見出し画像

明日も頑張ろうって思わせてくれる。働く女性が主役のドラマ

(1)校閲ガール

個人的に、石原さとみさんがいちばん可愛くて、いちばんハマっている役だなと思うドラマでもあり、働く女性が主役のドラマとしても大好きなドラマ「校閲ガール」

ファッション雑誌の「Lassy」が大好きで、編集者になることを夢に出版社にやっと入社できたのに配属されたのは校閲部。

校閲とは…
誤記はもちろん、表記の揺れ、事実関係の誤り、差別表現や不快表現などの不適切表現の有無まで、幅広くチェックし訂正していく仕事です。また、同じコンテンツ内で論理構成や内容に矛盾が起きていないかも確認します。

https://www.tosho.co.jp/2250/

自分がやりたかった仕事ではないのに、いつか絶対に夢を叶えると自分を信じて、目の前の校閲の仕事に一生懸命に向き合い、前向きに楽しむ。そんな誠実でポジティブな性格が石原さとみさんにぴったりである河野悦子に、最初は非常識であり得ないと思っていた他の校閲部や編集部の人たちが次第に魅了され、感化され、自分の仕事に改めて真剣に向き合うように…

そんな校閲ガールのいちばん好きなシーンが第9話。
悦子の後輩(本田翼さん)がLassy編集部で大きな仕事を任されているのを目の当たりにして、悦子は校閲の仕事に劣等感を感じるようになっていたとき、お互い好きだけど曖昧な関係が続いていた作家・幸人(菅田将暉さん)も自分が心から書きたいと思うことがやっと見つかり、それを悦子に伝えるシーン。

「公園の遊具や電車などが毎日、当たり前に安全に使えているのは、裏で一生懸命、メンテナンスをして支えてくれている人たちがいるから。だから、当たり前のことを当たり前だと思えるのは、それを影で守っている人たちがいるからなんだよね」

裏方である校閲の仕事も影の立役者として立派な仕事であることを伝えたこのシーンが、どんな仕事も、間接的だったとしても、誰かのためにあり、意味のない仕事なんてない。意義があるんだと思わせてくれる。

もしかしたら今、自分の仕事の意義を感じられていない人がたくさんいるかもしれない。であれば、意義を感じられている人がそうじゃない人に仕事を通して伝えていくことが大事なのではないか。会社にいる上司や先輩がやるべきことは、その人やその人が行っている仕事の存在意義を言語化して伝え続けていくことなのではないか…そんなことを感じることができた。


(2)わたし、定時で帰ります。

最愛、MIU404、アンナチュラルなど、昨今の人気ドラマを手がけている新井順子さんがプロデューサーで、吉高由里子さんが主演の「わたし、定時で帰ります。」も大好きなドラマ。

● あらすじ
主人公・東山結衣(吉高由里子)はWEB制作会社で働くディレクター。過去のトラウマから入社以来、残業ゼロ生活を貫いてきた。理由が無ければ帰りづらい風潮の中で、仕事中は誰よりも効率を追求し、生産性の高い仕事をし、定時になるときっぱり退社。行きつけの中華料理屋でビールを嗜み、恋人・諏訪巧(中丸雄一)との時間も大切にしている。だが新任の部長が赴任したことをきっかけに、結衣の前に曲者社員たちが立ちはだかる。ワーカホリックの結衣の元婚約者・種田晃太郎(向井理)、会社に住み着く非効率男・吾妻徹(柄本時生)、辞めたがりの新人男子・来栖泰斗(泉澤祐希)、仕事命の皆勤賞女・三谷佳菜子(シシド・カフカ)、双子を育てるワーキングマザー・賤ヶ岳八重(内田有紀)、そして悪気なくブラック発言を連発する部長・福永清次(ユースケ・サンタマリア)。彼ら曲者たちが抱える様々な問題に、結衣はどう立ち向かうのか──?

