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オリエンタルランドとサンリオの戦略の違いは?!

こんにちは!アヤナです〜〜

前回のマックとモスの記事も多くの人に読んでいただきありがとうございます!!

早くも第6弾です!今回は世界中の人に夢と希望と安らぎを与えてくれる『オリエンタルランド』『サンリオ』を取り上げたいと思います!

というのも私がつい最近ディズニーランドに行ってきたからです!!

どうですか?夜の美女と野獣のお城です!
新しい美女と野獣のアトラクションもファンタジーランドも世界観が作り込まれていて凄かったですよ!750億の投資がみっちり効いていました(笑)

サンリオのピューロランドには行ったことがないんですが、、m(_ _)m
小さい頃キティちゃんやシナモンロールのグッズは買ってもらってましたな!

さてさて、

『サンリオとオリエンタルランドってどんなビジネスをやってどう稼いでるの?』と聞かれたら皆さん、なんとなく同じような事業やビジネスモデルを思い浮かべると思います!

しかし、両者は主力としている事業や経営戦略的な部分は大きく違うのです!

この違いがPL=損益計算書の数字の違いにも表れていて興味深かったので、今回はその点を中心に解説していきます!!

今回、ここで取り上げる数字は2020.3月までの決算数字になります!(両者ともコロナで計画が大幅に崩れているようなので、、)

目次はこちら!

1オリエンタルランドとサンリオの近年の経営状況は?

両者の簡単な会社概要と近年の業績をみてみましょう!

・オリエンタルランド
1960年に設立されました。経営理念は『自由でみずみずしい発想を原動力に、素晴らしい夢と感動・一時の喜びと安らぎを提供する』。
オリエンタルランドといえば東京ディズニーランドとシーですよね!
ランドは1983年にシーは2001年にオープンしています。実は、世界にあるディズニーパーク6箇所のうち、東京ディズニーリゾートだけがアメリカのウォルトディズニー本社とは独立関係にあります。資本関係はなくライセンス契約をしているだけです!

少しずつ売上が伸びているのがわかるでしょうか。しかし、ランド&シーやディズニーリゾートの●●周年で来場者や売り上げが伸びて、その翌年に落ちるようです。2019年3月期は2018年がリゾート35周年だったのもあり、ここ数年で1番高いですね!2020年3月期は売上約4644億です!営業利益の20%前後の数字を保っていて、経営的に悪い状態ではないかなと思います。

もう一つコーポレートサイトで強調されていた数字がありました。
設備投資額と減価償却費です。

オリエンタルランドの資料には、設備投資額や減価償却費の数字や今後、どんなアトラクションやホテル、パーク拡張の投資をしていくのかが詳細に書かれています。
上のグラフを見ると、2014年ぐらいから設備投資額が伸びているのがわかります。これは2020年にオープンしたシーのソアリンやランドのファンタジーランドの建設、2023年オープン予定のシーのファンタジースプリングスやトイストーリーをテーマにした公式ホテルに向けてであると思われます!
オリエンタルランドは毎年500億は投資していくようです。ちなみにファンタジーランドは750億、ファンタジースプリングスには2500億投資しているようです、、!

(グラフはオリエンタルランド コーポレートサイトより)

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・サンリオ

オリエンタルランドと同じ1960年に生まれた会社です!
経営理念は『Small Gift Big Smile』で、ほんの小さな贈り物が大きな友情を育てる想いが込められているようです。
なんと、サンリオから生まれたキャラクターは250以上あるんです!。ホームページから数えようと思いましたが、思いの外多すぎて大体の数字で。エースはもちろんハローキティ、彼女は1974年に誕生しました。ランドよりも歴史があるんですよね。
テーマパークは、1990年にサンリオピューロランドがオープンして翌年にハーモニーランドもオープンしています。

近年の売上高と営業利益です。

明らかに売上高も営業利益も下がっているのがわかります、、。2015年ごろから減益減収が続いています。2014年は売上高が770億の営業利益210億でした!営業利益が30%近いのはすごいことですよ。しかし、最新の通期決算(2020.3月期)では売上は552億で営業利益は21億まで下がっています。営業利益率は3.8%です、、これは完全に事業で稼ぐ力を失っているということです。。泣

両者は2020年3月までの通期決算が最新情報になっています。コロナで経済がストップしてからはその影響が事業に大きく与えていて、2021年3月期の決算はかなり厳しいものになるだろうと予想されます。。ディズニーはこれまでのストックがかなりあるのと新たに資金を調達したようです。しかし、コロナ前までも経営不振だったサンリオは尚更きつい状況だと思うので心配です。

(グラフはサンリオ コーポレートサイトより)

2. オリエンタルランドとサンリオの直近の損益計算書を覗いてみよう!

