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【3月議会 武蔵村山市議会議員 清水彩子の一般質問①高齢者のうつ病対策について】

【清水彩子の一般質問】
うつ病となる誘因は、大きく2種類に分けられると言われており、その2種類とは、重大なライフイベントと、慢性的なストレスです。高齢期の重大なライフイベントの例としては、大切な人や愛犬を亡くす体験、自分や身近な人の施設入所などによる環境の変化、長年勤めてきた職場の退職などがあります。

もう一方の慢性的なストレスには、大きな病気にかかること、認知機能の低下、身体機能の衰えによる行動力の低下、同居家族との問題、経済的な問題、社会的役割の低下、家族の介護、社会的孤立などがあるといわれています。

厚生労働省は、うつの症状として、強いうつ気分、興味や喜びの喪失、食欲の障害、睡眠の障害、精神運動の障害、疲れやすさ、気力の減退、強い罪責感、思考力や集中力の低下、死への思いなどをあげています。こうした症状が、何日も何ヶ月も続くことは、一人では耐え難いと容易に想像がつき、自殺対策の観点からも予防と早期発見が大切です。しかしながら、うつ病になった自分に罪悪感を持ち、誰にも知られたくないという気持ちから、一人で悩んでいる方、自分自身がうつ病であることに気が付かず、医療機関にかかれていない方もいらっしゃいます。また、異変があっても、歳を取ったからだろうと家族も思い込み、早期に医療に繋げない場合もあることから、治療が遅れることもあります。本人や周囲が異変に気が付き、心の健康を取り戻せるよう、高齢者のうつ病対策について、①予防、②早期発見・支援、②家族への支援について伺います。

【市長答弁】
第1項目の1点目について、お答えいたします。
高齢者のうつ病予防につきましては、うつの原因になり得る加齢に伴う心身機能の低下や、社会的な役割の喪失に伴う閉じこもり、孤独感等の解消のため、健康教室やお互いさまサロン事業等を実施し、心身機能の維持や孤立化の防止を図っております。
次に、2点目について、お答えいたします。
うつ病の早期発見及び早期支援につきましては、日頃の相談、訪問等によりうつ病の兆候が見られた場合等には、相談窓口の案内や医療機関への受診勧奨を行うほか、必要に応じ、保健所等と連携し、うつ病を含む精神疾患について対応を図っております。
次に、3点目について、お答えいたします。
家族介護者に対しましては、個々の状況に応じて、専門の相談窓口や介護サービス等の利用について案内しているほか、家族懇談会を実施するなどの支援を行っております。


(清水彩子の再質問)
「高齢者のうつ病対策について」から再質問いたします。①予防ですが、市が年齢に限らず取り組んでいるうつ病対策を教えてください。

(市の答弁)
高齢者につきましては、市長答弁にもございましたとおり、うつの原因になり得る閉じこもり、孤独感等の解消に資する様々な介護予防事業などを実施しております。
また、子育て世代につきましては、産後うつの防止を目的とする産後ケア事業やレスパイトを目的とするショートステイ事業、両親学級事業、育児相談を通じて、育児うつに関する意識啓発を行い、子育てによる心身の負担軽減に努めております。

(清水彩子)
他の年齢層ですが、市のホームページでうつ病について調べてもよくわからなかったのですが、「なやんでいるあなたへ」というページがあり、そこには「体と心の限界サイン」というチェックリストのようなものがあり、相談先も載っています。このページに「うつ」で検索した時にもたどり着けるようにしていただきたいと思います。
  
うつ病対策についてボランティア活動が盛んな地域で、うつ病発症のリスクが低いという結果があったり、老人クラブなどの集まりで、リラックス教室を開催し、ストレスに対処できる方法を学習できるようにしているなど、自治体で意識して高齢者のうつ病対策に取り組んでいるところもあるようですが、市が、高齢者のうつ病対策として取り組んでいることがありましたら教えてください。

(市の答弁)
うつ病対策に限定した事業は行っておりませんが、介護予防事業におきまして、ストレスの軽減や心身のリラックスを目的とした教室を開催しているほか、お互いさまサロンではリラクゼーションを活動内容としているサロンもございます。

