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OiTr(オイテル)って知ってる?

私はかなりの月経不順だ。しかも重めのPMS(月経前症候群)。

直近で生理がいらしたのは2月10日。すると3月の頭から生理前症状がチラホラ現れだす。腹痛や散漫とした集中力に悩まされる日がジリジリと細く続くのだ。だが、今日(5月5日)まで彼の方にはお会いしていない。軽く2ヶ月は疎遠になる。私と生理は、ひとつの身体を共有しているくせに遠距離カップルなのだ。

生理が定期的に来ないということは、いつ何時も生理用品を持ち歩く必要があるということ。「来るかも」と少しでも感じたら、ソレをあらかじめ下着のなかに忍ばせることである。しかし、それは「予想」に過ぎないので、毎日数枚の"きれいな"ナプキンをゴミ箱に捨てなくてはならない。生理用品のストックは頻繁に底をつく。当の本人である私だって、それを「無駄遣い」だと感じてしまうが、この身体である以上、間逃れることはできないなのだ・・・。

先日、朝の時点で生理が来そうな感覚がなかったのでナプキンを使用せずに学校へ行ったら、学校にいる間に突然「これは・・・」という予感が全身を走った。準備をしていない時にこそ、それは訪れる。神様が人間に与えた試練なのだろうか。人生厳しすぎる。冷や汗を額にのせたまま私は鞄をあさった。ポーチに大量に入れておいたはずのナプキンが、この前詰め替えたはずのナプキンが、ない。顔面蒼白。絶体絶命。その日に限って、気の緩みすぎた私は白いスカートを穿いていた。やはり人生、厳しすぎる。

兎に角、ナプキンを調達せねば。学校を出てコンビニに行こうと思ったその矢先、あることを思い出した。

OiTr、キャンパスに設置できたよ!

敬愛している教授から伝えられた言葉だった。そうだ。思い出した。オイテルがおいてあるんだ、、、!

OiTrとは

みなさんはOiTr(オイテル)というサービスをご存じであろうか?
OiTrとは、個室トイレに生理用ナプキンを常備し無料で提供するサービス。全国120ヶ所(2022/05/03時点)の商業施設や学校、オフィスなどに設置されているらしい。
使用するには、専用アプリ内の「取り出し」ボタンをタップし、ディスペンサーのOiTrマークにスマホを近づけるだけ。それだけで羽根つきのちゃんとしたナプキンがディスペンサーから出てくるのだ。なんて画期的なサービスなんだ。【使用ルール】として、25日間ごとに7枚使用可能という枚数制限、2時間に1枚という時間制限があるが、ピンチを間逃れるには十分な量であろう。

そんなOiTrのコンセプトは、「不均衡の軽減」

そもそも生理って、私たちにとって何かと負担だ。「生理の貧困」というワードが一時多くのメディアに取り上げられ、「日本の学生の5人に1人が生理用品の入手に苦労している」というデータが明示されていたように、経済的な負担もあれば、私みたいに月経不順でナプキンの使用量の多さや「来るかも」という慢性的な不安という負担を抱えている場合もある。しかしそれらは目に見えるものではないし、口に出すのもタブー視される風潮にあるから、これまで水面下で人びとを悩ませてきた。

このような様々な負担を、幾分まかなえないかという思いから生まれたのがOiTrである。

このサービスを生理に伴う負担軽減に役立てていただき、経済格差やジェンダーギャップといった不均衡の是正に寄与したい。未来を語り、共感し、信頼し合える存在でありたい。             (OiTr 公式HPより)

私はこのコンセプトに強く共感した。私たちの負担を軽減してくれるサービスであり、これまでひとりで悩んできたことを誰かと語り合うきっかけになるひとつのムーブメントであろう。

昨年、生理用品について先ほど登場した教授とお話したことがあった。
「トイレットペーパーみたいに個室の中に無料でおいてあればいいのに。」
たしかにね、と教授。その以前から大学全体で動き出そうとはしていたみたいであったが、ついに今年度からキャンパス内のトイレ数カ所にOiTrの設置が完了したのだった。
「このこと話しにくいなぁ・・・」と感じさせずに声をあげさせてくれる、そしてその声を受け止めて動いてくれる大学のひらけた環境に心から感謝したい。ありがとう義塾。

上にも記したがOiTrの使用には専用のアプリが必要だ。私はそのことを知らずに、トイレに駆け込んだのちアプリをインストールするところから始めたので初のOiTr使用に少しばかり手こずってしまい、今回何度も登場する某教授の授業に1分遅刻してしまった。ごめんなさい。しかし、おかげでピンチは間逃れられたし、人生そこまで厳しくないじゃーんとつい数分前までこころを襲っていた悲観的なきもちも払拭できた。

このアプリを入れたスマホさえトイレに持ち込めれば、非常に簡単に、すぐに、問題なくナプキンを受け取れるのでぜひインストールしてみてほしい。またアプリ内では「OiTr spot」というOiTrが導入されている施設の一覧が見られるのでそこも要チェック✔これを見ると割と多くの施設に導入されているんだ!と感動できる反面、まだまだ浸透していないんだなぁと問題意識を持つこともできる。本当に良いサービスだから、もしえらい人がこの記事を読んでくださっていたら、導入をご検討されてはいかがでしょうか。

OiTrというサービスがより多くの学校やオフィス、公共施設に普及すること、そして生理の話がタブー視されずに性別問わず話し合える環境がこの国で整うことを、つよくつよく望みます。

あとは、私たちの遠距離も少しは解消されるといいね。


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