さて、直近の通期決算書(2019.4~2020.3)から損益計算書を覗いてみます。

規模がオリエンタルランドの方が圧倒的に大きいですね。
今回注目するべきなのは、赤字になっている売上原価(率)と販管費(率)と営業利益(率)の3つです!

ご覧になる通り、売上原価(率)と販管費(率)に大きな差があります。

売上原価(率)はオリエンタルランドサンリオです。
販管費(率)はオリエンタルランドサンリオですね。

割合にかなり大きな違いがあります。この差が営業利益率の違いも生んでるようです。

この数字の差はどうして起きるのでしょうか?

①売上原価率がオリエンタルランドの方が圧倒的に大きいのはなぜか?②販管費率がサンリオの方が圧倒的に大きのはなぜか?

それは両者が取り組んでいる事業や力の入れどころが違うからです!

3. 損益計算書の数字の違いはどこからくる?

それぞれの会社の事業と経営戦略を取り上げていきますね!

・オリエンタルランド

事業は主に3つです!

①テーマパーク事業・・ランドとシー
(株式会社オリエンタルランドに加えテーマパークの事業展開に関連したグループ内の6つの子会社を含む)
:重要:このテーマパーク事業が全体の8割の売り上げを作っています!

今では年間、両パーク合わせて3000万人を超える来園者。
来園者は女性が7割で、18~39歳が5割。6割が関東圏からのゲスト。
パークの体験価値向上に伴い、チケットの値上げも行っていますね。

②ホテル事業・・格上4つの公式ホテルと子会社のホテル3つ③その他・・商業施設のイクスピアリとリゾートライン

ここで2つ注意点!

一つ目。(米)ウォルトディズニーとは資本関係はなくライセンス料を払っていると冒頭で述べました。

上の図のような関係です。オリエンタルランドはライセンス料を払うことで、ミッキーやミニーを始めとするディズニーキャラクラーやディズニーリゾートの世界観やブランドを使用することができます!

ちなみにダッフィーやシェリーメイといったキャラは東京ディズニーリゾートのオリジナルキャラクター。他のパークに逆輸入されているようです。

2つ目!(米)ウォルトディズニーの日本法人があります。

『ウォルト・ディズニー・ジャパン』です。
・・・日本でのディズニー映画の配給やソフト販売、ディズニーグッズ販売などのマーチャンダイジングを担当しています。また日本のディズニーストアの運営や、ホテル会員権の「ディズニー・バケーション・クラブ」の販売・顧客サービス、衛星放送のディズニー・チャンネルの運営なども、ディズニー・ジャパンが担当しているようです。LINEと手を組んで「ディズニー・ツムツム」を開発しているのもこの法人。

そして、東京ディズニーリゾートで販売されているキャラクターの著作権や版権ビジネスはウォルト・ディズニー・ジャパンが担当。ライセンス事業はオリエンタルランドはやってないということです!

注意点2つ述べました。

オリエンタルランドは、テーマパークに積極的に投資し、ゲストの体験価値を上げ続ける戦略です。投資すればするほど、設備費も管理費も膨大になっていきます。しかし、それに合わせてゲストの来園数も伸ばし、しっかりチケットも値上げして売上を伸ばしていくことに注力しています。

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・サンリオ

事業は主に6つです。

①リテールビジネス・・・サンリオショップ店舗事業
②エンターテイメントビジネス・・テーマパーク事業
サンリオピューロランドとハーモニーランド
2019年〜はピューロランドは132万人、ハーモニーランドは43万人来園。ディズニーとは比べられない、、。
③インターネットビジネス・・サンリオオンラインショップ
🌟④ライセンスビジネス・・サンリオのキャラクターのライセンス事業。国内外の企業とコラボ商品などを生み出す。⑤ソリューションビジネス・・サンリオのキャラクターを使って、企業の問題を解決
⑥コンシューマービジネス・・グッズ製作・販売事業


の主に6つに分かれます。

サンリオの事業で中核や軸になっているのは、④ライセンス事業なんです!
とにかくハローキティが昔から大活躍!
ここがオリエンタルランドとは違うポイントですよ!オリエンタルランドは逆にライセンスを払う側です!!

