるのです。そしてほどよいトマトの甘味に自然と顔がにやついてしまいます。

見てください、このツヤ

トマトの酢漬けを堪能していると、お次にやってくるのはメインの豚バラ焼き定食です。
定食にも糠漬けが付くので、今度は柿の糠漬けを選びました。

生姜がガツンと効いているこのお店の生姜焼きも美味しいのですが、私は豚バラ焼きの甘じょっぱいタレが好きなので、こちらを注文することが多いです。豚バラの脂とタレの相性は抜群です!
家庭的なお味噌汁もシンプルで美味しくて、単品じゃなくて定食を注文して良かったなとお味噌汁を飲んだ瞬間にいつも思います。定食を食べるとホッとするのは私だけではないでしょう。

私は食いしん坊の早食いなので、お店には30分もいないのですが、入れ替わり立ち替わりお客さんが入ってくる店内で聞こえる「いらっしゃいませ」だけでなく、「おつかれさま」や「いってらっしゃい」という店員さんの声を心地よいなぁと思いながら聞いています。お客さんごとにかける言葉を変えている接客に、いろんな朝があることを実感します。
誰かにとっての朝は1日のはじまりだけれども、誰かにとっては終わりでもある。
そんなそれぞれの朝を受け入れてくれる伊勢屋食堂は、まさにみんなの食堂です。

私は終わりの朝にしか食べに来たことがないのですが、そのうち1日の始まりの朝にも食べに行ってみたいなと思っています。
「いってらっしゃい」と見送ってもらい、仕事に向かう。なんだか良い1日が過ごせそうな気がしませんか?
朝を大切に過ごすことで、その後の時間も充実したものに繋がっていくような気がします。
手軽な朝ごはんではなく、しっかりとした、そしてちょっと贅沢な朝ごはんが食べられるお店が増えると、早起きを楽しめて1日をより長く楽しく過ごすことができるんじゃないかなと思ったりしています。
そして、1人きりの外食は、人が群れていない朝が自由で心地よかったりもするのです。この感覚は私の年齢(40半ば)だから感じられることなのかもしれないですが、オススメなのでシュニチさんにも味わってみて欲しいですね。

もしもシュニチさんの住む京都で、朝を美味しく過ごせるお店を見つけたときには、ぜひ教えてくださいね。

それではまた。

アヤモ


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