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当時の日記より74@2009 12/14

今日一日を乗り越えれば明日は入院。午前中の家事を全て終えて声をかけた。

「散歩行く?」

「だって車椅子返すんでしょ。行けないじゃないの」

イラッとする。アスペルガーの姫(母)と暮らして最も腹立たしいことは同じ話の繰り返しと驚くほどの理解力の無さだ。

毎回入院前日の18時に返却手続きを完了させる。要するに日中は問題なく車椅子を使用出来ることを毎回話している。今回もそうだよと昨夜伝えておいた。

忘れてしまった部分に勝手な解釈をつけるのが姫だ。『明日返すということはその日はもう車椅子に乗ってはいけないんだった』『朝のうちに返却しなきゃならないんだ』とか。

これは記憶障害によるものではありません。昔から姫はこういう人でした。分からないから教えて、忘れたから教えてと絶対に言えない人だった。だから適当に作ってしまう。そして揉める。

「ねぇ、昨夜も説明したよね!」

と怒りをにじませながらまた同じ説明をすると

「なによっ心配して聞いただけじゃないの。卯月には怖くて質問の一つも出来ない。昔からそういう子供だった。なんでそんなに怒りっぽいの?」

無視。応戦するほど苛立ちが募るだけ。

「散歩だけだよ。さすがにもう買い物はないよね。毎日スーパー行くの嫌だよ」

「そんなこともないわよ、今日は家計簿を買うんだから」

出た。講談社の家計簿じゃなくては許さないマイルール。家計簿として使ってるわけじゃないのに。一度決めたことは変えられない人。

夕方には荷造りが始まる。病院用バッグを姫の手元に置いておくと私の知らないうちにどんどん色んな物を詰め込んで大変な量になるので、近頃は退院当日に2階へ持っていき、洗濯物を洗って再び詰めて前夜に完璧な形で1階に下しておく。そして恒例の喧嘩が始まる。

「荷物は私が見ないとダメだから。詰め直して足りない物を入れるから。ここに広げてちょうだい」

「嫌。持っていくパジャマは毎回違うものに変えているし、下着の替えも足りてる。お願いだから余計な荷物を増やさないで。恥ずかしくないの?姫の荷物は常軌を逸してるよ」

巨大な旅行バッグのほかに手提げ袋が3つ。退院時には必ず1つ増えている。何故か。それは売店で買いまくるから、お金を使いたいのだ。旅先でお土産選んでるんじゃあるまいし、ホント止めて欲しい。言ってもきかないから言わないけど。

あなたの浪費の為に私が倹約する生活って間違ってるよね?



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