(清水彩子)
ありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。
うつ病を含む気分障害の患者数は年々増加していると聞きます。
とくにこの近年は、新型コロナウイルスの後遺症や感染症の不安などからも、心の健康を崩している方は増加していると思いますし、SNS疲れであったり、高齢者がデジタル化についていけないことで、日々の暮らしの中でもわからないことが増えてストレスになっているという事も聞きますので、意識して心の健康に繋がる事を取り入れていただきたいと思います。
デジタルデバイドについては、直接うつ病対策ではなくても、人に聞かなくてもキャッシュレスレジが使えたり、自宅で確定申告が終えられたり、LINEで遠くに住む孫とテレビ通話ができたりすることは、間接的ではありますが、心の健康に繋がることなので、「「ねらい」が高齢者のうつ病対策である、間接的な施策」についても研究して進めていただきたいと思います。
定年退職などを通じて、仕事を失った場合、生きがいを見つけられなかったり、市内にお付き合いがある人がおらず、孤立感を深めてしまう方もいます。趣味ややることを持つことは、うつ病を予防するだけでなく、仲間や生きがいを作ることにもつながりますが、お互いさまサロンや介護予防教室などは女性の方の参加が多いようですが、定年退職後の男性が地域で過ごすためにしている工夫があれば教えてください。

(市の答弁)
お互いさまサロン等において男性参加者が少ないことにつきましては、既に各地域包括支援センター等とも課題として共有しており、男性参加者を増やす方策について検討しているところでございます。その取組として、令和5年度には、男性メンバーが中心となったお互いさまサロンの立ち上げ支援を行い、これは麻雀のサロンとなりますが、12月に立ち上がったところでございます。また、令和6年度には、対象を男性に限定した、負荷の高い筋トレ教室の実施も予定しております。

(清水彩子)
選択肢が増えて良かったです。今後も参加する男性から、どのようなものなら参加したいか聞いていただき、自分らしさを大切に参加できるものや、興味関心のあるものを増やしていっていただきたいと思います。現行の介護予防事業や老人クラブの会合等を利用し、うつ病に関する「出前講座」やパンフレットを配布することで、うつ病に関する正しい知識の啓発・普及ができるのではと思いますが、そのような啓発はしているのでしょうか。

(市の答弁)
現在のところ介護予防教室等において、うつ病に関する知識の普及啓発等は実施しておりませんが、そうした機会を捉え、普及啓発活動を行うことは可能であると考えております

3月議会中の武蔵村山市役所

(清水彩子)
うつ病になったことを恥ずかしいと捉えてしまう方もいらっしゃるので、誰でもなりうることなど、正しい知識を身に付けていただきたいと思いますので、機会をみて触れていただければと思います。

特殊詐欺の被害に遭われた方が、自分のせいで家族に迷惑をかけたと思い悩み、うつ病を発症することもあります。特殊詐欺に対する知識啓発が大切ですが「高齢者等見守り支援ネットワーク事業」は、どのような体制になっていますか。

(市の答弁)
高齢者の消費者被害防止のための見守りネットワークは、高齢者を消費者被害から守り、被害を拡大させないために、主に、消費生活センターと地域において日常的に高齢者を見守る地域包括支援センターが連携する体制になっております。

具体的には、地域包括支援センター長会議に協働推進課職員が参画するほか、「見守り関係者が、日常業務において高齢者の消費者被害の兆候を感じた際には地域包括支援センターを通じて消費生活センターに連絡する。」「注意喚起すべき事項について、消費生活センターが地域包括支援センターに情報提供する。」等の連携を図っております。

(清水彩子)
そのように連携していただきありがとうございます。様々な手を使ってくるため、新しい手口を共有したり、「これは詐欺ではないか」と気づくよう、引き続き啓発をお願いします。②早期発見・支援についてですが、国内外の疫学調査によれば、認知症の有病率は65歳以上の高齢者では、13.5%に臨床的に明らかな抑うつ状態が認められるとの報告があります。認知症予防の観点からも、早期発覚治療が必要だと思われますが、仮性認知症、認知症、うつ病、それぞれ似ていて、わかりにくいと言われているようですが、この3つの症状の違いを教えてください。

(市の答弁)
仮性認知症につきましては、うつ病などが原因で記憶力、集中力、判断力の低下など、一見認知症のような症状が現れる状態のことであり、認知症に似た症状があるため、間違われることが多いですが、認知症と比べ気分の落ち込みや意欲の低下、不安感など抑うつの症状が強くみられる特徴がございます。

認知症につきましては、一度正常に発達した認知機能が、後天的な脳の障害によって持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態のことでございます。

また、うつ病につきましては、日常生活に強い影響が出るほどの気分の落ち込みが続いたり、やる気が出ないなどの精神的な症状のほか、眠れない、疲れやすい、体がだるい等の身体的な症状が現れることのある病気であり、気分障害の1つとなっております。

