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NOが言える子供を育てよう

協調性を美徳とする日本人
”Noと言えない日本人”という表現を聞いたことがあると思います。全体的に私たち日本人は自分の意見を主張したり、断ったりする事が苦手です。逆を考えると、協調性を美徳とすることで、秩序やマナーが守られてきている日本社会は住みやすく、全体の信頼感が強いです。これは私たち海外在住の日本人が日本に帰った時に日本人として誇りに思う部分であり、何よりもホッとする要因でもあります。

Noが言えない事で失うもの
外から見ると礼儀正しく、丁寧なサービスが受けられる日本社会ですが、悲しいことに自殺大国でもあります。私のカウンセリングの仕事でも若い子から初老の方々までとにかく『自己肯定感がなく自分が嫌い』『うつ状態にある』『他人にいつも合わせてしまう』と言う相談がダントツに多いです。これらの元々の原因を探っていくと大体が、社会や家族からの『こうするべき』と言う知らないうちにインプットされている価値観の枠から出れず、周りの人たちの機嫌を伺いながら合わせて生きていきた結果、自分を理解する機会が失われ、自分を優先すること・自分らしさを失っている背景があるのではないでしょうか。

なぜYesと言ってしまうのか
Yesと言う方がその場を楽にしのげるからです。自分がしたくないことでもYesと返事すると『優しいね!』『さすがXXちゃん!』と褒められます。褒められると長持ちはしませんが、一瞬でも気分が良くなります。反対に、正直にNoというと良い顔をされないし、理由を説明しないといけないので面倒臭いです。だから自分は実はがっかりだけど、人に合わせて「良い人」でいる方を選んでしまいます。

自分をがっかりさせないことを優先
『人様に迷惑をかけないように』とよく日本では言われます。自分の主張よりも他人に迷惑かけないことの方が重要視されることが多いです。人に迷惑をかけてはいけないという責任感が強く、実は自分自身が犠牲になっていませんか? そして私たちは大人になると’自分の心を守るのは他人には出来ないこと’に気づいてきます。自分にしか自分の心を守れないのに、自分で自分をがっかりさせちゃている事が多いのかも知れません。

ホンモノの人間関係を作る要素
良い人間関係を築くにはやはり本当の自分を出す事が不可欠で、必要な時に自分の気持ち・意見をしっかり伝え、自分を優先することで相手にあなたのことをより理解してもらう機会を与えます。さらに、自分を優先出来る人は、自分を大切にし守れる人です。自分を大切に出来る人は、相手を大切にする余裕もあります。
友人、同僚、家族、恋人、夫婦の関係は私たちの人生を温かく守ってくれるポテンシャルがあり、逆に私たちの心をズタズタにする力も持ち合わせます。良い人間関係を作るために必要な要素は基本的にどの関係も同じです。「嫌われるのが怖いから」と彼に合わせ続けていると、相互的な関係であるはずの関係が、いつの間にか「彼から好かれる」ことを集める浅い関係になり、いつしか溝が出来てきます。大切な人といるのにいつまでも孤独感が消えないです。そしてそんな自分が嫌いになっていきます。

自己承認力は自分自身への投資
相手や周りのことを優先する価値観には大きな落とし穴があります。『友達に嫌われたくない』『良い彼女・彼氏と言われたい』『理解のある奥さんだと思われたい』と一所懸命に自分を抑えることは、相手のことを優先しているように見える一方で、実は外からの承認を欲している事が多いです。他人からの承認はフーセンガムの様にすぐに味がなくなり、また次が欲しくなるという終わりのない欲求です。反対に、自分と向き合い自己を大切にすることを続けていくと、自分承認力が芽生え、成長していき、いずれキレイな花を咲かしてくれます。

子供の感情を否定しないことから始める
だからこそ子供の好き、嫌い、楽しい、行きたくないといった一見わがままにも見える感情や気持ちをリスペクトしてください。子供の意思表示に対して『そんなこと言ったらダメ!』ではなく、その答えがNoであっても『行きたくないんだね。教えてくれて有難う。』と先ずは受け止め、子供が心で感じていることを表現できたことを褒めましょう。こうすることで、自分の感情を無視したり抑えたりするのではなく、心の声を聞く力を養います。『わがままな子になっちゃう』と心配になる方もいるかも知れませんが、子供は成長するにつれて自分の主張をする機会をどんどん無くしていきます。わがままな子バンザイです🙌🏼

子育てのご相談はホームページからご連絡ください。
https://www.proparents.club

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