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経営不振の会社を辞めて良かった話



私は2020年6月末に当時勤めていた会社を辞めた。実際は5月を最終出社として6月は完全に有休消化。なのでちょうど働くことを辞めて1年が過ぎようとしてる。今日は私が会社を辞めた時の話をしようと思う。


昨年まで総合デザイン会社に勤めていた。広告業界ならではの激務ではあったがお給料は高く仕事もやりがいがあり、人間関係もすごく良かった。ただ激務さゆえ、何回も辞めよう辞めようと口にはしていた。それでも仕事は好きだった。

それでも私が退職することとなった大きな要因は会社の経営不振。お給料の遅延が発生し、何百人といた社員が一斉に辞めていき、お客さんとの取引を断られていく状況となった。会社の基幹システムは止まり、口座も差し押さえられる始末。笑えないくらい本当に凄かった。
会社は一度傾いたら一気に底まで落ちていくというのを新卒3年目にして目の当たりにした。会社がそんな時、同時に世界中でコロナ発生。マイナスにはマイナスが重なるというか、世の中が私たちの会社に合わせてきてるのかというぐらいのタイミングだった。


お給料が1回でも遅れたら早く辞めたほうがいいというのが一般論だと思うが、「会社は必ず立て直す、来月にはすべて解決するから待ってくれ」という社長の言葉と、現在進行中の自分の仕事を放棄することに罪悪感を感じてずるずる会社にいた。

その時の私は、次やることもやりたいことも決まっていなければ、転職したい会社もなかった。広告業界はやりがいはあるが、もう一度違う会社に入ってまでやりたくはなかった。
だから私は会社に身を任せ、良くなる未来を想像した。会社が倒産したその時は辞めようと。とりあえず自分で決めたくなかった。



辞めると決断したのはある晩だった。我に返ったというか、ある時ハッと気づいた。

自分の選択を会社に決めてもらおうとしてる時点で私はダメだなぁと。私の人生が会社の傾きによって左右され、コントロールされてしまっている。自分の人生の舵を切るのは"私"でなければならないのに、他人任せに生きてしまっている。自分主体で考えれてないなぁと。自分で決断することを避けてしまってるなぁと。

そう思った時、上司にメールした。退職届などの文化は会社になく、メールで辞める意思を伝え、後日話をしそのまま手続きを進めてくれた。退職日が決まると心がスッキリした。



会社を辞めるという決断は難しい。数年間で築き上げたポジションや環境を捨てて、また一から始めなくてはならないから。このまま会社にいたほうが幸せになれる未来があるのではないかということを想像してしまうと辞めることを躊躇してしまう。

しかし会社を辞めて思うことは、一度経営が傾いた会社がすぐに持ち直す可能性はかなり低いということ。会社の規模にもよると思うが私の勤めていた会社の負債はおそらく何十億と膨れ上がっていると推定される。
そうなった会社は私たちの生活まで保証してくれない。最後に自分を守れるのは自分だけだ。

また会社に自分の人生を委ねるのも間違っている。どうにかしてもらおうと言う考えは捨て、自分主体で考えるということがすごく大切だと感じた。会社の状況や環境が変わって今やっていること、これからやっていく業務が果たして自分のやりたいことなのか。その答えがNoであれば次にすることは見えてくる。


辞める前は崖から飛び降りるくらいの不安があったが、実際辞めてみると崖は案外低く、下にはクッションさえ用意されていた。少なくとも日本にいたらなんとかなる。

実際私はそこから半年間、人生の夏休みと題して働かない生活を送ることとなった。そのお話はまた今度。

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