![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65232178/rectangle_large_type_2_08103c07ced4ac8685e06ccc50efd73f.jpeg?width=800)
当時の日記より80@2010 1/2
お正月でも特に何も変わらぬ日常。服薬していると生活ペースを変える訳にはいかない。
朝の家事を全て終えて、少しだけ2Fで休憩。でもすぐ昼食の支度の時間だ。下りてゆくと姫(母)はタイツと格闘していた。
「え?散歩に行くの?これからお昼ご飯作るんだけど」
考えを変えることが難しいアスペルガー。一度思ってしまったら変えられない。いつもこの時間には行かないよと説明しても、行きたいとなったら行きたい。昼食が遅くなると薬の時間もズレるし、夕食の時間も変わってくるよと説得を試みたが無理だ。
仕方なく今日の散歩は短めにするからねとそれだけは納得させて出かけた。
帰宅してほどなく、姫の携帯が鳴ったけれどすぐ切れる。しばらく画面を眺めていた姫が
「ねぇ、私が全然知らない人よ。0155だって」
「間違ったんでしょう。知り合いは全部登録してるから名前が表示されないってことは知らない人。相手も間違ったと気づいたからすぐ切ったんじゃない?放っておけばいいよ」
「ねぇ、誰かしら」
「知らない人だって」
「でも知ってる人かも」
「あぁーっもうしつこいな。だったらかければ!」
「いいわよ。だって知らない人だもん」
あなたはバカなのですか...。そんな無駄なやりとりの最中、日野の友人から電話があり姫は楽しく会話。それを終えるとはっとした表情で言う。
「わかった!さっき携帯にかかってきたのこのお友達!私の携帯教えてあるもん」
「登録してる人は名前が出るの。0155なんて北の方の市外局番だってば」
一つ気になると頭から離れないアスペルガーの特性が今日は強く出ている。納得出来ないのだ、どんなに理路整然と説明しても。
夕食を済ませてから、アドレス帳を取り出して眺めていた姫が
「分かった!さっきの携帯にかかってきた人。050って局番のお友達が多いのよ私。だからその中の誰かだと思う」
「あのさ、0155だから。それに050は市外局番じゃないから。もうかけなよ。お願いだからかけてみてよ。そして聞きなよ『あなた誰ですか?』って。私、頭おかしくなりそうだよ」
無視。
えぇーっ無視かよ!
正月くらい腹を立てずに会話してやろうと思った。でも毎日こんなやりとり。腹が立つのも当然だよね...。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?