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【詩】マリーゴールド

マリーゴールド


舞踏室と呼ばれた「羽衣の間」の
きらびやかな余韻を味わいながら主庭に出ると
鮮やかなオレンジ色の笑顔を湛えるマリ-ゴ-ルドが
噴水の手前で夕陽に向かい
秋を見送るように揺れていた

一日の短さは
華やかな歴史の舞台に一層の輝きを与える
艶やかな希望が
豪華なもてなしに彩られていく

昼間 高い空で豪快に笑っていた光を
人々は両手を広げて抱きしめていた
美しいことだけを蘇らせて 
なぞりながら

魂はきっと
何億光年も前に愛を囁いた
昔話のようなトーンで 
星の瞬きみたいに
そして囁き続けている
だから未来は
とめどなく放たれる愛で満ち溢れる 
今は過去の未来だから 
今もすでに
愛で繋がりみなぎっている

喜びと高揚に包まれて心に決めた憧れでも
目指す道筋が見えなかったら
諦めに追い込まれてしまうかもしれないから
マリーゴールドは地図の代わりに
愛を伝えてくれる 
戸惑い 傷つき 挫けながらも
許し 受け入れ 最後まで
きっと進んで行けるように
清々しく正しい愛に疲れ果てたとしても
胸を張って

天女が地上に降り立った
マリーゴールドの予言は
永遠に続く真心を込めた
煌めく明るい未来

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