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当時の日記より85@2010 1/13
私を怒らせる天才、姫(母)は退院しました。
私は姫が入院している間、自宅へ戻って病院通いをする。姫が退院したら実家に戻り、次の入院まで実家暮らし。つまり姫の入院中、実家は無人だ。だから退院してきた日はとにかく家の中が冷え切っている。とても冷えている。
毎回告げるのだ。室内が暖まるまでコートを脱がないでと。
姫の荷物が多すぎるので夫が車を出してくれて荷物の運搬を手伝ってくれるようになった。そのまますぐ自宅に帰るため、玄関先で大量の荷物を受け取っているうちに姫はさっさと室内に上がり、コートを脱いで文句を言うのだ。寒い!!と。
「部屋が暖まるまでコートを脱がないでって毎回言うでしょ」
姫の中には室内で上着を着ないというマイルールがあるのだろう。これはアスペルガー的行動。一度決めたことは変えられない。
そんなに毎回同じことに立腹するなら、ほっとけば?と思われるでしょう。では、ほったらかしたとする。そうすると今度は自らコートを脱いだクセに、室内が冷えていることに延々と文句を言い続ける。結局どっちを選んでも私に文句という結論は同じ。黙って受け止め続けては私が潰れてしまう。言わせっぱなしにしないのは自分を守るためでもある。
玄関先に荷物が山となっている状態でひとまず「寒い」を黙らせるためにお茶。すると今度は
「お漬物とかお茶請けがないわよ」
だからこの家は無人だったんだよ!お菓子一つでも添えなければ絶対飲まない。いや本当ムカつく。
一事が万事、杓子定規にしか物事を捉えられない。創意工夫がない上、要領の悪さにまた苛立つ。
指先があかぎれ状態となる副作用は焼くという拷問のような処置が施される。そして毎日その傷口石鹸で洗い、薬を塗布。退院したらそれを自分でやらなくてはならない。下を向くと頭痛が起こると言う姫がどのようにするのかと思っていた、まず張りついてしまってるガーゼを傷口から剥がす作業で大騒ぎ。見かねた私が
「洗面器にお湯いれてこようか。ふやかせば剥がしやすいんじゃない」
と提案すると驚愕の眼差し。ちょっと考えればいいのにと呆れつつ、お湯を用意。すると今度は小さな洗面器にいきなり両足をいれた。もうたまらず
「ちょっと!片足ずついれたら?!」
ホントだ!って顔に書いてある。私が痩せ続けてる原因はこういうとこだよな。
そして下を向くから頭が痛いと大騒ぎ。
「ベッドに腰かけてるから角度が大きくなるの。床に座ってやればいいのに」
またびっくりしてる。
何をやらせても最終的には私の仕事と負担が増えるだけ。だから私は子供の頃から頼むくらいなら自分でやったほうが早いと、何でもこなすようになった。本人に判断を任せれば間違いだらけ。だから私はいちいち口を挟む。どんなに文句を言われようとそのほうが効率がいいから。
「下を向いて頭が痛いなら、中断しながら時々頭を上げたらいいでしょ」
そうアドバイスしても、一度こうすると決めたらもう途中で変更出来ない。それを昔はこの人は我が強いんだ、聞く耳がついてないんだと思ってきたけど、今は分かる。途中で変更することは恐怖なんだ。
フォレストガンプみたいだな...。
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