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当時の日記より63@2009 11/1

実家の向かいは工務店。朝から見たことのない車が停まり、水道を勝手に使って洗車してる。工務店の休みを狙って水泥棒?と思いつつ、姫(母)に

「工務店の社長って兄弟いる?」

と質問すると

「いるわよ弟が。ここで働いてるじゃない」

泥棒じゃなくて弟か、見たことなかった。

「へぇ、知らなかった。ここで働いてたんだ」

いきなりキレた。

「誰がここで働いてるなんて言ったのよ!社長には弟がいるけど、ここで働いてないわよっ!」

今あなたが...。いや、もういいです。間違ってませんけど私が悪いんです、はいはい。

お昼直前、荷物が届いた。宅急便のお兄さんが困惑した表情で4箱抱えて立っていた。いや受け取る私も困惑だわ。

下が一番大きな発泡スチロール。そこから小さい箱が重なってゆく。それなのに姫は一番下が気になって仕方ない。こういう抑えがきかなくなってしまっている。

その発泡スチロールは兄から。次の箱は姪から。上二つは通販で購入したもの。兄の荷物は海産物がどさりと。また塩ウニ入ってるし!

もうすぐお昼だというのに姪から届いたお菓子が気になって食べ始める。

「お菓子はあと!お昼ご飯作ったんだから食べてよ!」

と一喝し、渋々食べ始めたはいいけれどいきなりすくっと立ち上がり、病人とは思えないスピードでベッドに移動。

「なんなの、どうしたの」

「めまいがしそうなの」

「ねぇ、何度も言うけどめまいの時は歩き回るなって師長にも先生にも怒られたよね。どうして何度言っても分かってくれないの?」

「じゃ、次はそうする」

殺意。本当に殺意。アスペルガーの考えを変えられない思考は、病気になったら大変なトラブルを起こす要因になるとつくづく実感する。これだけ何十回言い続けても身につく気配がない。

ベッドで横になりながらも、口は達者。

「ねぇ、塩ウニは全部私が食べるのよ。田舎で獲れたウニが一番美味しいんだから。よそのウニなんか食べられたもんじゃないわ」

ウニの嫌いな私にはどうでもいい話で、今までまじまじと手に取ることもなかったが、何となくラベルを見ると

塩ウニ チリ産。加工会社東京(有名商社の名)が記されていた。

田舎で売られているものは田舎で作られたものと今日まで信じて疑わなかったのだろう。

脱力。

私に心のゆとりがあれば笑い話にしてあげられるけど、そんな余裕は1mmもない日々。辛い、苦しい。



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