(清水彩子)
似ているようで別々のものであるとわかりました。
自治体によっては、ホームページにうつ病と認知症の違いを掲載したり、高齢者のうつ病チェックリストなどがあります。ホームページに、こうしたチェックリストの掲載はされないのでしょうか。

(市の答弁)
チェックリストのホームページへの掲載につきましては、本市では認知症チェックリストの掲載を行っておりますが、うつ病チェックリストにつきましては本市において作成したものがなく、現時点で掲載の予定はございません。

(清水彩子)
チェックリストの掲載はなくとも「もしかしたら自分はうつ病なのではないか」と気がついたり、ご家族が「お母さんは認知症ではなくうつ病なのかもしれない」と気がつくような機会をつくることを考えていただきたいと思います。
心療内科に行くことには迷いがあり、まずは身近な場所で相談したい場合、担当の窓口はどこになるのでしょうか。

(市の答弁)
本市における担当窓口につきましては、障害福祉課となってございます。
また、高齢者につきましては、総合相談支援業務を行っている各地域包括支援センターや高齢福祉課においても、必要に応じて相談を受けております。

(清水彩子)
保健相談センターかと思いましたが、障害福祉課とのことで、窓口がわからないと思います。市役所、保健相談センター、障害福祉課、それぞれ建物が違うため、相談に行ったのに窓口ではないところに相談に行ってしまい、建物が違うといわれたら、その途端心が折れてしまうように思いますので、わかるようにしていただきたいと思います。

精神的に辛いという相談が精神障害ということに捉えられ、障害福祉課が窓口というのも、業務としては障害福祉課の仕事であっても、相談者の心情を考えるとどうなのだろうと思います。

高齢者については、地域包括支援センター、高齢福祉課とのことで、高齢者にとって身近に窓口があるとわかりました。
ご自身で連絡ができる方は、支援に繋がることができますが、一人暮らしの方は、友人などにも相談しづらく、悩みを一人で抱えがちです。一人暮らしの方に、今精神的に辛いことはないのか、訪問することはあるのでしょうか。

(市の答弁)
個々のケースによって対応が変わりますので一概に申し上げられませんが、必要に応じて訪問する場合もあると考えております。

(清水彩子)
気軽に訪問する地域での見守りのような仕組みづくりをしていただき、人と繋がりたいのに繋がれない人を気にかけていただきたいと思います。
相談の中で、市が医療機関に繋ぐ必要があると判断された時、医療機関に繋ぐためにどのような工夫がされていますか。

(市の答弁)
精神障害者地域活動支援センターや保健所などの関係機関と連携を図りながら、御本人の状態を医療機関の相談員などに事前連絡するようにしております。

(清水彩子)
連携が取れているとのことでわかりました。
心の健康相談について、申し込んでからの流れを教えてください。

(市の答弁)
心の健康相談につきましては、市のホームページで心の健康のためにできることや相談先を御案内しております。
市では保健相談センターや市民総合センターなどの各相談窓口で随時心の健康相談を受けており、専門職の保健師が心と体の不調についてよく傾聴し、相談内容に応じて、適切に保健所等の関係機関や医療機関へつないでおります。

野山北公園のカタクリの花

(清水彩子)
適切に繋いでいただきありがとうございます。
自殺例の背景を精神医学的に詳しく調べたところ、7、8割はうつであったと考えられているそうです。また、高齢者のうつ病は自殺率が高く、自殺者の約4割は高齢者であるというデータもあります。表向きは身体の病気や生活苦を理由にする自殺であっても、実はうつ病が隠れていることが多いと言われています。継続してうつ病で通院している方や、自殺未遂者について、市のサポートはあるのでしょうか。

(市の答弁)
自殺未遂者支援を進めていくには、警察、消防、救急病院、自殺対策活動を行っているNPO法人等の様々な関係機関とのネットワークを構築する必要があると考えております。
本市の自殺対策推進協議会の中では、今後の取組のひとつに自殺未遂者支援を掲げておりますが、まずは市役所庁内の各部署における相談窓口の連携強化を図るため、今年度より自殺対策庁内連絡会を設置し、自殺に関わる相談内容や未遂者の現状も含めた情報交換を行ったところでございます。
今後も専門家の御意見等を伺いながら、より適切な自殺未遂者支援について協議を進めてまいりたいと考えております。

