チャリティミニ四駆大会・開催マニュアル
なぜミニ四駆なのか
ミニ四駆はモーターで四輪駆動のマシンを走らせる世界最小のモータースポーツです。
世界に誇る模型メーカータミヤが生み出したこのコンテンツは、これまで1980年代、90年代に2度のブームを経験しています。
それぞれ「ダッシュ四駆郎」「爆走兄弟レッツ&ゴー」とミニ四駆をテーマにしたコンテンツにも恵まれました。
作中のマシンを自分で作ることができ、しかもアニメ作品に負けないスピードで走るその姿に、心奪われる子どもは数知れず、私もそのひとりでした。
当時、熱狂した子どもたちが成長し、子育て世代となったことで再燃。子どもといっしょにやる人もいれば、大人の財力と時間をかけて素晴らしいマシンを手がける方も出てきて楽しみ方もより多様になってきています。
3度目のブームを迎えたいま、大人が楽しめるコンテンツになりました。
企業も注目!ミニ四駆でプロモーション
六本木で企業を集めた大会が開催されるほか、中小企業を中心には #公式ミニ四駆部 というハッシュタグが流行。リアルのレーシングマシンで企業プロモーションをするように自社のオリジナルマシンを作ってSNS上でプロモーションを行なっています。最近では書店を使った大会が開かれました。
ミニ四駆は企業も注目するコンテンツです。
チャリティ×ミニ四駆はどうなの?
社会貢献への意識の高まりの一方で、何から始めたらよいかわからないという方はたくさんいることは数字としてもわかっていることです。
しかし、NPO側がとっつきにくいというか、接点がないとつながりを持ちにくい側面が少なからずあって、なにができるかわからないって方もおなじようにたくさんいると思うんですね。
ミニ四駆が、社会貢献したい人とNPOとを取り持つハブにならないかと思っているんです。企業内にミニ四駆部がある時代ですから、NPOの活動を知ってもらう機会にはどんな形でだっていいです。
要するにゴルフとか麻雀とかそういうものに近いんです。ミニ四駆でつながるくらいラフの方がマッチするかもしれません。(思いつき)
単純な寄付者という意味では、現在の主要層とは異なりますが、ライトなつながりを作っていく観点では30~40代の層は適しているように思います。
支援をしてほしいということよりも、一緒にやっていける仲間集めですね。
1.必要なもの
実際に大会を開くために必要なものは以下のものです。
・コース
とにもかくにも必要なのがコースです。一般には2レーンと3レーンのものが売っていますが、大会用ならば3コースある方をオススメします。
スロープやバンク(坂)などオプションパーツもありますが、初心者の多い会ならば、無理にそういったものを用意しなくても十分楽しめます。
(スロープは立体交差が作れるので省スペース化が望める)
購入するのが一番と思いつつ、結構高価なもので場所もとるのでまずはレンタルから始めるのが良いと思います。
●タミヤ:サーキットレンタルサービス
●ホビースクエアにしな:サーキットレンタル
・ミニ四駆本体
当たり前なので割愛したいところですが、一応。
基本は各自の持ち込みですが、初心者の方が多い場合は、貸してあげるのもよいと思います。あとは慣れている人もその場で作ったりすることで費やした時間の差を埋められます。
マシンは多くの家電量販店で販売されているほか、amazonなどで購入も容易です。何を買うと良いかについては後述します。
・賞品
せっかくの大会なので、何か景品があると良いですね。
結構、ミニ四駆は○○限定みたいなものが多いのでそういうのが無難です。
面倒だったら新橋にあるタミヤのオフィシャルショップで限定ステッカーとかタミヤグッズを揃えると良いかなと。他にも横浜の方にもあります。
・会場
とても大事な要素です。
コース1つを普通につなぐと、横幅3メートル以上です。大会となると2箱から3箱分つなぐので、横幅で10メートルは覚悟しておかないと危険です。
また、ピットコーナーも必要です。持ってきたミニ四駆を調整する場所。
一般的な会議室の3人がけの机を1〜2人で使うイメージです。
参加人数に合わせて用意することをオススメします。
ちなみに新橋のオフィシャルショップにはミニ四駆コースがありまして、そこを貸切できることがわかりました。もし日程都合がつくならここを検討してもよいかもです。(知らなかった)
・電源アダプタ
ミニ四駆を走らせる人たちは充電池を使っていることもあります。電源があると喜ばれます。(なければないでもOK)
※オフィシャルの大会では用意されない+会場内充電NGのことも多い
2.当日までにやること
・イベントをたてる
とにもかくにも参加者を募る場所を用意しましょう。
身内レベルならFacebookとかで良い気がしますが、広くやるならPeatixなどで集める方が効率的な気がします。
タミヤのイベント情報に掲載することもできますよ!
