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なにかを決断する時

よく「どうしてカナダに住もうと思ったの」と聞かれる。

世の中にある「どうして○○しようと思ったの」に対する答えに、
だいたいそんな深いものはない。
みんな適当に答えているという訳ではなく、みんななにかを決断する時は勢いでジャンプしている時が多い気がする。
大きな決断は思い切って飛び込む。小さな決断で微調整する。というように。

私の場合、まずカナダに住もうと決めて、それからワーキングホリデーのビザを取得した。
その時点で、カナダについて私が知っていた情報はほぼゼロだった。

カナダはワーキングホリデーを受け入れているということと、

あと寒そうだな、ということくらい。

きっかけは23歳の時。
実家暮らし。就職した会社は合わず、退職してフリーターをしていた。
唐突に母親が「今住んでいる家を引っ越そうと思うんだけど、あなたはどうする?一緒にくる?」と聞いてきた。

その時初めて一人暮らしをすることを考え始めた。

はじめてのひとり暮らし。

どこに暮らそう。

夢が膨らんだ。

生まれ育った街を出て、もっと広い世界を見たい。
そうだ、もっと広い世界を。
わたしを引き留めるものは何もない。

よしっ
人生はじめての一人暮らしは海外の知らない国にしよう!

という、我ながらかなり雑な決断だった。

引き留めるものは何もないと言いつつも、
念のため両親には、ビザを取って、航空券を購入してからの報告になった。

カナダに渡り、当初は一年の滞在の予定だったが、もう10年くらい住んでいる。
誰も未来のことはわからないもんだ。

さて、
過去の話はここまでにするとして。

最近は「決断」できなくなってきてしまった。
頭ではわかっているのに、いざやろうとなるとなかなか最初の1歩が踏み出せない。

年齢を重ねれば、経験値も増えて、物事をもっと簡単にこなせるようになるだろうと思っていたけれど、そんなこともなかった。
今のわたしは、考えすぎて、頭ばかり使いすぎて、ひたすら足踏みしているような状態だ。そしてその状況が一層不安を深めていき、なぞの焦りが生まれる。
きっと、生きてく中でずっと走り続けることも素晴らしいことだけど、
立ち止まらないと見えない景色がある。
今はその美しさに気づけなくとも、いつか全てがひとつに繋がる線となる時がくるだろう。。。
そうポジティブに考えられる日もあるが、忘れたころにまた焦りは戻ってくる。
そう。考えすぎると何もできなくなる。
真面目に考えすぎて、まるで雪だるまのように全身ガチガチになってしまう。

「逃げるな。前を向け。息を吸って前進しろ。傷ついたって、みっともなくたって、人生は飛び込まなくっちゃ。」
               Netflixドラマ  First Love 初恋 より。
ほんとその通り。

力むと何も上手くいかない。
でも大丈夫、なんとかなる。と自分に言い聞かせて奮い立たせる。
何度も何度も。

息を大きく吸って、吐いて、
もう一度吸って、
最初の、一歩を踏み込む。





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