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体験のデザインと、「運動会」。

こんにちは、小野綾香です。

アフリカスタートアップを辞め、会社員の肩書きが無くなって、1ヶ月。
想像以上に忙しい毎日を過ごしています。
暇を見つけては、家の裏から、”竹”を切って、削ったり編んだりしています。(え?)

竹のワークショップを企画したりしてます。


さて、「気候変動」という壮大なテーマに出会って、行動を起こし始めて、早数ヶ月。

最近は「Climate Designer」というコミュニティの運営に関わり始めました。気候変動問題に関わるデザイナー集団です。

できたばかりの、コミュニティなのですが、運営メンバーは、さまざまな業界トップクラスで実力派デザイナーの方々ばかりで、すでに構造や要点を捉えるレベル、行動に移すスピード感など、学ぶことばかり。一緒にこれから盛り上げていくのが楽しみです。


しかし、私は、専門としては、いわゆるグラフィックデザイナーでも、アプリなどのweb/UIデザイナーでもありません。

私にとってのデザインは、<体験のデザイン>です。ポジションとして、すでにあるものを挙げると、UXデザイン / サービスデザイン / 社会システムデザインあたりが、近いかなぁと思っています。

とはいえ、あまりクリアにしたことがなかったため、自分にとっての体験のデザインについて、少し実体験をシェアしながら、考えてみたいと思います。

一緒に、感じて、考えてみてもらえると嬉しいです。

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欧州サスティナブル旅から帰国しました

2023年4月から5月にかけて、国内は鹿児島・岡山と、海外はイギリス・北欧(スウェーデン・デンマーク・フィンランド)旅を終え、日本に帰ってきました。

テーマは「sustainability(サスティナビリティ/持続可能性)」と勝手に決め、各都市でサスティナブルな取り組みや、気候変動に関わる施設や人を訪ね話を聞き、実際に見たり触ったり食べたりして、自分の”五感で味わう”旅を企画し、街々を回っていました。

(そこで見て聞いてきたことは、また別のnoteにしたいと思います。)

インプット過多になりそうなほどの旅を終え、小休止ということで、地元福岡に一時帰省していました。今回の記事は、そこで感じた記録です。


ここ福岡の片田舎にある私の実家は、通っていた地元の小学校から徒歩1分の距離。
この記事も、縁側のウッドデッキに腰掛けながら書いており、隣では犬が気持ちよさそうに、日光浴をしています。

縁側で春の太陽の暖かさを感じながら、平日PCでリモートワークしていると、子供達の声が、1分先の方からいやでも耳に入ります。

気持ちよさそう。


今は5月末の正午過ぎ。給食後の5時間目の体育の時間。
運動場からは、運動会の練習か、ダンスやソーラン節の音楽が聞こえてくる。
ダンスの歌は、あの頃は「I was born to love you」を意味もわからず、一丁前に口づさみながら踊っていたのに、今風にアニメ鬼滅の刃の曲なんかに変わったりして、ちっとも同じではないはずなのに、なぜか胸の奥の方がソワソワ、初恋のような切ない気持ちになってしまう。

これが私にとって、生み出したい<体験のデザイン>なのでは、とふと思いました。


デンマークで出会った、ランドスケープ建築家


ふと。
デンマーク・コペンハーゲンで出会った建築家は、『コペンハーゲンの人々は、程度の差こそあるが、地球環境にいいものを自然と選ぶマインドがある』と言っていました。

ヒュッゲを楽しむコペンハーゲン市民@気候公園/Climate Park
気候公園内の池。雨水を活用して生態系を維持している。

彼は有名な気候公園を設計したチームの1人。洪水が起きても、公園内の貯水槽に水を溜め、街を洪水被害から救うことができる機能をもちつつ、普段は、デンマーク市民が大事にしている「ヒュッゲ」の文化を、公園内で存分に楽しめる、そんなランドスケープデザインの立役者。


『2010年に起こったコペンハーゲンの洪水災害により、人々は気候危機がもう目前まで迫ってきていることを肌で感じているのです。だから、地球を守ることは、自分を守ることと、近い感覚として、捉えているのだと思います。』

過去の体験、そしてそれに基づく感覚や記憶が、その人の行動の奥底の杭になっているんだと思います。
<痛い・怖い>のネガティブな感覚だけでなく、<心地よい・感動する>のポジティブな記憶も。

理性と本能を繋ぐデザイン。


流行りのように使われる「sustainable/サスティナブル」という言葉。今の日本では、「知っている」とか、「良さそう」とか、「やらなきゃいけないらしい」とか。そういう類の認識にとどまっているように思います。それを、その人本来の体験を呼び起こすことで変えていきたい。

今の暮らし方や社会で、何もアクションを起こさなければ、気温が上がり、毎年熱中症にかかる人が増えて、運動会自体が縮小し、ついには、無くなってしまうかもしれない。。ソーラン節を当たり前に踊れる日本人は、私たちの世代を最後にいなくなるかもしれない。。


そんな寂しさの感情を他所に、1分先のフェンス越しに聞こえているあの小さな声達に、ドキドキしている私の心臓は、とても正直です。
この感情を残したい、できれば、またあの頃のように無邪気に遊んで笑っていられる、世界線を。

人の心に杭を打つことができる、そんな体験をデザインしていこうと思います。
I think I was born to love you, and the earth.


ここまで読んでいただいてありがとうございます。
一緒に竹遊びしませんか?

無邪気に竹を切って遊び出しちゃう中学生。「自由につくれる楽しさ」が伝わる。

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