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文化人類学とアジャイルの親和性

あやなるです、こんばんわ。
あやなるのアドカレ 17日目&  DevLoveアドカレ 20日目の記事です。

DevLOVEさんのイベントに今年は全く顔を出せなかったのですが、小田中さんにはあじゃてくで大変お世話になっていたり、市谷さんを中心にずっと続けてこられている様々な活動に尊敬の気持ちもあり、今回アドベントカレンダーに参加させていただくことにしました。

小田中さんとあじゃてくの思い出は、こちらで語っております。

ふりかえってみると、前回私がDevLOVE参加させてもらったのは2020年10月のビブリオバトルでした…。

今年かな?って勘違いしていたのですが、もう1年以上前でした…汗

実はこのとき初めてビブリオバトルというものに参加したのですが、自分のお気に入りの本を紹介し、「ポチッた」とみなさんから言われると、めちゃくちゃ嬉しいものなんだと知りました。

DevLOVEビブリオバトルで紹介「はみだしの人類学」

私は今文化人類学を勉強中なのですが、アジャイルとの親和性がとても高いなと思っております。
現場を知る「フィールドワーク」という文脈ですでに「文化人類学」という言葉をご存じの方もチラホラお見かけしますが、アジャイル好きの方々にもっともっと文化人類学のことを知っていただくきっかけになればいいなぁと思い、DevLOVEビブリオバトルでは、薄くて読みやすいこちらの本を紹介させていただきました。

文化人類学とは?

「とは?」と言葉を定義するのは難しいですが、ここでは私の捉え方を超簡単に共有すると、文化の違いや社会の在り方、生活の違いなどを比較していく学問で、そこから自分とは異なる人間の受け止め方や自分自身を見つめ直す方法、他者とのコミュニケーションに大切な心構えを学ぶことができる学問だと解釈しています。

アジャイルとの親和性

私は最近この文化人類学にどっぷりハマっているのですが、コミュニケーションを大事にし、アジャイルな働き方をされている人たちに、ぴったりはまる学問だと思っております。

みなさんが日々お仕事でも大切にされているコミュニケーション:チームビルディング、マネジメント、他部署との調整、組織変革など、そういったことに必要な根本的な考え方が、ビジネス本とか自己啓発本を読むよりも、文化人類学の本を読むと断然学べると私は思います。

今年のAgile Japanに参加してくださった方は、「The Heart of Agile」との繋がりも感じてもらえたら嬉しいです。

はみだしの人類学とは?

異なる文化を持つ人に出会ったとき、私たちは違いにばかり目が行って、「この人とはここが違う」って境界線をつけてしまいがちです。でもこの本では、文化と文化の間にあるその境界線をつきやぶっていこうよ!はみだしていこうよ!と伝えてくれます。

私は普段たくさんの外国人と働いていますが、私も含めて多くの人が、日本人の仕事の仕方やコミュニケーションの取り方は、アメリカ人とはどう違うのか?インド人や中国人はどう違うのか?と、違いを明確にし、他文化を理解するようにしています。それが悪いことというわけではなく、そればっかりやってるのはどうなの?とこの本では問いかけられ、背筋が凍りました。

私はいつも、国の違いだけじゃなく個人の違い、個性、もそれぞれあるので、1人1人を見ることが大切だと思っています。

でもこの本では、そもそも違いにだけ注目することに対して、疑問を投げかけられました。人は違う部分ばかり切り取って、比較して、線を引いて、区別することで異文化を理解しようとすることが多いけど、本当は同じ部分だってたくさんあるはずなのです。
多くの日本人が大切にしていると自負しているように、アメリカ人は仕事への責任感が強いですし、インド人は目上の方への礼儀を重んじます。

違う部分だけに注目する方法で異文化を理解しようとするのではなく、境界線をはみだすことで、同じ部分が見えてくる。『はみだしの人類学』は、そんな風に新しい視点をくれる一冊でした。

違う組織という異文化

文化の違いは、決して国の違いだけではないはずです。

スタートアップと大企業、ウェブ系企業と製造業、開発部と営業部、自分のチームとあの人のチーム…
私たちはいつも、私たちとあっちの人たちは文化が違う、って境界線を結構つけてしまっていませんか?その線、一歩はみだしてみたら、もっとコミュニケーションがとりやすくなるかもしれません。

これが、文化人類学の思考法の第一歩です。
文化人類学の思考法を身に着ければ、自分と異なる人たちとの付き合い方がわかってきたり、自分の価値観やモノの見方の幅を広げたりできるだろうなぁと、私は信じています。

リンク集

ここまで紹介してきたこの本は、とても薄くてすごく読みやすいのでオススメです。価格もお手頃。でも、書かれている内容はとても深くて、入門にはぴったりの一冊です。

もう少し詳しい方がいい人には、この辺の入門書がオススメです。

読んだ方は、是非一緒に語りましょう。

文化人類学については、自分のPodcastでもちょこちょこ触れているので、気になる方は聞いていただけたら嬉しいです。


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