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いいインタビュー記事を書くためには、いい素材を集めてくること【第10期京都ライター塾 第4回受講レポート】

2024年の1月から3月の3か月間に渡って「書いて幸せになる」をゴールに、全6回の講義が行われる京都ライター塾

先日、第4回目となる講義が行われました。テーマは、「インタビューのやり方」。

今までは、このnoteで自分の想いや考えを自由に書いてきたわたし。自分の気持ちを書くことには慣れているけれど、誰かの想いや考えを聞いて、それを記事にするという経験は、あまりしてきませんでした。「インタビューとは何ぞや?」「どんなことを聞けばいいの?」と、そもそもの基礎知識すら乏しかったわたしが、今回の講義を聞いて「なるほど、そうすればいいのか!」と大まかな流れを理解し、心構えが出来るようにもなりました。

そんな第4回目の講義。たくさんメモを取った中から、わたしが大事だと思ったものを、レポートにまとめてみました。


馬鹿だと思われてもいいから聞こう

そもそもインタビューとは、取材のために人に会って話を聞くこと。そして取材とは、記事の材料となることを、人の話や物事の中から集めること。記事の材料である「素材」が、いいものであれば、おのずといい記事が書けるので、つまり、インタビューというのは人に話を聞いて「素材集め」をする作業です。

それならば、集めるべきはどんな素材なのか。講師の江角さんは、講義の中でこの5つのポイントを教えてくださいました。

・取材対象者に聞いた話
・5W1H
・具体的な数字
・現場で見たこと
・現場で自分が感じたこと

特に5W1Hの「いつ」「どこで」「だれが」「何を」「なぜ」「どのように」の部分は、ちゃんと聞いておかないと記事を書く時に困ります。さも当たり前かのように話が進んでしまっても、ここがきちんと把握出来ていないと正確な情報を読者に伝えることが出来ないため、「馬鹿だと思われてもいいから聞く」と江角さんはおっしゃっていました。
他にも、現場で自分が見たことや感じたことも、立派な素材。例えば、パン屋さんに取材に行った際に「お店に入ると焼き立てパンのいい匂いがした」ということも、大事な素材のひとつ。取材対象者に聞いたこと以外にも素材になることはあるので、自分が見たものや感じたことをメモに書いておくのも有効です。

質問リストを用意しよう

取材に行くまでに準備することはたくさんあります。まずは取材対象となる人やお店を決め、取材対象者に対しての企画書を作成し、取材依頼をする。そして、質問リストを作る。どんな原稿を書きたいかという目的を決めておかないと取材が出来ないため、質問リストを作るために取材対象者について調べる必要があります。基本情報を押さえておくのはもちろんですが、調べるだけで記事が書けそうなほどの情報が出てくることもあります。そういった情報を事前に集め、聞かなけれれば分からないことを取材で聞きに行きます

自分が分からないことは記事には書けない

実際に取材に行った際のテクニックとして、話の引き出し方の10のコツを講師の江角さんはお話してくださいました。その10のコツは、以下。

① 笑顔でいること
②相手を名前で呼ぶ
③相手の答えをさえぎらない
④相手が聞き取れるスピードでゆっくり話す
⑤オーバーなくらいに相づちを打つ
⑥質問を細かく分ける
⑦聞いた話の中から、次の質問を考える
⑧分からなかったことは、その場で聞き直す
⑨いいと思ったことは伝える、自分の感想を伝える
⑩相手のファンになること

わたしが特に大事だと思ったのは「分からなかったことは、その場で聞き直す」こと。自分が分からないことを記事に書くことなんて出来ません。取材対象者が例えば専門職の方だった場合、その方にとっては当たり前の知識であったとしても、一般の人は分からないことも多々あります。例えば、シェフにインタビューした際に「スカンピ」なる単語が出てきても、一般の人がそれが「手長エビ」のことを指していることは理解できません。「スカンピ=手長エビ」というのがシェフたちの中では当たり前に使われている単語だったとしても、自分が理解できないのであれば「スカンピとは何ですか?」と聞かなくてはなりません。
勉強不足だと思われたくなくて分かったふりをするのは厳禁」と江角さん。読者に正しい情報を届けるためには、自分が分からないと思ったことは恥を忍んで聞くことが大事です。

次の質問が出てこないときは沈黙してもいい

講義の中で「こんなときはどうする?」という、インタビュー中の困りごとの対処法についても話がありました。わたしが特に知りたかったのは、「次の質問が出てこないとき」にどうするのか。せっかく取材対象者のお時間をいただいているにも関わらず、次の質問が咄嗟に出てこないとき。その場に流れる沈黙が怖くて、「何か話さなければ!」と焦ってしまうことも。
でも、そんな時は「沈黙してもいい」と江角さん。沈黙すると相手が気を遣って話してもらえることもあり、結果的に自分が質問するよりもいい情報がもらえることも。沈黙することは悪いことではないので、焦らずにノートを見直したり、次の質問をゆっくり考えるのもひとつの方法です。

今回の講義を聞いて感じたのは、「インタビューも準備が大切なのだな」ということ。当たり前のことかもしれませんが、事前にどれだけ取材対象者のことを調べ、質問リストを作り、準備をしてきたかで、実際のインタビュー時にいかに心にゆとりを持って挑めるのかが変わって来るのではないのかと感じました。

わたしはかつて営業をしていたので、その際の準備やクライアントとのアポイントメントでも同じだなぁと思えることも多々あり、この情報を営業時代に知っていたら、もっと活かせることもあっただろうにな、とも思いました。「勉強不足だと思われたくなくて分かったふりをするのは厳禁」なんて、本当に本当に耳が痛い…(笑)

講義の中で「インタビュー力は普段の会話から磨くことができる」と江角さんがおっしゃっていたので、今回の講義のことを意識しつつ、普段の日常の中に今回学んだことも取り入れていけたらいいなと思いました。


「京都ライター塾」の過去の受講レポートはこちら↓


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