https://www.tbs.co.jp/watatei/story/ep1.html

仕事命の皆勤賞女・三谷は昭和世代の働き方、辞めたがりの新人男子・来栖は平成4年(?)以降くらいの世代の働き方、この2つの間の世代で(過去のトラウマがあるものの)生産性の高い仕事をして定時退社&プライベートも充実している主人公・結衣と、ひとつの部署に少なくとも3つの世代の代表的な働き方が表現されていて、第1話から興味深かった。まさに、このドラマが放送されていた時、私の部署もこの3つの世代で構成されていたから、これも今の社会の現状をドラマを通して伝えていらっしゃる、プロデューサー新井さんのメッセージかなと思いながら、わたしは、三谷さんにめっちゃ共感してました(笑)

このドラマを通して「自分が幸せになるために、自分らしく働く」というのはどんな働き方なのかを考えるきっかけをもらいました。
なんでそんなに辛いと思うまで、働くんだろう?という問いに対して、たくさんのヒントをもらえた気がします。

——『今私が帰ったら「やっぱり子持ちは」って言われるの。ここで帰ったら負けなの』と言った賤ヶ岳に対して、結衣が言ったセリフ
「先輩は何と戦ってるんですか?」

https://a-netlife.com/dorama-1522/#9

——『自分は役に立たない』と話す来栖に対して、結衣が言ったセリフ
「人ってどんな風に役に立つか分かんないもんなんだなって」
「来栖くんは人として面白い。それだって立派な役割だよ」

https://a-netlife.com/dorama-1522/#9

——陽介が母の介護のため実家に帰り、家族離れ離れになった時、賤ヶ岳が結衣に言ったセリフ
「今の仕事は好きだし、やりがいもある。でもさ、家族が大変な時にそこまでして働く必要ってあるのかなって。」
「私何のために働いてるんだろって考えちゃってね」

https://a-netlife.com/dorama-1522/#9

——三谷が結衣のお父さんに言ったセリフ
「仕事が終われば早く帰り、時には休む。その方が、自分のためにも、周りのためにもなるのではないか、と少しそう思えたのは、東山さんのおかげです。」

https://a-netlife.com/dorama-1522/#9

——種田のようになりたいと無理して働く来栖に対して、結衣が言ったセリフ
「来栖くんは来栖くんのままでいいんだよ」

https://a-netlife.com/dorama-1522/#9

——『なぜみんな定時に帰らず有給を取らないのか』と聞く社長に対して結衣が言ったセリフ
「現場の人達はみんな不安なんです。居場所がなくなるんじゃないかと怯えたり、認められたくて無理をしたり、孤独な時間を仕事で埋めようとしたり、変わっていく世の中についていけなかったり。誰にもその気持ちが言えなくて怖いんです。だから仕事に命をかけてしまう人もいるんじゃないでしょうか。でもそれは間違ってます。」

https://a-netlife.com/dorama-1522/#9

きっと何者かにならないと不安で、その不安な気持ちを埋めるために、仕事をたくさんしていて、この先の未来何が起きるか分からないから、そうなった時に自分で生きていく力が必要で、その力をつけるために仕事で何かを成し遂げなきゃ…だから頑張らなきゃ…。と思ってるんだろうな。でもそれで心が疲れてしまったら、休日に寝てばかりになってしまったら、それこそ生きている意味ってなんだろう。

そう思って、目の前の仕事に集中していると、いつの間にか自分が幸せになるために働くことをまた忘れてしまって、心が疲れ始める…。そんな時、このドラマをみて、ラスト第10話まで、結衣と晃太郎と一緒に「なんのために働くのか」に向き合うことで、改めて自分にとっての大切なことを見つけたり、考えるきっかけを作ってくれる。そんなドラマ。

ちなみに第10話で、晃太郎の気持ちを理解するために、みんなに隠れて一睡もせずに仕事をする結衣を演じた吉高さんの表情を見て、吉高さんのミステリアスな演技もいつかみたいというところから「最愛」がうまれているらしいです。

個人的には向井理さんの最もハマり役だと思ってるので、そういった意味でもおすすめです。

この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文

おすすめ名作ドラマ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?