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「もう点滴やらなくていいです」


 
身体がむくんできてしまって
もとから延命は望んでいなかった患者さん
 
レベルが落ちて
自分では意思疎通ができなくなった時
 
「もう点滴はやめてください」
その言葉を言ったのは旦那さんだった
 
これが言えるのって
ほんとうに本当に、すごいことだ。

 
今まで、
この夫婦の間で
どれだけ話し合ってきたんだろう。

今までどれだけ
お互いを信頼して
尊重してやってきたのだろう。


旦那さんが
奥様のことを
どれだけ大切にしているか

思い知る。
 

もっと生きていてほしい。
自分のエゴがある中で
 
せつなさ悲しみがありながらも
これ以上は望まないという
奥様の思いが優先できる。 
 
 

最後の時を病室で過ごすときも
奥様へのありがとうと
思い出話であふれる。
普通に笑ったりしてね。

 
最後の呼吸になったとき
「もう頑張らないでいいんだよ」
「もう十分だよ」

という言葉がかけられていた。
 
どこまでも奥様ファースト。

苦しく切なく怖い時間だけど
愛の空間だった。

わたしはどこか安らかな気持ちで

ああ、
この患者さんはなんて幸せなんだろうと。
こんな旅立ちがあるものなのだろなあと。
思っていた。
 

お父さんは最後
「男っていうのは、弱いからさ
 いつでもお母さんに支えてもらってたんだ」
ってわたしに言った。
 
まだ夫婦で
やりたいことがいっぱいあったって
言ってた。
 
わたしは何も言えなかった。
ただナニカが
お父さんを守ってくれますようにって思った。

 

後日、
その奥様にヒーリングでつながると
大満足そうだ。楽しかったって。
いつもありがとうを言ってくれる人だった。
ハワイの思い出話も嬉しかったみたい。

いつでもお父さんを見守っていると。
うん、ありがとう。
  


私たちみたいな第3者がいるから
語れることもあるのかも。

わたしは自分のお役目を精一杯やろう。

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