ライセンス事業は一時期はすべての売り上げの半分以上を担っていました。特に海外のライセンス事業が成功。(しかし今はこの基盤が今弱まっているんですが、、。)

ライセンス事業についてもう少し。つまりどんな事業かというと、、

・キャラクターを使った商品開発を許諾
ハローキティを始め、マイメロディ、キキ&ララなど多数のサンリオキャラクターを擁し、幅広いエイジターゲットをカバー。衣類、玩具、家電、文具、生活雑貨、服飾雑貨、食品、デジタルコンテンツ等を扱う様々な企業様に、キャラクターを使用した商品化を許諾。
・企業、団体の商品やサービスの広告宣伝・セールスプロモーション
→キティちゃんは大阪万博の誘致も担当。SDGsの広報も担当。
・ショー&イベントパッケージ キャラクターを使った施設作り。

このように大抵キティちゃんがライセンス事業を担い、多くの有名なブランドとコラボしてきました。

今年でおそらく46歳になるハローキティ(以下キティちゃん)は日本で高校生を中心に大ブーム。2000年に入ってからは海外に一気に多くの人から愛されるキャラクターになります。レティーガガなどの著名人もキティちゃんのファンに。 欧州・北米で特に大人気。130以上の国に事業を展開し、年間5万点種類以上の商品開発が進み、売上の8割は国内外問わずキティちゃんが作ったものらしく、、、。

p.s 日本はキャラクタービジネスが得意ですよね。特に国内ではゆるキャラ・ご当地キャラが人気。あのくまモンは商品化された売上で年間で1500億稼ぐ強者ですw著作権は熊本県が買っていて許可があれば無料で使用できるとか。(笑)キティちゃんより最強でした、、、w

さてここで重要なのは、サンリオにおけるライセンス事業は利益率の高いビジネスだということです。原価を抑え売上・利益をつくることができます。

下の図に注目です。上がサンリオのライセンス事業。下が出版社のライセンス事業にしてます。

サンリオは自社でキャラクターを開発していますよね。なので、ライセンス料を払う立場ではないということです。オリエンタルランドは逆に払う立場ですし、下の図のように出版社が漫画のキャラのグッズをブランドとコラボして作りたいときも、原作者とコラボするブランドにライセンスを払うことになります。

サンリオのライセンス事業は原価を抑えて利益を得ることができる優柔なビジネスだとわかりました。キティちゃんという世界的に認知度の高いキャラクターのライセンス事業売上をがっつり作るのがサンリオの戦略です。

下はサンリオの2014年3月期と2020年3月期の売上の内訳です。

好調だった2014年は海外のライセンスが約半分の売上を作っています。8割強はキティちゃんのライセンス事業だと考えられます。しかし、現在は海外のライセンス事業は大幅に売上を落としている状況です。

これはキティちゃんに依存してきた為、ディズニーのアナと雪の女王などストーリー性のある共感を得られるキャラが台頭しキティちゃんのブームは終わり人気も認知度も下がってしまったことが原因だと思います。250以上キャラクターはいるのに、他の方はどうしたんでしょうか(泣)

4. ズバリ!損益計算書の数字の違いの理由は!!


直近の損益計算書/PLに戻ります。

2つの疑問がありました。その回答はこちらです。

①売上原価率がディズニーの方が圧倒的に大きいのはなぜか?

サンリオの主力事業はライセンスで原価が低いビジネスです。
一方、オリエンタルランドはサンリオをはるかに超える巨大な施設を持ち、アトラクションを建設し、、、設備を管理し、、原価が高いのは一目瞭然、、!運営費と減価償却費が売上原価に入っています。

②販管費率がサンリオの方が圧倒的に大きのはなぜか?

端的に言えば、サンリオの事業は持っているキャラクターを使って広報を積極的に行わなければ売上を作れないビジネスです。

そもそもコラボする相手を探すにも広報が必要ですし、商品化した商品を広報することにも力を入れなければなりません。
テーマパークは歴史は長いですがディズニーと比べたら認知度も低いでしょうし、話題も薄いです。

一方ディズニーは広報に使うお金は少ない気がします。舞浜のあの土地があるだけで十分PRですし、ファンが多いからこそ新しいアトラクションやショー・フードの情報もどんどん流れ出ますよね。インスタのストーリーもディズニーに行った投稿が多く流れてきます。

結論:主力事業や経営戦略における稼ぐポイントが違うことで売上原価(率)と販管費(率)に大きな差が出る。

・オリエンタルランド:テーマパーク事業が主力。積極的に投資し、体験価値を向上させて売上を伸ばす。運営費・管理費が原価となりここが割合を大きく占める。しかし舞浜の膨大な土地とその認知度が広報となり販管費を抑えられる。
・サンリオ:自社で開発したキャラクターを強みとしたライセンス事業が主力。原価を抑えビジネスだが、広報に力を入れるため販管費がかさむ。

約6000字で長くなりましたが、、理解できましたでしょうか?!
わかりやすく面白く伝えられるように工夫してみました!何か感想があれば是非ください!

終わり!

<参考資料>