正欲
U-NEXT有料配信。
朝井リョウ原作。
主要人物はは新垣結衣、磯村雄斗、稲垣吾郎。
新垣結衣と磯村雄斗は「水」に性的興奮を覚える嗜好を持つ。もちろん誰にもカムアウトできない。
稲垣吾郎は検事。不登校の子をもち、その子を理解しきれず妻との関係が疎遠になっていく。
ガッキーと磯村さんの性的嗜好に関しては正直
「そういう人たちもいるんだろうな」という感想だ。それ以上でも以下でもない。
引っかかったのは稲垣一家。
確かに稲垣さんは人の気持ちを顧みないサイコパス的言動もあったが、自転車に跳ね飛ばされたガッキーに手を差し伸べ、跳ね飛ばした高校生に怒号を送るなど「正義に溢れる人」だ。決して悪人ではない。
気になった人物①稲垣家の子供
「学校に行かなくたって学べることはたくさんあるよ」とメッセージを送るYouTuberの女の子に感化され、「僕もこんな生き方をしたい」と父親(稲垣氏)に訴える。いじめを受けている描写はない。個人的に、YouTuberになって注目を浴びたいだけのように見えた。
逃げ癖と自己顕示欲の強さの共存。これは確かに生き辛そうな性格だ。
気になった人物②稲垣家の妻
検事である稲垣氏の妻であり専業主婦。①の子供の訴えを全面支持し、フリースクールのスタッフである若い男性(右近)の協力を得て子供のYouTuber計画を進めていく。
気になった点
・右近を家に連れ込んでいる
YouTubeの動画を撮るために昼間に頻繁に家に上がり込んでいるらしい。これは稲垣氏も言及していたが、フリースクールのスタッフが児童の家に頻繁に出入りすることは不適切だ。
・妻の心の支えが右近
理不尽な理由で子供のYouTubeアカウントがBANされた際、パニックになった母親は「右近さんに相談する!アカウント凍結を解除してもらう!」と深夜に右近に電話していた。
前澤じゃあるまいし右近にそんな力ねぇよ。
そして完全に右近が心の拠り所になってるじゃねーか。
・食事が基本的にレトルト
この人は専業主婦だ。そして稲垣氏は検事である。検事の平均年収は800〜1000万円程度と言われている。飯ぐらい作ってやれよ。
気になった発言「風船が臭くなる」
YouTubeチャンネルの登録者数が増えて舞い上がっている母親と子どもは「視聴者さんからのリクエストで風船割り競争するの!風船膨らませて!」と稲垣氏にねだる。すでに深夜で、稲垣氏は仕事から帰って妻が作ったレトルトカレー()を食べているところだ。
稲垣氏は「カレー食べてからにしてくれ」と真っ当な返答をするが、妻は不満げな顔、子に至っては
「え?風船がカレー臭くなるから嫌なんだけど」
と言い放った。
私は心が狭いのでつい「クソガキが…」と呟いてしまったが、あれぐらいの発言は普通なのだろうか。
検事という責任の重い仕事を深夜までやり仰せ、妻と子を養い(横浜市内の立派な一軒家だ)、その子供は不登校。でも「YouTubeの企画に使う風船をカレー臭い奴に膨らませてほしくない」
ふざけんなよ。
老害と言われようとサイコパスと言われようと、稲垣家の問題に関して私は完全に稲垣氏の味方であった。そもそも、不登校の子どもに安直にYouTuberになれと勧めるフリースクールのスタッフ(右近)もどうなんだろうか。あいつと妻、絶対不倫してるし。
本筋とは違うところで終始カッカしている映画だった。
そして暗いガッキーは美しい。映画の冒頭、回転寿司屋のカウンターでつまらなそうに頬杖をつくガッキーは本当に美しかった。獣になれない私たちのガッキーが好きな人は絶対に観るべき映画。
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