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【つれづれ】インバウンドを意識するホスピタリティーは日本人にはない

先日、百貨店で買い物をしていた。
今日本の百貨店は見渡せば外国からの観光客で
それはそれは賑わっている。

大きな紙袋をいっぱい抱えて、タブレットで商品を見ながら。
きっと自国に帰国してから売るバイヤーなのだろう。

中国語、英語、タイ語など様々な言葉が飛び交っており
「ここは日本なのかしら」なんて思うこともあるほどで。

私も欲しかったものを手に取り、中国の人が何やら紙袋を分けてくれと
訴えているカウンターに並んでいると
そこにいた店員の若い女性二人が
「あーまた中国人だからね。笑」
「何言ってるか、わかんないんだけど。
日本語で翻訳して言ってほしいよね。
タブレット何のために持ってるんだかねー」

私は唖然としてしまった。本人に丸聞こえである。
もし日本語が分かる人ならどうするんだろう・・・
とても残念な気持ちだったし、人間としても最低だなと思った。

思わず、カウンターにいる人に
「袋を分けて欲しいと言っています。重いから。」と
ついつい、いつものお節介で申し出てしまったんだけど。

日本だから、とか日本人だからみたいな言葉は
私はあまり好きではない。
国で分ける国民性の前に「人間である」ということを忘れているのでは?と思うような場面でよく使われる言葉だから。

確かに海外からの観光客に「非常識なことばかりだ」と
怒る人は多いけど、海外に出てみれば日本人の非常識なシーンだって
山ほどあるはずだ。

小学生のときにアメリカへ旅行したときに
子どもを押しのけてミッキーと写真を撮るのは中国人と日本人だけだった。
幼いながらも、とてもショックを受けた。


私は海外に行くたびにたくさんの現地の人に助けられる。
地図を広げていれば「どこかへ行きたいの?分かる?」とか
レストランでも「わからないメニューはないか?」とか。
電車では「乗り換えは3つ目のステーションよ!!」と念を押されたり。

ショッピングでも、レストランでも、ホテルでも。


日本は「おもてなしがすごい」というのは
はっきり言って幻想。

言葉もまったく通じなければ
乗り換えや注意事項は英語の表記すらないところも多数ある。

お客さんに対してわからないと思って暴言を吐いたり
失礼な態度を取る日本人店員は山ほどいるし

失礼な態度を取る外国人に対して
「本当に迷惑だから来ないで欲しい!」は解決策ではない。


どうしたらその行為が日本ではNGなのだと伝えられるのか。
まずはそこではないか。

ひどいマナーの多い客が多いから
私もひどい態度で返します、というのは
全くもってお門違い。

インバウンド、インバウンドと言うけど
そんなものやっても期待を煽るだけなんじゃないか。

最初の話に戻るけど、ホスピタリティーの基本は
「相手の立場になって考え、行動すること」だと
私は認識をしている。

もし自分が英語や中国語を話せないことで
うまくいかないのなら、勉強をすればいいだけのことなのだ。

すっごく簡単な単語だけでもいい。
外国で「アリガトウゴザイマス」と言われた嬉しさを
思い出して欲しい。

「ありがとうございました」を「謝謝」というだけで
とっても喜ぶと思う。
「Thank you!Have a great day!」と言われたら
またそのお店に戻ってこようと思うかもしれない。

よくわからないのだが
日本人は語学に対する考え方が硬い。
「完璧に話せないこと」への抵抗がまだまだある。
日本語だって完璧な言葉を話している人は
世の中多くないんだから、そんな心配は不要だし
語学はまずは「心で話す」である。


日本のホスピタリティーはまだまだ勉強不足だ。
私もふくめ、もっともっと「海外に対する視点」を広げ
愛される日本を作って行く必要があると思う。

そもそもその百貨店の店員さんたちは
相手が人間であることを思い出して欲しいし
あなたたちの給料はそこから出てることも
思い出しなさいよ、と思いますけどね。

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