(清水彩子)
進んできているということでわかりました。自殺未遂者については、「未遂で終わってよかった」というものではありません。生きることも死ぬこともできず、一番辛い時期かもしれません。早急にネットワークの構築を宜しくお願いします。
武蔵村山市自殺対策計画では、重点施策として「高齢者を対象とした自殺対策の推進」を掲げています。武蔵村山市自殺対策計画の行動マニュアルによると、高齢者や介護者に関わる支援者のゲートキーパー養成講座受講を推奨するとのことですが、どのくらいの頻度で開催されているのでしょうか。

(市の答弁)
本市のゲートキーパー研修の対象者につきましては、過去5年間の状況でみますと、令和元年度が民生委員や保護司等、令和2年度が地域包括支援センター等事業所職員、令和3年度と4年度が市内小中学校教職員や養護職員、令和5年度が市役所職員となっております。
今後もより適切な対象者を見据えながら、ゲートキーパー研修を実施してまいりたいと考えております。

(清水彩子)
対象を絞って特化した研修をしていただいているとのことでありがとうございます。武蔵村山市自殺対策計画の行動マニュアルにある「高齢者や介護者に関わる支援者のゲートキーパー養成講座」も宜しくお願いします。
うつ病の自助グループについては、どのようになっているのでしょうか。

(市の答弁)
誠に申し訳ございませんが、現在、市内にあるうつ病の自助グループにつきましては、把握しておりません。

(清水彩子)
うつ病の場合、知り合いに会いたくないなど、市内だけではなく、都内の自助グループくらいの距離で参加を考えたい場合もありますし、オンラインもあるようです。当事者の方にそうした情報もお伝えしていただきたいと思います。

うつ病、認知症であると、精神障害者保健福祉手帳が取得できますが、特に高齢者が享受できる大きなメリットは、公共機関の利用料金の割引と税金の軽減措置ですが、公共料金の割引、NHK受信料の減免、所得税、住民税、相続税の控除などがありますが、自治体や企業によって適用可否が異なるものもあると聞きますが、武蔵村山市の場合、どのようなものが適用になりますか。

(市の答弁)
武蔵村山市で現在適用になるものにつきましては、家庭廃棄物処理手数料の減免がございます。
対象者は、重度の障害者手帳(身体1又は2級、知的1又は2度、精神1級)の交付を受けている方が属する世帯で、住民税が非課税の世帯に対して指定収集袋を世帯人数に応じて交付しております。
また、MMシャトル及びむらタクにつきましては、精神障害者保健福祉手帳(写真付き)所持者の方は、降車時に手帳又はミライロIDの提示により割引を受けられます。

(清水彩子)
調べないとわからないことも多いので、これから取得をお考えの方に伝わればと思います。③家族への支援について伺います。介護者の集いの場はどのようなものがありますか。内容についても教えてください。

(市の答弁)
介護者の集いの場につきましては、精神保健福祉相談事業において、家族懇談会を実施しております。また、うつ病の家族介護者に限定はしておりませんが、各地域包括支援センターにおいて、介護者交流会を実施しております。

(清水彩子)
介護を経験する中での困りごとなどを相談できる家族懇談会、介護者交流会は大切な集まりだと思います。ありがとうございます。
家族が、異変に気がつくポイントとして、習慣だったことができなくなる、無口になり、ぼーっとしている、趣味や好きなことへの興味がなくなった、体に不調があるが、検査をしても異常が見つからない、死にたい気持ちをほのめかす、こうしたことが挙げられるようですが、年齢的なものであると思い込み、医療に繋げないこともあるかと思います。家族が異変に気がつくように、家族にも知識が必要ですが、家族に「高齢者のうつ病」について啓発はしているのでしょうか。

(市の答弁)
「高齢者のうつ病」に限定した普及啓発活動は行っておりませんが、介護者交流会において、介護に関する情報の共有や介護に関する勉強会を実施しております。

(清水彩子)
「なんかおかしい」と感じる段階で知っている必要があると思います。予防と早期支援が大事だと思うのですが、これまで認知症については考える機会があったと思いますが、「高齢者のうつ病」についても、家族や周囲の方に知っていただきたいです。
親のうつ病の症状について、家族が大変だと感じる時、病院以外にどこが相談に乗って関わり方のアドバイスなどをしてくれるのでしょうか。

(市の答弁)
病院以外の相談窓口につきましては、市の障害福祉課、高齢福祉課、地域包括支援センター、精神障害者地域活動支援センターのほか、東京都立多摩総合精神保健福祉センターにおいても、相談業務を行っております。

(清水彩子)
わかりました。うつ病は、家族も辛く感じる事が多いと思いますので、親身になって支えていただきたいと思います。
市民が、うつ病対策を意識し、予防に取り組めるよう宜しくお願いします。
以上で1項目の質問を終わります。

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