・コースを設計する
結構大事なのがコースを作ることです。用意できたレーンを使って作るのですが、当日雰囲気でやると意外とうまくいきません(実体験)
タミヤ公式のサーキットエディタ(パワポ)を使うこともできますし、後述のツールでさらに正確に作ることも可能です。
・コース、ルールの告知
大会前にコース情報やルールを事前に伝えておくことも重要です。
レギュレーションなど厳密にやりたければなおのことですね。
コースはその性質によってマシンのカスタマイズが変わるので先にわかっていると調整をしやすくなります。(主に慣れている人向け配慮)
ルールは細かいことはありますが、まずは使えないパーツがあるかくらいは書いておいた方が初心者にも優しいかなと。
3.必要な人材・スキル
・ミニ四駆に造詣が深い人
やっぱり会場に1人はいてほしい、詳しい人。初心者に説明できる助っ人として必須です。持ち込まれたマシンが速くなって経験をしてもらうことができます。
熟年のレーサーが作り上げたマシンが「こんなに速いのか!」と驚いてもらうのも大事な要素。奥深さを知ってもらえます。
特に最近は姿勢制御とかマスダンパーで跳ねないようにするとか、初見では意味不明なので、気さくに声をかける/かけられるようなキャラクターの人がオススメ。
・イベント管理者
主催者が一緒に会場で走らせているとだいたい進行が雑になり、もろもろカオスになるので、すこし離れた位置から参加してくれる人がいるとありがたいです。もちろん一緒に走らせて、みんなで走らせるのも最高だぜ。
4.イベントコンテンツ
・自己紹介タイム
そもそもはNPOの活動やチャリティとしての開催なので、こういうところを忘れずに...
走らせる前に互いのことがわかると、誰に相談すると良いかもわかります。
・試走、準備時間
大会ですからコースを完走できるよう試走の時間を用意してあげると良心的。その日にマシンを組み立てる人もいるかもしれないので、結構長めにとっても良いと思います。個人的には1時間くらいあっても全然OK
・大会
人数が多ければトーナメント、少なければ総当たりの形式などが検討できます。トーナメントの場合は負けちゃった人にもチャンスを作ることを忘れずに。
仮に3コースつないででかいなーと思っても、せいぜい30秒/試合です。
時間配分はちょっと難しいところですが、あまったらフリータイムにすればOKですね。
・賞品授与式
事前に用意されていれば授与式を盛大に。
ほら、ゴルフとかでもやりますよね。みんなで褒め讃えましょう。
・フリータイム
大会が終わったらコースの研究をしたり、あまり成績の振るわなかったマシンをみんなで改良してみたりと時間の使い方は無限です。
チャリティの枠組みでやるのですから、ぜひ自分たちの活動の説明もしましょう。
5.ルールの設定
・基本ルールを最優先
基本的なルールはタミヤ公式のものに従うのが良いと思います。
厳密にやるとキリがないので、場を壊すようなことがない程度に守れれば良いのかなと。特に使用禁止のパーツなどは遵守をオススメ。
・みんなで楽しむルール設定
ミニ四駆は習熟度合で差が生まれやすいコンテンツなので、その格差を埋める働きかけが重要です。例えば「ノーマルモーター限定」とか「総額1,500円以内で構築」とか。
6.便利なツール
・コース設計ツール
前述のタミヤ公式が出しているツールの他にはイラレデータやサーキットサンプルがあります。
自分でオリジナルのものを作りたい!という方は「Mini4WD Track Editor」がオススメ。オンラインでできるのでアプリインストールなども不要で、シェアも簡単です。
・スタートシグナル
レースをするなら雰囲気をだすためにあると良いのがシグナル。
シグナルそのものを用意しようと思うと大変なので、アプリなどを使うのをオススメ。Youtubeにはスタートシグナルの動画もあります。
いつかオフィシャルのツールができることを期待しています...笑
・タイム計測
ある程度、速いマシンになるともはや感覚ではわからなくなってくるので、タイム計測も結構大事です。タミヤ公式のハードがあるもののなぜか生産が止まっていてプレミアがついています。非公式ですがアプリでもあるので、そちらもご参考までに。
7.その他tips
・初心者に選んでほしいマシン
当日に組みたいんだけどどれが良いかな!?と言われたらとりあえずMAシャーシのものを選ぶのをおすすめしています。もちろんどれでも良いのですけど、意外と従来型のものは作ったときに細かいところで失敗することが多いんですよね...
一見、複雑に見えるんですが、MAシャーシは構造はシンプルですし、久しぶりにミニ四駆やる人にも驚いてもらえて盛り上がります。
思考停止で選ぶならこれ⬇︎
速い、安い、ちょうど良いの三点セットです。
・用意しておくと良いパーツ
初心者がいるときに「これをつければ早くなるよ」と言えるのは、やはりファーストトライパーツです。これがあるだけでカスタマイズの幅がぐぐっと広がるし、安定性が段違いです。
あとは○○チューンモーターからはじめるのもオススメ。
1.ノーマルモーターで完走できて喜ぶ
2.モーターを変えて速さを実感、しかしコースアウト
3.ファーストトライパーツ装着で完走で感動
この流れが割と簡単に感じられます。
※いずれのパーツもシャーシごとに適合があるので注意です。
おわりに:ミニ四駆でつながりたい
割とまじめにこういう記事を書いていて思うのですが、遊びとはいえ、しっかり大会に昇華しようとすると結構大変な部分もあります。
しかし、こういったところで出会えた方は可能性を感じますし、私たちNPOが持たれている社会から認識のハードルを下げることにもつながると思うので、今後も積極的にやっていきたいと思います。
まずは新橋のコースを貸し切って「NPOカップ」を開催するところからだな...
なにかご関心をお持ちいただけましたらご支援お願いします。文章書いてよかった、誰かの支えになれたと励みになります。