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ホリエモン✖️三輪綾子『女性の「ヘルスケア」を変えれば日本の経済が変わる』は画期的な本だと思った理由

昼休みに、買うあてもなく駅ビルの本屋さんにチラリと寄ってみた。レジ近くに平置きされていたこの本は、私のアンテナにバチっとかかり、秒で購入。
ホリエモンが以前から、子宮頚がんワクチン啓発活動をしていたのは知っていたけど、月経、不妊、中絶、出産、更年期まであらゆる女性の体にまつわる話題に大声で切り込んでいるなんて、関心高まることこの上ない。
冒頭に『女性の健康問題』への男性の理解のなさと、制度的なケアの不十分さの二つが女性の社会進出が進まない要因だと断言しているところから始まる。

早く内容が知りたくて、帰りの電車(約1時間)で速読気味に読み始めてみた。途中車内がめちゃくちゃ混んで、本が顔の近くに来るから、ぼやけて見えにくかったけど、大事なことはフォントサイズ大きい太字になってたから助かった(笑)。

昨日私が書いたnoteで月経と出産と更年期について書いたそれと被るところもあって、ホリエモンに勝手に親近感。確か、ホリエモンとは同い年だったと思う。

よくぞよくぞ言ってくれた。私たち女性だって女性特有の悩みを解消したい、もっと正しい知識を広めていきたいと思っているけど、影響力はきっとレベチだ。男性実業家でビジネスをぐりぐり回している彼が、世の中の男性経営者に向かって「知っておかなきゃやばいぞ」と言い放つのも爽快である。

なぜ男性であるホリエモンが予防医療の活動に力を入れるのか、女性の健康問題が社会に与える影響について声を大にして発信するのか、それらの理由もこの本で明らかになっている。
本の中で私が個人的に、よくぞ取り上げてくれたという内容や多くの人にもっと知ってほしいと思うことをピックアップしておきたい。

月経の回数は100年前に比べて9倍!


私は、4、5倍と聞いていたんですけど、現代が450回というのは変わらないので言いたいことは大体同じ。
なぜかというと初潮を迎えるのが、昔は15歳くらいだったけど、現代は栄養状態がいいので12歳くらいと早まっている。
出産の回数も、昔は10代後半から4人とか5人といった多産だったが、現代は、出産をする人で、30代で1、2人くらいと出産回数が減少しているためという社会の変化がある。(妊娠すると月経が止まり、授乳している間は月経が戻ってくるのに時間がかかる)
月経の回数が増えれば、体への負担ももちろん大きい。特に働く女性にとっては、通勤だってきついし、デスクワークでさえ辛いのに、接客や立ち仕事はどんなにか。(生理休暇の取得率は0.9%。取りにくいのが実態だ。その点では、テレワークは通勤がない分かなり救われている)

ピルの話題すらタブー視する空気は女性の社会進出の阻害要因


低用量ピルが月経前症候群(PMS)や生理痛の緩和に有効だということは最近になって知られてきたが、まだまだピルに対する偏った見方が一定数あるようだ。
日本で低用量ピルが承認されたのは、1999年。つい最近のことだ。アメリカに遅れること40年、国連加盟国で最後の承認国だったとは。
ジェンダーギャップ指数が恐ろしく低いというのは、こういうことからもうなづける。
避妊薬という認識や副作用があるといったことが一人歩きして、実際の効能についての理解が乏しい。が故に、日本は低容量ピルの普及率が先進国で極端に低く5%に満たないとのことだ。普及させることで、毎月辛くて困っている人が救われてQOLが高まれば、プレゼンティーズム(出社しているものの、何らかの健康問題によって業務効率が落ちている状況)という可視化されづらい損失も減っていくはずだ。

不妊治療に取り組む女性の離職率が高くなる理由


2022年4月から保険適用となった不妊治療。経済的にはすごく助かる一方で、周囲の理解や職場環境が整わないと仕事と治療の両立はこれまで通り難しいと思う。
どこかで詳しく実体験を書き記したいと思うのだがここでは簡単に。タイミング法や人工受精の場合、排卵日を意識して、その前後に何度か通院する。精神的に大変な時期だ。
私の場合は、すぐに生殖補助医療(体外受精、顕微授精)に移った。そちらの方が卵胞を採卵するために、ホルモン剤を事前に打つし、採卵日だって指定されるし(卵胞の大きさでタイミングをみてこの日と言われる、もちろん平日)、日帰りでできるけど、麻酔もするから(麻酔しても痛みはあることも)その後会社に行く事は無理。
なんと言っても、急に休むことを言わなきゃいけない。その日に自分が仕切る会議があったり、来客があるときはゾッとする。上司やメンバーは「休むなら早く言ってよー」って思うかもしれないけど、それができないから、会社やめちゃおうかと思うのだ。
10年前は、不妊治療がまだ今ほどオープン出なく、会社に言えなかったから、毎回、いろんな嘘の理由で(よっぽど体が弱い人だと思われていた)休んでいた。今思えば、上司に言えば良かったのだけど、言える状況ではなかったから。

「ホルモン補充療法」の普及率は海外に比べて圧倒的に低い


最後に、専門分野の更年期について触れていたのでこちらも取り上げておきたい。先に記したピルと同様に、そもそも知らなかったり、メリットよりデメリットを重く受け取ってしまう文化的背景もあったりする。
私たち、更年期ライフデザインファシリテーターも、ホルモン補充療法という適切な治療法があることを講座で伝えているが、できれば薬は使いたくないといわれることもある。(それなら他にも漢方薬などほかの選択肢も)
更年期の章は産婦人科医三輪氏のターンで、海外の普及率が高いことを伝えたあと、以下の引用があった。

なお、NPO法人ちぇぶらが行った「現代女性の更年期についての実態調査アンケート2021」では、ホルモン補充療法の利用者は16.6%おり、以前と比べて進んでいるといえるでしょう。

本書216ページ

単なる引用でもNPO法人ちぇぶらの名前が出ていて嬉しかった!

この本、他にもフェムテックの話題やESG投資で注目のダイバーシティ推進の話もあり、まさに今の私の関心ごとが丸っと載っていて、秒で買って正解だと思った。
我が国籍の女性の健康問題による「労働損失」は年間4911億円!
このようなデータをもって、まだまだ男社会の日本に男性としてメスを入れるホリエモン、そして三輪氏がリーダーの「女性が我慢しないですむ社会」の実現に向けた「Qプロジェクト」に私も参画したい気持ちでいっぱいだ。

ちなみに我が、NPO法人ちぇぶらのミッションは、
更年期の知識と体のケアですべての人が「自分らしい充実した日々」を過ごすことができる社会の実現、である。

なんか繋がるものがあるような気がする。やはり画期的だ!

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