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異世界キャンプ チートはなくても美味しいものがあれば充分です

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「モンスターしか食べるものがないんだけど!」  ピクシーのリリは叫ぶ! 川雲百合、リリが人だった頃の名前だ。 ある日の仕事終わり、急に目の前がフッと真っ暗になると、魔道士に目的…
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2022年5月の記事一覧

16話、デザートプレデター(2)

「くそっジジィ達、しくじりやがったな」

ギルドでのやり取りを思い出し、アンはボヤくと馬車に飛びついてきたデザートプレデターをけん制し、オリャ! っと声を上げ大盾を大きく振り回す。
 ガゴンッと鈍い大きな音を立て、デザートプレデターは後方へと弾き飛ばされた。

「アン様、見事です」

横に控えていたクリスタはすぐさまナイフを投げる、それは見事に首元へと刺さる。
 しかしデザートプレデターは何事もな

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16話、デザートプレデター(1)

「デザートプレデターだ! 全力で街まで逃げるんだ!」

アンの怒号が響く、下では乗っている馬車の車輪がガタガタと悲鳴を上げている。
 馬車は猛スピードで走り抜けているにもかかわらず、後ろを追いかける馬と同じサイズの獣が二匹。
 牙を剝き出しにした顔のない獣は、二足歩行のまるで化け物だ。
 誰もが恐怖に慄くであろう化け物を前に、ラーナが問いかける。

「戦うのは?」

アンに聞きながらも、牽制でナイ

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15話、とてつもなく大きな鶏肉(8)

「宴の時間じゃー」

(あんたは年中、宴してるじゃない)

 心の中でつっこんだリリの目の前には大きな鶏肉の塊。
 ガランティーヌを囲むように五人と一羽は、傍から見ると異教の宗教をしているようにも見える。
 その一行は肉に齧りつき酒を煽る。
 リリも久々のまともな食材にワクワクしていた。

「リリ、美味しいよ! ちょっと生なのが面白いね!」

 ラーナの言葉に一抹の不安を覚えたリリももも肉に齧り付

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15話、とてつもなく大きな鶏肉(7)

[2,中に詰めるタネを作る]

「パンは適当にちぎって……んんっ! 硬っ……しかも、量が多いぃー…………後回し!」

 一本ちぎり終えたリリは樽の中のパンを数えるとサッと目を逸らす。

「それじゃあラーナが切っといてくれた内臓のあまりに調味料を入れよー……って、これも多いな!! ラーナが炒めてる分より多くない? あれっ? 肝臓が一番大きいんじゃ…………あー肺か! 鳥だもんねあの巨体を浮かせるんだか

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15話、とてつもなく大きな鶏肉(6)

「どう? 出来た?」
「多分ね、ほらっ」

 指さしたのは、水を張った樽、中の細切れのお肉の形がしっかりと見える。

「随分ときれいになったわね」
「ちゃんとやったからね!」
「血抜きも問題なさそうだし、作ろっか」
「オッケー!!」

 リリを追いスカイロックを登っては降り、更にはロック鳥との戦闘までした後だというのにラーナの返事はいつもと変わらない。

(ちょっとラーナってば、ハイになり過ぎてな

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15話、とてつもなく大きな鶏肉(5)

【ピクシーの生態と秘法】

 リリは知る由もないが、ピクシーの秘法と多種族に呼ばれているものには、勘違いから起きたからくりがある。
 力も弱く魔法に長けた体躯の小さなピクシー族は、自ら人里に下りてこない限り、まずみつかること自体が珍しい。
 だからこそ、生活様式は謎に包まれているのだが、一般的に知られているのは魔法主体の生活をしており、ちょっとした力仕事ですら魔法で済ませること。
 主食は木の実や

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